KIRIN~美の巨人たち~

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ディエゴ・ベラスケス「ラス・メニーナス」

今日の一枚はディエゴ・ベラスケス作『ラス・メニーナス』。スペインの天才画家の傑作にして、プラド美術館の最大の謎といわれる名画です。
縦318センチ、横275センチの大画面。中央に描かれている王女マルガリータの傍らには、幼い女官が2人。背後には尼僧姿の侍女と護衛の男。奥の入り口には、宮廷の官吏。背後の壁にかかる鏡の中に、王と王妃の姿があります。そして、画面右側には、奴隷として王宮に買われて来た2人の道化師、そして犬。画面左端にはキャンバスに向かうベラスケス自身。実に特徴的な構図です。
また、この作品は、ベラスケスが生涯唯一、自画像を描いた作品でもあるのです。この大作の謎のひとつに、絵の中のベラスケスが何を描いているのか、というものがあります。王女なのか、王と王妃なのか、それとも…。今日の一枚、『ラス・メニーナス』。この名作に秘められた謎と、人々を惹きつける魅力に迫ります。

スペインのセビリアに生まれたベラスケスは、11歳で画家の弟子となり、師匠を凌駕するほどの腕前を発揮していきます。その才能を買われ、24歳の時に国王フェリペ4世の肖像画を描く機会を得ます。
当時のスペインは没落の一途を辿っていました。その張本人といわれた国王は現実逃避し、芸術に溺れていきます。そこに現れたのがベラスケスでした。装飾を極力排除し、人間の存在の深みを描くベラスケスに、国王は驚嘆し、王付きの画家という地位を与え、ついには家臣たちの答申を無視して、王宮配室長という最高のポストを与えます。
しかし、ベラスケスの出世と反比例するように、フェリペ4世の家族に不幸が続きました。王妃と皇太子を続けて亡くした国王は、新しい王妃マリアーナを迎え、2人の間にマルガリータ王女が生まれます。実は、彼女の肩にはスペインの未来がかかっていたのです。

そして、1656年。今日の一枚『ラス・メニーナス』が誕生します。 描かれた当時は『フェリペ4世の家族』という題名がつけられていました。没落する王宮の中で、国王の家族の様子を描いたこの大作。
この絵の謎を解く鍵、それは道化師と、その傍らにいる犬にありました。道化師に踏まれても従順な態度をとり、幸せそうにも物悲しそうにも見える顔をする犬。そして、奴隷として王女に買い与えられた2人の道化師。

かつての王宮の画家たちは、決して道化師を描こうとはしませんでした。その道化師を、ベラスケスはフェリペ4世の家族と一緒に描いたのです。はたして、ベラスケスはこの絵にどんな思いを込めたのでしょうか?

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