←第136回
第137回
松本清張 特別企画
喪失の儀礼   
  
テレビ東京 12/3(水)20:54〜23:18
BSジャパン 11/30(日)21:00〜23:24
原作
松本清張 「喪失の儀礼」 (新潮文庫) より
脚本
大野靖子
監督
廣瀬襄
キャスト

萩原和枝
大塚利夫
小池為吉
萩原美奈子
萩原雄一
田村刑事
ユリ
大塚さち子
住田友吉
須田一係長











泉ピン子
大地康雄
萩原流行
川上麻衣子
大鶴義丹
高橋和也
川村ひかる
阿木耀子
清水紘治
河原崎健三
 
あらすじ

 いわき中央署のベテラン刑事・大塚利夫は、部下の田村刑事と張り込み中、一冊の手帳を拾う。裏には「明和医大病院医局・住田友吉」とあり、中には俳句が書き留めてあった。


後日、住田が出席中の内科学会の会場を訪ね、たまたま廊下にいた栄光医療機器の営業マン・小池為吉に頼んで住田を呼び出してもらい、手帳を手渡した。住田は短く礼を述べると足早に立ち去った。小池の話では、住田は研究熱心な医者で患者からの評判は良いが、人との接触をあまり好まず、とっつきの悪さでも有名だという。学会後は恒例の懇親会があり、小池も同僚と同行して温泉へ行くという。費用は小池の会社持ちで、医者と出入り業者との裏の関係が見え隠れしていた。


 翌日、市内のホテルで住田が他殺体となって発見された。殺害方法は、バスルームで左手首の動脈を鋭利な刃物で深く切断し、徐々に出血させて脱血死させた後、ベッドに運ぶという惨忍な犯行だった。前日、住田と面識を持った大塚は複雑な気持ちで捜査に臨む。


住田は、懇親会と宿泊を急きょキャンセルし、ホテルの部屋を偽名で取っていた。また、待ち合わせ場所の喫茶店で「『医事通信』の青柳の代人」と名乗る女性からの電話を受けていた。後日、その該当する人物として、医学協会のスキャンダルを記事にしている評論家「青柳刃治」の名があがるが、ペンネームのため素性を知る者はいなかった。


捜査は復讐の線で進むが、住田の周辺から恨みを買うような問題は一切出ず、捜査は難航した。そして事件発生から2ヶ月後、犯人の手掛かりがないまま、捜査本部は解散する。


大塚と田村は、東京出張を利用して住田殺しの捜査に乗り出した。懇親会に同行した小池を訪ねるが、特に興味深い話はなかった。しかし小池には、刑事が住田の周辺を嗅ぎ回っている事態を不安がる別の要因があった…。


 一方、医事通信社では、青柳と住田が同一人物だったという意外な事実が判明する。さらに住田が「青柳刃治」の名で次に暴露しようとしていた内容が、明和医大病院の不正、しかも医療機器の購入に関するリベート汚職だったことが明らかになる。


 住田が俳句の選者をしていた雑誌「秀樹(しゅうじゅ)」の追悼号が完成した。編集者の話では、俳句関係で住田と交友のあったほとんどの人が寄稿したが、藤沢に住む「萩原和枝」という女性だけ掲載できなかったという。和枝は、最近になって住田の選で数回入選しており、住田も非常にかっていた人物だった。しかし住田が死んでから一度も投稿がなく、追悼号への原稿を依頼した手紙も宛て先不明で戻ってきてしまっていた。さらに、投稿原稿は全て担当の選者に渡してあるはずが、和枝の投稿分だけ住田の自宅から見つかっていなかった。


 その頃、新たな殺人事件が起きようとしていた。実行犯は小池と"赤毛の女"。2人は香原医院の院長・香原順治郎を巧みに誘い出し、深い森の中である計画を実行する…。


 事件の一報を受けた大塚は、田村と現場に急行した。被害者は医者で、しかも住田と同じ学会に出ていた人物だった。腹部を刺されており、血痕は森の中から外まで長く続いていた。大塚は、息も絶え絶えに彷徨い歩く被害者を、犯人がつかず離れず見守っていたという異常な光景を浮かべる。ひと思いではなく、被害者に死の恐怖を味わわせ、徐々に死んでいく様子を見届ける手口は、あの住田殺しと酷似していた。


一方、東京・大崎で長男夫婦と暮らす萩原和枝は、嫁の美奈子と仲が悪く、嫁姑の不仲は近所でも有名だった。美奈子の夫・雄一は、筋肉が徐々に衰えていく難病に侵されており、美奈子はその世話をしていた。和枝は嫁の目を盗んで「秀樹」に投稿することを楽しみにしていた。そして部屋には、雄一の横で微笑む亡き次男の写真が飾られていた…。


事件の酷似性に注目した大塚は、同一犯による連続殺人とにらみ、真相究明に奔走する。やがて、2年前に東京で起きたある交通事故との接点が浮上する…。