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第40回
西村京太郎サスペンス
脅迫者
平凡な下町夫婦を襲う恐怖

テレビ東京 10/24(水)20:54〜22:48

BSジャパン 10/21(日)21:00〜22:54

原作

西村京太郎 「優しい脅迫者」 日本ベストミステリー選集より 光文社文集

脚本
中野顕彰
監督
齋藤光正
キャスト
野村国子
五十嵐好三郎
児玉宗一
山口吾朗
立花夫人
……
……
……
……
……
伊藤蘭
佐藤B作
ケーシー高峰
斉藤洋介
山村紅葉
 

あらすじ

  東京の下町・暁町で理髪店を経営している野村国子は、10年前に夫を亡くし、女手ひとつで息子を育てていた。
 8月5日の夜、マンション建設に反対する住民の決起集会が町会事務所で行なわれた。会長で電気屋主人・児玉宗一、副会長で銅壺屋の職人・山口吾朗、そして女性リーダーの国子と加藤英子を中心メンバーに、たい焼き屋の立花夫人、花屋の椿夫人など20人近くが集まった。
 一週間後の朝、国子の店に汚らしい身なりをした初老の男が入ってきた。息子の徹が出掛けた後、男は国子の過去や生活などを細かく話し始め、さらに一週間後の夜、国道の入口で目撃したひき逃げ事故の犯人が国子だと言い放つ。住民大会に出ていたアリバイがある国子は、建設業者が仕組んだワナだと疑う。しかし男が目撃したという白い軽四輪のナンバーは、紛れもなく国子の車だった。男は散髪代の代わりに、「金、3500円也 五十嵐好三郎」と書いた領収書を渡し、3日後にまた来ると言って去った。男が見たという国子の車は、6日に徹が「ぶつけてオシャカにした」と言って廃車にし、新車に買い替えていた。まさか徹が…国子に不安がよぎる。
 城北署交通捜査係の刑事・嶋と南は、ひき逃げ事件の車種を追ってスクラップ工場に来ていた。事件当日の雨で証拠が流されてしまったため、一週間以内に運び込まれた車を調べると、国子の車が廃車になっていることがわかる。
 国子は児玉と山口に領収書の男の話をするが、警察に行くようすすめられても徹のことが気に掛かり戸惑う。児玉は反対のメンバーの中に裏切り者がいるらしいと告げた。
 町会事務所に反対派中心メンバーが集まり、立花・椿両夫人が隠し撮りをした数枚の写真が並べられた。そこにはマンション建設業者「大山建設」の人事部長・小林と密会している英子の姿が写っていた。裏切り者として責められながら、英子は蒼ざめた表情で反対運動から抜けたいといった。
 国子の店に再びあの男がやって来て、ひき逃げ事故の件をバラすと脅し、10万円を要求してきた。徹のことを思うと国子はいうことを聞くしかなく、次は20万円を要求される。男が去ったあと児玉と山口が店に来て、刑事がひき逃げ事件当日の国子のアリバイを尋ねにきたことを話した。その時児玉の携帯が鳴り、英子が自殺したと言う連絡が入る。駆けつけた国子たちは、英子が息子の就職を交換条件に反対派でのスパイ活動を強要されていたことを知る。その頃城北署では、現場近くの排水溝から白い塗料が検出されたという一報が入り、刑事たちは国子の車に対しますます疑いを強めていた。
 国子の店に再び男がやってきた。要求通り金を渡す国子に、さらに倍の金額を要求する男…抵抗できない悲しさ、悔しさで国子は途方に暮れる。外で児玉と山口がその様子を伺い、去っていく男の後を山口が追った。男はタクシーで後をつける。ところが意外なことに、運転手は男の名前も住んでいる場所も知っていた。男の名は「五十嵐好三郎」といい、昔は売れた役者だったという。領収書に記された名前は本名だったのだ。現在は妻のしず江と娘の3人暮らしだが収入はほとんどない。斬られ役や悪役の多い役者だが、素顔の彼はお人好しでつきあいが良く、そのため借金の保証人にもなっていた。皆口々に人の良い男だと言い、山口はホッとする。
 その夜、好三郎が現れ、国子の車で外に出た。自分のことを嗅ぎ回っている奴がいると話す好三郎は、運転する国子をひき逃げの現場に誘導する。被害者の妻が目撃者者探しのビラを配っていて、好三郎は自分が目撃者だと言おうとする。慌てて制止した国子に、好三郎は「自分は国子の味方だ」と言うのだった。
 翌日、現場から出た白い塗料が国子の車の塗料と一致したことで、刑事たちはアリバイのある国子から徹にターゲットを移し捜査。恋人・由香を訪ね、徹のアリバイを探る。その頃、国子の店に来た児玉と山口に、国子は好三郎を尾行するのを止めるようお願いした。そこへ「五十嵐をつぶせる品物がある」と話す関西弁の見知らぬ男から電話が入る。
 国子はその夜、指定された場所に行き、電話の男からカセットテープを買い取った。「人を一人殺して欲しい、報酬は一千万…」。恐ろしい内容を話すその声は確かに好三郎の声だった。
 家に帰ると、立花夫人から山口が喧嘩を売られて重体だという電話が入る。国子の頭に好三郎のテープの声が響き渡る。そして山口は息を引き取った…。
 山口を殺したのは誰なのか、徹はひき逃げ犯なのか、そして五十嵐好三郎という男の正体は?…言いようのない不安の中で国子はある決心をするのだった…。