←第13回  
第14回 松本清張特別企画
「わるいやつら」
テレビ東京 4/18(水)20:54〜23:18(30分拡大)
BSジャパン 4/8(日)21:00〜23:24
原作
松本清張 「わるいやつら」 新潮文庫
脚本
田中晶子
監督
松原信吾
キャスト

戸谷真一・・・豊川悦司/槙村隆子・・・萬田久子/下見沢作雄・・・内藤剛志
寺島トヨ美・・・藤真利子/横武たつ子・・・広岡由里子/戸谷慶子・・・杉本彩
羽柴刑事・・・岡本信人/坂口刑事・・・吉田次昭/種田・・・ルー大柴
藤島千世・・・十朱幸代

あらすじ

 大病院の2代目院長であり、外科部長でもある戸谷信一が、患者・鈴木良枝の乳ガンの手術を終えて院長室に戻ったところ、妻の慶子が訪ねてきた。亡くなった元院長の娘である慶子は、離婚の条件として一億円の慰謝料で病院を譲ると持ちかける。戸谷は、そんな大金をすぐには用意できないと言いながらも、その条件を受け入れるのだった。
 診察室で戸谷の診察を受ける横武たつ子。彼女の夫・康男も胃潰瘍で彼の治療を受けていた。薬局で、戸谷に処方された導眠剤をもらうたつ子の姿を、かねてから彼女と戸谷の関係を疑っていた看護婦長の寺島トヨ美は不審に思う。    夜、ホテルのベッドでたつ子を抱きながら、戸谷は自分が処方した導眠剤を、夫の康男に胃潰瘍の薬とともに飲ませるよう指示する。たつ子は、夫が死に、保険金が下りて離婚が成立したら、結婚してくれるという彼の約束を確認するのであった。
 戸谷は、学生時代からの友人で弁護士の下見沢作雄と、デザイナーの槙村隆子が待ち合わせをする店を訪れる。下見沢が隆子と融資の相談で会うことを知り、社長である彼女に下心を抱いて強引に同席したのだ。酔った隆子を送る車の中で、戸谷は彼女に迫り、次回二人っきりで会う約束を取りつける。
 一方、若手外科医の林は、戸谷が執刀した鈴木良枝の手術について疑問を抱いていた。林はトヨ美に、カルテにあった検査報告書は別人のもので、良枝は手術の必要はなかったと告げる。そのことをトヨ美が戸谷に問い質すと、彼はあっさりと事実を認め、むしろ、ガンノイローゼである良枝の意思を尊重して乳房を切ってあげたのだという。憤然と院長室を出る戸谷に、看護婦が慌てて駆けよってきた。なんと、横武康男が居眠り運転で亡くなったというのだ。

 戸谷のことを気に揉むトヨ美は、彼の親友・下見沢と、康男の葬式でばったり出会った。下見沢はトヨ美に、戸谷の女性関係を話し、トヨ美のためにも戸谷のことはあきらめた方がいいと忠告するが、トヨ美はすべてを承知していた。その頃戸谷は、隆子を誘い出し、彼女を取りこもうとするのだった。

 数日後、未亡人となったたつ子が院長室に乗り込んできた。トヨ美から戸谷の複数の女性関係を聞かされた彼女は、警察で戸谷にそそのかされて夫に薬を盛ったことを話すと言う。しかし、すべてたつ子一人がやったことだという戸谷の言葉に、心臓の弱い彼女はその場で倒れてしまう。病室で点滴を打たれながら眠るたつ子の横で、戸谷は液体の入った注射器を手にする。すると、トヨ美が音も立てずに病室に入ってきた。トヨ美は戸谷から注射器を奪い、自らたつ子の点滴に他の薬を混入する。
 たつ子の死亡診断書を書き終えた戸谷は、トヨ美のマンションを訪れる。自分が本当に心を許せるのはトヨ美だけだと言い、彼女を抱きすくめる。戸谷をふっきれずにいるトヨ美は、嘘だと分かっていても彼を拒否出来ずにいた。
 その後、十年来の愛人で、クラブのママ・藤島千世に慰謝料の金を無心する戸谷。彼は千世に、資産家である彼女の年老いた夫・茂が死ぬのを、ただ待っているべきではないとそそのかす。その言葉に揺れる千世。
 ある日、退院する鈴木良枝を見送る戸谷に、刑事の羽柴と坂口が訪ねてきた。二人は、亡くなった康男を解剖した結果、体内から戸谷がたつ子に処方した睡眠薬が検出されたことを告げ、彼にたつ子との関係を問う。
 そんな折、急患が運び込まれてきた。突然血圧が上がり、具合の悪くなった千世の夫・藤島茂であった。診察をしようとする戸谷に、彼を疑う林医師は、自分が茂を担当すると譲らない。だが、林が治療を終え、処方を記入したカルテから看護婦が目を離した隙に、戸谷はそこに書かれた薬の投与量を書き変えてしまう……。