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水素で復興? 被災から明日で9年 福島・浪江町はいま 3月10日(火)

あすで東日本大震災から9年となります。 きょう、福島県富岡町の避難指示が一部解除され、14日にはJR常磐線が全線で運行を再開するなど、復興は進みつつあるように見えます。 東京オリンピックを「復興五輪」と位置づけて復興をアピールする政府に対し、福島第一原発の20キロ圏内に住む人は、戸惑いや怒りを抱えています。 福島県浪江町。 いまも町の大半が帰還困難区域に指定されています。 そこに見えてきた、真新しい巨大な建物。 クリーンで低コストなエネルギー、水素を作り出す世界最大規模の研究施設です。 廣海記者「見渡す限り太陽光パネル、電気で水を分解して水素を製造、世界最大級の生産能力」 総事業費200億円。 NEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構や東芝、東北電力などが共同で完成させました。 ここで作られた水素は、東京オリンピックの聖火台や、聖火リレーのトーチの燃料などに使われます。 水素を燃料とする自動車から颯爽と降りた安倍総理。 安倍総理「原発事故で大きな被害を受けた福島から未来の水素社会に向けた新しいページが今まさに開かれようとしてる」 ここはかつて、東北電力が原発の建設を計画した土地でした。 そこを浪江町が譲り受けて工業団地にしたのです。 浪江町 吉田数博町長「(元町民が)浪江町の水素がいい働きをしてるな、俺らの町だという思いを持っていただけたら。『死んだ町』と言われかねないけどそういうことを改めて払拭するいいチャンスだと思ってる」 町のおよそ半分が東京電力福島第一原発の20キロ圏内となる浪江町。 3年前に一部で避難指示が解除されましたが、山間部はいまも帰還困難区域に指定されたままです。 震災前、2万を超えていた人口は、わずか1,200人余りにまで減りました。 浪江町民「人が戻ってきた時点で復興」 元浪江町民「悔しくてさ。こういう状態になって(東電への)恨みより悔しい」 浪江町で生まれ育った赤間さん。 町民が避難する際に、捨てざるを得なかったペットの世話をしています。 赤間さん「(避難の)バスに乗るときにペットはダメだと。みんな泣く泣く手放すしかなく、放されたペットが道路いっぱいに。大型犬からチワワまで一緒になって自分の町に向かっていくのを見て保護しないといけないと」 赤間さんは若い頃から、福島第一原発に携わっていました。 赤間さん「18歳から原発で働いていた。建設のときからずっと。自分たちがつくった原発のせいで動物たちに被害を与えたという考えがあったからその責任を感じている」 浪江町に人を戻すためには、水素製造施設よりも必要なものがあると言います。 赤間さん「人が住めるように施設とかどんどん先につくってもらわないと高齢者は病院がないと帰ってこないし 優先的に考えていろいろ作ってほしい」 政府が掲げる“復興五輪”に対しても、複雑な思いが…。 赤間さん「(聖火リレーは)水素工場の敷地内だけ。浪江町の住人としてみても関係ないという気がする。そこで働けるならいいが働くにしても地元の人はほとんどいないでしょう。被災地の人にとっては五輪どころじゃない」

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