←第179回

第180回
4周年記念スペシャル
松本清張特別企画
黒い画集〜紐

(2.5H拡大枠) 20:54〜23:18

テレビ東京 1/12(水)20:54〜22:48
BSジャパン 1/9(日)21:00〜22:54
原作
松本清張 黒い画集(新潮文庫)「紐」より
脚本
田中晶子
監督
松原信吾
キャスト

梅田静代
田村聡介
梅田安太郎
青木繁子
青木良作
難波達郎 
原雅志 
吉野清美 
小林健吾 
田村美鈴

・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
余貴美子
大地康雄
内藤剛志
真野響子
石橋蓮司
萩原流行
山田純大
小沢真珠
田中隆三
根岸季衣
あらすじ

 佐渡島の古い神社の神主・梅田安太郎は、親の仕事を継いで神主をしている。しかし安太郎は親の仕事だった神主の仕事に満足せず、ある事業計画を進めていた。それは学生時代の友人である難波の誘いで、中国に不動産会社を設立するというものだった。妻の静代はその計画に反対するが、安太郎は必ず儲かると氏子に出資を募り、金策に走る。さらに東京に住む実の姉・青木繁子からも夫に内緒で500万円を出資させていた。


 1週間後、安太郎は打ち合わせのために東京の難波の事務所を訪れる。難波はすぐに法人登録をするためには、あと2000万円が必要だという。すでに神社を担保に入れてしまっている安太郎は、姉の繁子に自宅を担保に借金するように頼み込む。かつて嫌がる安太郎に神社を継がせた負い目もあり、繁子は仕方なく家を担保に借金をする。


 しかしその半月後、難波の事務所が空になっているのを目にして、呆然と立ち尽くす安太郎の姿があった。難波は初めから安太郎を騙すつもりだったのだ。安太郎は繁子に「難波を見つけ出すまでは家に帰らない」と連絡し、姿を消してしまう。


 10日ほど後の11月14日、東京・小田急線和泉多摩川駅に近い多摩川べりの河原で、身元不明の死体(実は安太郎)が絞殺死体となって発見される。死亡推定時刻は13日午後8時から10時の間。死体は両手足をビニール紐で縛られ、うつ伏せに倒れていた。首には紐を三重に巻いたことを示す3本のうっ血の跡があり、その紐は死体の横にほどかれて置いてあった。現場に駆けつけた警視庁捜査1課の田村警部補は、首に三重に巻かれた紐がわざわざほどかれていることに疑問を抱く。さらに謎なのは、検死の結果、死体は死後2、3時間は仰向けにされた状態で、その後うつ伏せにされたことが判った。誰が、何のために?


 翌日、新聞を見て警察に連絡してきた繁子が身元確認をし、遺体は安太郎であることが判明する。繁子の供述から安太郎から多額の金を巻き上げていた難波が容疑者として浮かび上がる。また現場では黒いセダンが目撃されており、警察はこの車と難波を手掛りに捜査を始める。


 連絡を受けた静代は佐渡から上京するが、じつは前日(14日)の朝、佐渡へ帰ったばかりだった。静代は義姉から安太郎が失踪したとの連絡を受けて6日に上京し、その日のうちに捜索願を出して、死体発見の前日(13日)まで東京の繁子の家に滞在していた。田村は難波以外に身内の犯行の可能性もあると見て、繁子、静代のアリバイ捜査を始める。


 繁子は、事件当夜は「夫の良作と一人息子の悠介とともにステーキレストランで食事をしていた」と証言する。


 一方、静代は「午前10時に日暮里にある繁子の家を出て、銀座のデパートで買い物をし、午後3時頃渋谷へ。そして、雑貨店で買った台所用品を宅配便で自宅へ送った」と言い、その伝票の控えを田村に見せる。さらに静代は「その後、新宿のレストラン『デラータ』で食事をした、ワインをこぼした」こと、そして「7時半から9時半までは、映画館で『君に読む物語』を見ていた」ことを証言。さらに「映画がクライマックスに差し掛かったところで女性の携帯電話が鳴り、ひんしゅくを買っていた」とも話す。あまりに詳細にアリバイを述べる静代に対し、疑いを強める田村。しかし静代はレストランのレシートや映画の半券という動かぬ証拠を持っていた。


 静代が話していたイタリアンレストラン『デラータ』の従業員は、ワインをこぼした女性客がいたことを覚えていた。また、映画館の受付嬢は、映画が終わりに近づいた9時、客の携帯電話が鳴る騒ぎがあったという出来事も覚えていた。静代の証言通りの出来事が確かにあったのだ。その時間に新宿にいたとなると、犯行現場の和泉多摩川に、犯行時間に行き、犯行を行なうのは不可能である。


 また、繁子たちについても9時過ぎまでステーキレストランにいたことが店主の証言で確認された。


 身内のアリバイは立証され、捜査に行き詰まる田村。そんな折、手配中の難波の身柄が拘束される。殺人現場から押収された紐に残っていた難波の指紋や、現場で目撃された黒いセダンに難波が乗っていることから、警察は難波をほぼ犯人と断定する。しかし田村は「ほどかれた紐」が気になりどこか納得いかず、執拗に親族のアリバイを洗い直す。


 田村警部補の執拗な捜査が真犯人を追い詰めていく。「人の心はわからない、自分の心はもっとわからない…」そこに浮かび上がる人間の暗黒面とは・・・。