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第60回
渡哲也サスペンス

テレビ東京 3/20(水)20:54〜22:48

BSジャパン 3/17(日)21:00〜22:54

原作

小杉健治 「絆」 新潮文庫

脚本
洞澤美恵子
監督
澤田幸弘
キャスト

原島保
弓丘奈緒子
弓丘美砂子
筒見仁造
水木邦夫

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渡哲也
伊藤蘭
邑野未亜
村田雄浩
渡辺いっけい
 
あらすじ

 原島保は、2年前に弁護士として娘・彩の婚約者の罪を追及したことで、婚約者と娘を自殺に追い込む悲劇を招く。以来、原島は弁護士から遠のき、一人田舎で畑仕事をしながら暮らしている。東京に残してきた妻とは離婚の話も出ていた。
 その原島の元に後輩の弁護士、水木が訪ねて来る。自分には扱いきれない、ある事件の弁護を頼むと言う。
 それは会社社長の弓丘勇一が東京・麻布の自宅で刺殺された事件だった。その後事件は、勇一の秘書で愛人の三津井沢子が、遺書を残して後追い自殺をするという悲劇に発展する。弓丘の居間には離婚届があり、2人の16歳の娘・美砂子が奈緒子の愛人の存在を証言したため、警察は離婚話がこじれた末の犯行なのではと睨み、奈緒子を任意同行する。警察は、犯行時刻の頃奈緒子が家から飛び出していくところや、凶器が発見された上野公園に近い上野駅で夫の会社の人間から目撃されていることを告げ、自供を促そうとするが、奈緒子は否定する。しかし、以前愛人らしき男と会っているのを目撃されたのも上野公園で、その男は誰なのかを問い詰められた奈緒子は、突然「私が主人を殺した」と自供した。
 水木の頼みを一度は断った原島だったが、娘の3回忌に上京した折、弓丘邸を通りかかる。美砂子と会った原島は、死んだ娘と同じようにバイオリンを弾く美砂子に娘の影を重ねる。そして父が殺され、母が容疑者として疑われ、マスコミから好奇の目で見られて傷ついている美砂子を見て、弁護を引き受けることを決意する。
 原島は奈緒子の生い立ちを調べる。奈緒子には寛吉と晴彦という2人の弟がおり、長男の寛吉には軽い知的障害があった。奈緒子は寛吉の面倒を生涯見るつもりだったが、奈緒子が結婚する半年前に寛吉は死亡していた。
 原島は美砂子が何故母親に不利な証言をしたのかを疑問に思い、奈緒子の弟・市橋晴彦や美砂子に会いに行く。そして美砂子が父の勇一に頼まれて奈緒子を尾行していたこと、勇一は奈緒子を愛し続けており、その証拠に勇一が付き合う女性はいつも奈緒子に似ていたことを知る。原島は、「父が愛人を作ったのは母親に振り向いて欲しかったから」だと言い、「自分は本当に父親の子なのか」と悩む美砂子の姿に胸を痛める。また、奈緒子が上野公園で男に金を渡していたこともわかった。
 第一回公判で、奈緒子は起訴状の全てを認めた。しかし原島は彼女の無実を主張する。奈緒子は「一刻も早く罪を償いたい」と言い、無実を主張した原島を責める。しかし愛人の存在については依然否定し続け、ただ罪を償いたいと言い張る。
 原島は弓丘家のお手伝いが持ってきた差し入れを持って、奈緒子に面会に行った。それは奈緒子が好きだという浅草のパン屋『SEKINE BAKERY』 のもので、その店の袋を見た奈緒子の表情が一瞬硬くなったことに原島は気づく。
 数日後、水木は奈緒子の故郷・茨城県平潟町を訪ねた。水木は奈緒子やその家族を知る住民から話を聞く。奈緒子の姉弟は仲が良く、特に寛吉は知的障害があったものの、奈緒子に付きまとっていたチンピラからいつも奈緒子を守っていたという。しかし20年前、近所でレイプ事件が相次ぎ、寛吉を疑う噂が広まった。そこで両親が仕方なく病院へ入れた直後、寛吉は自殺したという。その後すぐに奈緒子の結婚が決まったため、近所では市橋家が寛吉を邪魔にし、床下に埋めたのではという妙な噂が出た。それを知った奈緒子の父親は、床下を掘って死体などないとこを証明したという。
 水木から報告を受けた原島は、「床下を掘り起こす」という異常な行動や寛吉の自殺に不可解な点を感じ、調査を続けさせる。すると、寛吉が自殺した頃に大沼勝治という男が行方不明になっており、大沼が20年前のレイプ事件の犯人として警察に目を付けられていた人物で、さらに奈緒子にしつこく付きまとっていたチンピラと同一人物だったことが判明する。原島は大沼と寛吉の死に何か関係があるのではないかと感じる。
 原島は、奈緒子には自分が犠牲になっても隠したい事実があると睨む。それは一体何なのか?しかし、その事実を追求すればするほど、奈緒子を追い詰め、苦しめることとなる。かつて自分の娘をそうさせてしまったように…。原島はそのことに苦悩しながらも、真実を明らかにすることを選ぶ。奈緒子や美砂子の、そして自分自身の「絆」を取り戻すために…。