人事のプロフェッショナルに聞く、”働く”にまつわるリアルな話

2017.06.26

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働き方が多様化する現在。そんな時代に一石を投じるのが、新感覚の"オシゴト"トーク&働き方情報番組『ジョブレボ!-Job life Revolution-』です。
毎回、さまざまなジャンルのリアルな「働く」にまつわる情報を発信中。
今回ご紹介するのは、コメンテーターとしてレギュラー出演中の佐藤裕さん。
これまで、採用の最前線で現場をウオッチングしてきた佐藤さんに、ご自身のキャリアの築き方や今もっとも旬な「働く」事情について教えていただきました。


<コメンテーター>
佐藤裕さん/はたらクリエイティブディレクター
大学卒業後、転職支援サービスやキャリアコンサルタントでのキャリアを重ね、転職支援事業でゼネラルマネージャーとしてさまざまな企業の採用に関わる。関西学院大学フェロー、デジタルハリウッド大学非常勤講師。学生向けのキャリア支援プログラム「CAMP」では、キャプテン/はたらクリエイティブディレクターとしても活動。



|営業マン時代に恩師から受けた"出禁"が僕を変えた


佐藤さんのキャリアのスタートは、新卒で入社した会社での転職支援サービスの営業マン。誰もが知る大手有名メーカーA社に初めて商談で行った後、出鼻をくじかれる衝撃の出来事が起こりました。


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佐藤:1時間ほどの商談の後、A社の人事のえらい人から肩を叩かれて、いきなり「お前もううちに来なくていいよ」といわれました。訳がわからず理由を問うと、「お前はうちに出入りするレベルにない」ということをいわれたんです。


かなりショックでした。その頃まだ僕は23〜24歳くらいで、見映えについてあまり意識していないという自覚がありました。そこで会社を早退し、その足で丸井に行き、10万円以上はたいてスーツをローンで新調しました。そしてその夜、再びA社に行ってその人事のえらい人を出待ちして、「見てください!」といったら、あっさり「そういうことじゃない」といわれて再び撃沈しました(笑)。



そのA社のえらい人こそ、鈴木さん(仮名)といい、メディカル系企業の人事のベースを築いたという伝説の人物で、知る人ぞ知る存在でした。



佐藤:そのまま飲みに連れてっていただき、僕の営業としてのレベルの低さについて指摘を受けて、以来、鈴木さんからの教育が始まりました。転職活動の相談に乗っていただいたことも。


あるとき鈴木さんから「うちの会社に来ないか?」といわれたんです。しかも、僕にとっては身にあまるような管理職候補の待遇で。当然入社しようと思ったのですが、辞退させていただくことに。鈴木さんの教育を通じて、いかに自分に付加価値をつけるか?ということを教わったのと、僕自身、ものを売る仕事は合わないと自覚していたのがおもな理由です。


でも、その一流企業からオファーをいただいたというプライドとそのとき決めた覚悟は、その後の僕をずっと支えてくれました。今でもそのときの入社通知書は肌身離さず持ち歩いているほどです。鈴木さんが定年退職した現在でも師弟関係は続いていて、年に2、3回は飲みに行きますよ。まぎれもなく僕の人事の師匠ですね。



恩師の鈴木さんから受け取った入社通知書同様、佐藤さんが肌身離さず持ち歩くアイテムがもうひとつ。


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佐藤:転職したての1年目に、会社のキャリア新人賞でトップ賞をとったときにお世話になり、人生観まで変えてくれたボスからの手紙なんです。それを授賞式で、別の尊敬するボスが代読してくれたんですけど、僕にとっての神様2人からの激励に感極まって、泣いてしまったほどです(笑)。


そしてこちらは、佐藤さんが企業とのタイアップを試みたキャラクター。現在、佐藤さんのデスクにいつも置かれているそうです。



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|採用のプロが見るのは、まずは人から好かれているかどうか


伝説の人事マンや上司から目をかけられながら大きく成長していった佐藤さん。佐藤さん自身、先輩をはじめとする歳上から好かれる人材だということが、エピソードから伺えます。そんな人事や採用のプロである佐藤さんが面接をするときに重視する点とは?


佐藤:究極をいえば、やはり「人間力」。どんなに能力があっても人に好かれない人は活躍できませんから。始めはキャリアや能力にばかり目がいきがちですが、まずは人としてどうかということがキーで、そこに経験やコネクションといったアプリケーションがいかに付加されるか?ということを見る流れです。


とくに僕が一番重視しているのは、同性に好かれているかどうか。異性に好かれるのはテクニックですが、同性から「本当にこいつはいいヤツなんですよ」といわれる人は、本当にいいヤツなんですよ。


そうした素材を探るには、どんなコミュニティに属しているかを聞きますね。それによって、その人がどんな人間関係を築いているかが見えてきます。また、つきあう仲間が異ジャンルであればあるほど人気があるということ。同ジャンルの人とばかりつきあっている人は、そこだけでの人気かもしれません。それからコミュニティの年齢の幅、そのなかでどんな立ち位置にいるのか。先輩や後輩から飲みに誘われるかどうか。同期に誘われるのは普通ですが、先輩や後輩の場合、その人が歳上や歳下からも慕われているということが伺えます。



人間力を探るといっても、実はシンプル。日常で出会って興味のある相手に普通に聞きたくなるようなことが実は問われるということが佐藤さんの話から理解できます。



|若者は仕事で困ると、考えるよりも先にまずはググる?


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働き方が多様化している現在、当然、昔と今では「働き方」や「スタンス」が異なってきていると佐藤さんは指摘します。


佐藤:若い世代の場合、主体性や思考力が開発されておらず、そういう面が仕事上で出やすいと考えています。たとえば、なにかわからないことがあるとすぐにデバイスで検索することに慣れていて、仕事のこともすぐにググったりするのがあたり前。そういう意味では、自発的な思考力が弱い世代といえるかもしれません。



現在、一般的に採用は売り手市場といわれていますが、実際はどうなのでしょう?



佐藤:形式上は売り手市場で、学生側が仕事を選べる時代といわれています。実際に、企業がオファーを出しても学生から辞退されるケースが増えていて、学生の選ぶ権利が強くなっているわけですが、これは、机上の空論です。


というのも、あくまでマーケットを分析する理論であって、実際はオファーを出す側の企業のほうがなんといっても強いのが現状です。今の学生は就活が楽勝なのかといえばそうではなく、1人の優秀な学生に企業からのオファーが集中する現象も起きているのです。



|これからの若者の働き方を変えるためのプロジェクト


番組の構成にも携わる佐藤さんが、今もっとも注視する活動について伺いました。


佐藤:現在力を入れているのは、「CAMP」というインターンシップのあり方や就活、キャリアの考え方を変えるプロジェクト。インターンシップは基本採用目的ですが、そうではなく、学生の能力を引き上げるためのインターシップです。


日本では、テクニックを教える就活支援はあっても、本来の意味で将来の働き手である学生たちに向けた能力の底上げ事業はありません。


その背景にあるのは、大学3年生で就活が始まって、半年や1年足らずでなんの準備もないままに自分の夢を決めてそれを信じて就職し、結局合わずにドロップアウトというパターンが、20年以上も繰り返されてきたことです。だからこそ就活前の学生に、いろんな刺激を与えることで視野や価値観を変えたら、就活の仕方も変わってくると考えました。


具体的には、就活応援、現場を想定したワークショップやセミナーを通じて能力開発をしながら、社会のリアルを伝えること。最近は学生だけでなく、その父兄にまで対象を広げてセミナーなどを開催しています。



現代の「働き方」をテーマにした『ジョブレボ!』が企画されたことについて、佐藤さん自身のフィールドワークとしても、大きな可能性を感じていると語ります。


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佐藤:これまでビジネス系の番組では、ひとつの商品やサービス、企業や経営、もしくは社長をクローズアップするのが主だったと思うんです。でも、『ジョブレボ!』では、「働く」をテーマに、その時々で働く若者や経営者、商品やサービスを幅広く、柔軟に取り上げているのが特徴だと思います。


統計によると、日本では労働者人口6000万人のうち、たった6%しか働くことを楽しめていないそうです。しかも、世界で比較してもワーストに近い数値。つまりこれは、現在は働くことをネガティブに捉えられる時代だということを示しています。でも逆に、働くことを楽しんでいる人が6%いるのも事実です。こういう人たちにフォーカスして発信することで、もっと働くことをよりよく変えられる可能性のある番組だと思っています。



佐藤さん自身、『ジョブレボ!』の収録で、強く印象に残った回があるといいます。



佐藤:これまでいろんな業界業種を幅広く俯瞰で注視してきましたが、毎回番組を通じて、それこそ机上の空論だったものが、「やっぱりそうなのか」と、リアルに感じとれることが多々ありますね。


以前番組で、銀行を定年退職してからパン屋を始めた人が紹介されました。その人がパン屋を始めた理由に、体調を崩して不安を感じたことがあったそうなのですが、つまりこれは、働くことで不安をケアしていたということ。


それを知って、今私たちがどれだけ働くということに助けられているかを実感しました。だからこそ、「働く」ことを大事にしなければという気持ちになりましたね。余談ですが放送後、その気持ちをご本人に伝えたくて、車を飛ばしてそのパン屋に行ってみたんですよ。......そしたら休みでした(笑)。



そんな人情に熱く、学生たちの兄貴的存在として活躍する佐藤さんに、最後に『ジョブレボ!』の見どころを教えていただきました。



佐藤:「働く」ことについて、人によって職業やスタンスはさまざまですが、働くすべての人になんらかのかたちで刺さる内容になっていると思います。異ジャンルで働いている人でも、僕のようにどこか自分と置き換えて見ていただけると、働くことについてなにかを考えたり、楽しめたりするきっかけになるのではないでしょうか?

【番組概要】
番組名:「ジョブレボ!-Job life Revolution-」
放送局: BSジャパン BS7ch 全国無料放送
放送日時: 毎週金曜 夜11時放送
MC: 友近
コメンテーター: 佐藤裕(リクルーティング・ディレクター)
進行: 原田修佑(テレビ東京アナウンサー)
番組公式HP: http://www.bs-j.co.jp/official/jobrevo/
公式Facebook: https://www.facebook.com/jobrevo/

※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。
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