KIRIN~美の巨人たち~

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ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ「福者ルドヴィカ・アルベルトーニ」

今からおよそ400年前、ローマに一人の天才彫刻家が現れました。男の名はジャン・ロレンツォ・ベルニーニ。時のローマ教皇に「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにある」とまで言わしめた人物です。17世紀のローマの街はこのベルニーニによって築きあげられたと言われるほど。今でもローマの街には至る所に彼が手掛けたモニュメントや広場が点在しています。今日の作品は、そんなベルニーニ最晩年の傑作彫像『福者ルドヴィカ・アルベルトーニ』です。

800年近い歴史を有するサン・フランチェスコ・ア・リーパ教会の礼拝堂に置かれているこの作品は、生涯を貧しい人々のために捧げた女性ルドヴィカが、死後その功績を認められ1671年に福者に列せられたことを記念して制作されました。ルドヴィカが胸を押さえ横たわりながらまさに命果て神のもとへ旅立っていく瞬間、その劇的な場面を捉えた彫像です。身にまとった衣服のひだからは滑らかさと柔らかさが感じられ、本当に大理石なのかと目を疑い、まるで彼女の死に立ち会っているかのような錯覚さえ覚えます。全てはベルニーニの卓越した技がなせるものなのです。

優秀な彫刻家を父に持ったベルニーニは、早くからその才能を名門貴族シピオーネ・ボルゲーゼに見込まれ、彼によって英才教育を施されました。やがてその腕前は、教皇パウルス5世から「次の世紀のミケランジェロになるだろう」と評されるまでになります。
ベルニーニが得意としたのは、まるで物語のワンシーンを切り取ったかのような劇的な彫刻表現でした。そこで彼がこだわったのが、彫刻の陰影。劇的瞬間をより効果的に見せる為、ベルニーニは光と影を効果的に使いこなしました。より複雑により細かに彫ることで、陰影を生み出し、表面を酸で磨き上げることで大理石に光沢を与えてより強い光と影のコントラストを生み出したのです。

さらにもう一つ、ベルニーニは自分の作品と鑑賞者が出会う空間をとても大切にしていました。その為に彫像が置かれる礼拝堂の壁を壊し、新たな部屋を作らせます。そこには、見る人を夢中にさせる為のある狙いがあったのです。ベルニーニが用意した様々な仕掛けを紐解きながら、彼の晩年の傑作をご紹介します。

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