藤田嗣治「寝室の裸婦キキ」

今日の作品は、パリ市立近代美術館でひときわ光を放つ油彩画、藤田嗣治作『寝室の裸婦キキ』。絵のモデルは、“エコール・ド・パリ”の画家たちに愛された「モンパルナスの女王・キキ」。日本を出てモンパルナスにやってきた藤田も、その画家のひとりでした。

背後の漆黒が、横たわる黒髪の女性の肌の白さを際立たせています。当時、繊細な線と乳白色の肌に人々は驚き、魅了されました。その肌は“美しき乳白色”と呼ばれ、パリの画壇を騒然とさせたほど。

そして謎に包まれていたその技法が、近年ようやく解明されたのです。藤田が生涯秘密にしていたという色彩の秘密…そしてピカソのアトリエを訪ねた時に出会った驚きの絵とは?藤田が異国の地でたどり着いた、油彩画の革新に迫ります。さらに映画で藤田を演じたオダギリジョーにインタビュー。パリで一番有名な日本人画家の作品を、どう捉えどう感じたのかを語ります。