KIRIN~美の巨人たち~

TVTOKYO:毎週土曜 夜10:00-10:30
BS JAPAN:毎週日曜 夜 7:30 - 8:00

バックナンバー

  • 一枚の絵
  • 取材風景
  • 美術館情報
  • 音楽情報

ルノワール「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」

パリ、モンマルトル。この丘の上には、かつて幾つもの風車が立ち並んでいました。今はもう見ることが出来ないその光景の中で、ある一枚の絵画が生まれています。構図、色彩、明暗、全てにおいて傑出した歴史的名作、ルノワール作『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』です。風車小屋を改造して作られた当時人気のダンスホール、ムーラン・ド・ラ・ギャレットに集う人々の様子が、縦131cm、横175cmの大きなキャンバスに描かれています。明るく柔らかな色彩が生み出す、豊かな表情。リズミカルなタッチで描かれた、恋人たちの軽快なダンス。まるで彼らのおしゃべりや笑い声が、キャンバスから聞こえてくるようです。

描かれた当時、モンマルトルは社会の底辺で生きる人々の吹き溜まりのような場所でした。ナポレオン3世のパリ改造計画以来、パリを追い出された貧しい人々が、パリ中心部から離れたモンマルトルの地に流れてきたのです。地価も物価も安いこの場所は、貧しい芸術家たちにとっても魅力的な場所でした。ルノワールと共に同じ絵画塾に通っていたモネやシスレーなど後に印象派と呼ばれる若き画家たちも、日が落ちるとモンマルトルのカフェに集い夜通し語り合ったと言います。そんな場所で、ルノワールは新たな美を見出していきます。そこで暮らす貧しい娘たちや庶民の日常に、崇高な美を見出していったのです。それは画家だけが見出した世界、革命的な発見でした。

「絵とは楽しく、きれいなものでなければならない」。そう考えていたルノワールは、懸命に生きる庶民たちの、ささやかな幸福のひと時をこの絵に描き留めました。そして、この絵をさらに幸福で満たすために、様々な仕掛けを施すのです。

例えば、構図。彼は、知人を集めて自分の庭でダンスホールの様子を再現し、綿密に構図を模索しました。特に注意を払ったのは、人物の目線やポーズ。だからこそ、この一枚はまるで描かれた人たちのおしゃべりが聞こえるかのような、楽しい錯覚を起こすのです。そして、もう一つ。彼は色彩においても、ある仕掛けを施します。果たして、その仕掛けとは一体何なのでしょうか?

PAGETOP

  • 解説
  • バックナンバー
  • テーマ曲
  • よくあるご質問
  • TOPへ戻る
書籍販売情報 CD販売情報 ビデオ化待望の第二弾 豪華BOXセット発売中!