KIRIN~美の巨人たち~

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サンドロ・ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」

古代ギリシャの時代から人々が崇めてきた愛と美を司る女神ヴィーナス。言い伝えによれば、彼女は海の泡から誕生したといわれています。今日の一枚は、そんなヴィーナスを描いたあまりにも有名な作品、ボッティチェリ作『ヴィーナスの誕生』です。縦172cm、横278cm。鮮やかな色彩で描かれたテンペラ画です。大きな貝殻に乗って現れたのは、透き通るような白い肌をした裸のヴィーナス。何かを憂いているのか、その目は遠くを見つめています。向かって左に描かれているのは、春の訪れを告げる西風の神ゼピュロスとその妻フローラです。ゼピュロスが頬を膨らませて風を起こしています。ヴィーナスを陸地に届けようとしているのです。陸地で彼女を待ち受けるのは、時を司る神ホーラだと言われています。その手に携えられているのは、春の花々をあしらった絹のローブ。ヴィーナスを暖かく包みこもうとしています。ヴィーナスの誕生を祝福するかのような明るさと喜びに溢れたこの作品。しかし、実は多くの謎が渦巻く問題作でもあるのです。

ボッティチェリは、繁栄を謳歌していた15世紀のフィレンツェで、革なめし職人の家に生まれています。14歳の頃、画家フィリッポ・リッピの工房に入り、そこで着実に精緻な画力を身につけました。やがて25歳という若さで独立すると、デビュー作が評判を呼びたちまち人気を博していきます。ボッティチェリのもとには、注文が殺到するようになり、とりわけメディチ家という大口のパトロンの信頼を勝ち得た彼は、多くの宗教画を描いていきました。

ところが、今日の一枚は宗教画ではありません。西風の神ゼピュロスに、時の神フローラ、そして女神ヴィーナス、これらはギリシャ神話に登場する神々です。「絵画といえば宗教画」。それが常識の時代にあって、なぜ彼はギリシャ神話に題材を求めたのでしょうか?しかも、よく見れば絵のところどころにもおかしな点があるのです。異様に長い首、極端ななで肩、海の波は写実的ではなく、奥の景色も簡略化されて平面的です。陰影もほとんどありません。さらに、ヴィーナスはキリスト教においてご法度だった裸体なのです。この作品に依頼主がいたとするならば、誰が一体何のために依頼したのでしょうか?美しいヴィーナスに秘められた数々の謎。その謎を解く鍵は、イタリアのある港町に隠されていました。

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