世界に羽ばたく!ニッポンの技術第5弾 「最後の砦!デジタルカメラの未来」
まだまだ強みを持ち、世界に挑む日本の技術を特集するシリーズ第5弾。
中国、韓国などの猛烈な追い上げに、日本の製造業は窮地に立たされているが、その中で、世界市場で勝ち続ける、最後の砦ともいえる産業がある。デジタルカメラだ。廉価のコンパクトカメラからヘビーユーザー用のデジタル一眼レフカメラ、更にはその中間層を狙ったミラーレスなどカメラのあらゆる分野で、日本企業が世界の上位を独占しているのだ。カメラは高度な技術の粋ともいわれる。レンズなど光学技術、デジタル技術、センサー、精密な組み立てなど、外国企業がそう簡単には追いつけないレベルに達している。最近ではインドや中国などでもカメラユーザーが増え続けており、市場としても広がりを見せている。なぜカメラ分野で日本が世界一であり続けているのか?韓国勢、特にサムスンの追い上げは?デジタルの雄・ソニーと、一眼レフの雄・ニコンに密着し、沸騰する世界カメラ戦争と、世界一を維持し続ける戦略を検証する。
プロのスマホ写真家が登場…
日常の写真といえば、スマホ、という人が増えている。手軽に撮れて、すぐにフェイスブックやブログにアップして、多くの人と楽しむのは日常の風景になった。番組では、プロのスマホカメラマンなる人物を取材した。モデル撮影で取り出したのは、今話題のアップルのiPhone5。「広角のレンズなのでモデルさんに近づいて、コミュニケーションを取りながら撮影できる」のが、利点なのだという。スマホの台頭に、デジカメはどう対抗していくのか?
世界が注目する日本のデジタルカメラ
9月、ドイツ・ケルンで開催された世界最大のカメラ展示会「フォトキナ2012」。
45カ国1200社以上が出展。ライカなどドイツの老舗を押さえ、ここでの主役は日本メーカーだ。最大の見所はここで発表される新製品の数々。キヤノンは新しく発売したミラーレス機を、ニコンはSNSと連動する新機種を発表。ソニーは、デジタル一眼レフの上位機種だけでなく、コンパクトカメラにも世界最高の解像力を持つ画像処理能力を持った機種を発表。ドイツ人の客からは「ウォークマンで育ったから、このハンディさがいいね」と高評価を受けていた。番組では、そのソニーこだわりの新型カメラ開発を取材した。一方で日本の背後に迫ってくるメーカーも…韓国のサムスンだ。サムスンはデジタルカメラとスマホの機能を併せ持つ新機種をフォトキナに持ち込んでいた。その実力とは…。
巨大市場インドでカメラブーム…シェア1位ニコンの戦略
インドにカメラブームが到来していた。購買力を増した中間層の台頭により、コンパクトカメラはもとより、一眼レフの人気も沸騰中。そんな新市場の開拓に挑戦するのが、ニコン・インディアの高階弘史社長だ。ニコンがインドに進出したのは2007年。この5年間で2000店舗の販売網を築いた。実はインドには日本のように家電量販店は少なく、街の電気店が小売りの最前線である。その取り組みから、日本企業のグローバル市場での戦い方が見えてきた。
【沸騰ナビゲーター】
財部誠一(経済ジャーナリスト)
野村證券退社後、出版社勤務を経てフリージャーナリストに。金融、経済、そして日本のものづくりなどの分野で多数の執筆、またテレビ・ラジオ出演でも活躍中。経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を主宰し「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている。近著に、「パナソニックはサムスンに勝てるか」「メイドイン・ジャパン消滅〜世界で戦える『製造業』をどう守るか」など。
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