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第93回
松本清張没後10年特別企画
たづたづし
テレビ東京 11/27(水)20:54〜23:18
(30分拡大) 

BSジャパン 11/24(日)21:00〜23:24
(30分拡大) 

原作
松本清張
翻案
夏樹静子
脚本
市川森一
監督
松原信吾
キャスト
仙川兼作
平井アヤ
仙川加奈子
森岡努
藤巻勝志
コメンテーター
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中村雅俊
牧瀬里穂
名取裕子
村田雄浩
宮下直紀
藤木悠
 
あらすじ

 農水省のエリート官僚・仙川兼作は、ある日ふとしたきっかけで平井アヤと名乗る女性と知り合う。奔放で開けっぴろげな性格のアヤは、兼作の日常にはない新鮮な存在だった。その不思議な魅力に惹かれ、兼作はアヤの部屋で密会を重ねていく。


 兼作の妻・加奈子は、元農水省の事務次官を父に持つお嬢様育ちで、生真面目な性格と常識を重んじる"普通"の主婦である。兼作は、妻が望む堅実な良き夫を演じる一方で、アヤに魅了され溺れていく、まるで時計の振り子のような日々を送っていた。それは万葉集に収められている一句「夕闇は 路たづたづし 月待ちて 行かせわが背子 その間にも見ゆ」の中の、「たどたどしい」「危なっかしい」という意味を持つ"たづたづしい"状態に似ていた。兼作にはそれが心地よかった。


 しかし、3ヶ月を過ぎた頃、事態は一変する。アヤが結婚を迫ってきたのだ。しかも自分には殺人罪で服役中の夫がいて、一週間後に出所してくるという。アヤは「自分を匿ってほしい」などとムリな頼みを強要し始めた。アヤの夫にバレれば自分の命が危ない、妻にも悟られてはマズい、スキャンダルになればキャリアの道は閉ざされてしまう・・・窮地に立たされた兼作は、自分の立場を守るため、ある計画を思いつく。


 数日後、加奈子には出張と偽り、兼作はアヤを信州・富士見に誘った。現地で落ち合うまでに、アヤの部屋から自分の痕跡を消し、約束の場所へと急いだ。


 それから1年後、兼作は課長に昇進し、勝ち組みの人生を歩んでいた。ただ、あの日以来、新聞にくまなく目を通す癖がついていた。「富士見高原の山林の中で絞殺死体発見」という記事を確認するために・・・そう、兼作1年前のあの夜、アヤの首を絞め、森の中へ遺体を置き去りにしたのである。


そんな中、偶然手にした週刊誌に、信州・富士見の喫茶店に記憶を失くした「ルミ子」と呼ばれている女性がいるという 記事をみつける。「アヤだ」と直感した兼作は、事実を確かめに現地へ急いだ。


喫茶店で働く女性の顔は、明らかにアヤ本人だった。しかし、アヤとは別人のような雰囲気で、兼作を見ても何も思い出せず、記憶もない。アヤの変貌振りに戸惑いながらも、兼作「もしアヤの記憶が戻ったら自分の人生は破滅する」と考え、再びアヤの始末に奔走する。ルミ子と呼ばれているその女性を連れ出し、様々な場所で試みようとするが失敗。殺しそびれたルミ子をとりあえず閉じ込めておく場所として、兼作は学生時代に住んでいたアパートの大家に頼み、ルミ子をそこに住まわせる・・・。


 ルミ子の記憶喪失に疑惑を抱きながらも、アヤの顔をした正反対の性格のルミ子にどこか居心地のよさを感じる兼作。そんな男の愚かさが、予想だにしない結末を招く・・・。