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「フカヨミ+」新規事業が起爆剤? コンビニの行方 田中陽編集委員に聞く

ビジネス

BSテレ東

2017.12.11

小谷: コンビニ業界で新規事業に参入する動きが相次いでいます。セブン-イレブン・ジャパンは先月21日、ソフトバンクグループと組んで、コンビニエンスストアをシェア自転車の貸し出しや返却の拠点にすると発表しました。そしてファミリーマートは先月24日にコインランドリー事業、30日にはフィットネス事業への参入を発表しました。すでに飽和状態にあるともいわれるコンビニ業界は、新たな成長エンジンを見つけられるのでしょうか。小売業界の取材を続けている日本経済新聞の田中陽編集委員に聞きます。ここに来てコンビニ各社が新規事業に参入しつつありますが、これはなぜでしょう。

小谷真生子メインキャスター
小谷真生子メインキャスター
田中陽編集委員(12月6日放送)
田中陽編集委員(12月6日放送)




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「セブン-イレブン・ジャパンはソフトバンクグループと連携し、店舗をシェア自転車サービスの拠点に」


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「ファミリーマートのスポーツジム併設店舗イメージ」


■なぜ今? コンビニの相次ぐ新規事業参入

 「危機感の表れだと思います。コンビニは既存店売上高、来店客数ともに前年割れが続いています。ミクロの足元の景況は良いということですが、コンビニはそういう流れについていっていないように感じます」

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小谷: 各社が始める「シェア自転車」や「コインランドリー」で集客力は回復するのでしょうか?

 「今後の成長を引っ張るエンジンには若干出力不足かなという感じがします。なぜかというと、各社が発表した新規事業はコンビニの特性にしっくりこない、合わない可能性があるからです」

小谷: コンビニの「特性」とは何ですか。

 「大きく2つあります。まずは、客にとって『近くて気軽』に使えるということです。もう一つは、基本的にコンビニは『全国一律のサービス』を展開することが必要だと考えるからです。1つ目の『近くて気軽』ということを小売業界でよく使われる45度線の法則で説明します。図の横軸が移動時間、縦軸が滞在時間です。コンビニは大体歩いて5分ぐらいの場所にあり、5分ほど滞在して帰るという利用形態になります。ちょうど45度線で交わるわけです。食品スーパーの場合は自転車や車で20分かけて行き、店の中で20分買い物をして帰る。デパートだと1時間かけて行き、1時間買い物をして帰る、という形です。つまり、消費者心理の観点からすると、店まで行く手間と客が求める品ぞろえ・サービスはある程度比例することを示しています。そして、今回の新規事業がこの45度線に当てはまるかどうかですが、コンビニにコインランドリーを併設した場合、コインランドリーでは30分や1時間ぐらいかかる時があります。また、フィットネスクラブも行けば1時間はかかるわけです。つまり、45度線に合いません。さらに、フィットネスクラブは振動も起きると思われますから、建物も従来よりしっかりした構造にしなければならないでしょう」

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小谷: 投資コストもより一層かかってしまうと。もう一つの特性はどうでしょう。

 「『全国一律のサービス』ですが、コンビニはフランチャイズチェーンで一つ一つが独立自営業主なので、サービスや商品に関してほぼ対等に扱わないといけません。しかし、フィットネスクラブが設置できる場所は限られるため、面展開は難しいでしょう」


小谷: 今回の新事業が厳しいとなりますと、コンビニは今後どこに活路を見いだせばいいのでしょうか。

■コンビニの「イノベーション10年周期説」とは

 「どこの世界もイノベーションが必要だということです。コンビニは大体、10年周期で大きなイノベーションを起こしてきました。1970年代前半にコンビニという24時間営業の店舗が生まれ、80年代前半にはバーコードをいち早く導入して商品管理に生かしました。90年代前半になるとNTTの情報ネットワーク、ISDNによって大量の売り上げデータを瞬時にメーカーとやり取りすることで経営効率の改善に生かしました。90年代後半から2000年代前半のコンビニATMの登場では、銀行に行かなくてもお金を引き出せるようになるなど、我々の生活をかなり変えました。では、2010年代にこうしたイノベーションがあるかというと、残念ながら我々の生活スタイルを変えるようなものは出てきていないと私は見ています」

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小谷: イノベーションはどうすれば起きますか。

 「コンビニはインフラとして社会に定着しているものですから、生活者は何か新しいものを期待しています。それと同時に、コンビニの強さというのは『近さと店舗数』なんです。つまり、何か一つの便利なものができれば、この店舗数で爆発的に商品やサービスが広がります。そうしたものを今後いかに作っていくか。特に、このデジタル革命の中で新しいサービス、あるいは新しい店舗オペレーションといったものが出てくることに期待したいと思います」



【番組概要】
番組名:「日経プラス10」
放送局:BSジャパン BS7ch 全国無料放送
放送日時: 毎週月~金曜 朝10時放送
番組公式HP: https://www.bs-tvtokyo.co.jp/plus10/

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