KIRIN~美の巨人たち~

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安本亀八 「相撲生人形」

今回は、2005年にアメリカの美術館から里帰りを果たした幻の傑作と言われる人形をご紹介します。でも、ただの人形ではないのです。今日の作品は『相撲生人形 野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹶速(たいまのけはや)』。幕末から明治にかけて活躍した天才人形師・安本亀八の最高傑作です。

タイトルにある生人形とは庶民の見世物のために作られた特殊な人形で、幕末から明治にかけて一世を風靡(ふうび)したものです。作品の題材となったのは日本書紀に記された最古の相撲試合。大和の国の当麻蹶速と出雲の国の野見宿禰が、垂仁(すいにん)天皇の御前で死闘を繰り広げています。当麻蹶速の腰に右手を回し、左手で首を掴み必死に投げ飛ばそうとする野見宿禰。かたや当麻蹶速は、投げられまいと最後の力を振り絞っています。その迫真の肉体を作り上げているのは、超絶技巧と呼ばれた筋肉や皮膚の細部の作り込み。2mを超す人形で表現された、肉体がぶつかり勝負を決する瞬間の圧倒的なリアリティ。まさに最高傑作と呼ぶに相応しい作品です。

生人形の世界で天才と呼ばれた安本亀八は、1826年に肥後の国・熊本に生まれました。家は代々続く仏師の家柄。亀八も当初は伊賀や大和で暮らしながら、神社仏閣の彫刻や人形の制作で生計を立てたと言われています。そんな亀八が本格的に生人形の世界で活躍するのは明治に入ってからのこと。大阪で大評判をとった亀八は、浅草に居を構え天才生人形師としてその名を馳せていくのです。

今日の作品『相撲生人形』は、元々明治23年の内国勧業博覧会に出品するために制作されたものでした。ところが期日に間に合わず、完成後は浅草寺の門前に置かれ、人々の大評判を呼びます。そんな『相撲生人形』を、全く違う目で見ていた人物がいました。アメリカ人のコレクターです。1892年、『相撲生人形』は彫刻芸術として買い取られ、のちにデトロイト美術館のコレクションとなったのです。同じように見出され新しい芸術として光を当てられたものに、当時輸出用の陶器の梱包材として使われていた浮世絵があります。しかし、浮世絵に対し生人形は忘れ去られていくのです。それはなぜか?生人形という忘れ去られた芸術、その本当の姿と驚くべき超絶技巧の数々に迫ります。

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