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今や年間1億1000万人が利用する高速バス。中でも安くて、快適"ピンクのバス"が大人気!高速バス業界のリーディングカンパニー、ウィラーの独自戦略を追った!
高速バスの利用者は今や年間1億1000万人。99年の調査開始から約1.7倍に増加している。その牽引役である業界トップの売上を誇るウィラーは、全国22路線を運行し、2017年の利用者は約270万人にのぼる。代表の村瀬は、オリジナルシートの開発やお得プランなど、業界初の試みを連発。その一方で、徹底した安全対策で業界を牽引。高速バス業界のリーディングカンパニー、ウィラー。その独自戦略を追った!
安くて、快適!"ピンクのバス"が大人気!
一昨年オープンした「バスタ新宿」。1日2万8千人が利用し、シニアや女性客の姿が目立つ。そんな中、ピンク色の車体をしたウィラーのバスに長蛇の列が!人気の理由は、お洒落で快適なシートとその安さ。例えば、「学生割引」や「シニア割」を使うと、東京から大阪まで片道3,500円。通常でも4400円~と、超リーズナブルなのだ。
さらに、オリジナルのシートは全部で10種類。飛行機のファーストクラスのようなシートも自社開発し、ゆっくりと休める快適さを提供している。ウィラーは高速バスだけでなく、観光バスでも新たな試みを始めている。その一つが地方を中心に運行する「レストランバス」だ。景色を眺めながら料理に舌鼓できると話題に。町おこしにも一役買っている。
事故から学んだ教訓・安全対策への執念
2006年から高速バス事業を始め、急成長を遂げるウィラー。ところが2012年、関越道で他社の高速ツアーバスが事故をおこし、状況は一変。乗客7名が死亡、39名が重軽傷を負い、バスの安全性が社会問題に。ウィラーは事故と直接は関係なかったものの、バス業界を牽引してきた村瀨は参考人として国会に呼ばれた。失墜したバスのイメージを払拭しようと、ウィラーは、業界に先駆けて徹底した安全管理を実施。運転中のドライバーの脈波を計測し、眠気を検知すると、本部から連絡するシステム「フィーリズム」をスタート。また、食堂のメニューもヘルシーなものに改善。保健師が体調管理までをおこなう。さらに、睡眠施設はホテルのように防音対策など改善。業界初の試みは、今も続いている。
赤字鉄道を再生!交通ネットワークを一新する!
ウィラーはバスだけでなく鉄道事業にも参入している。2015年、事実上の倒産となった北近畿タンゴ鉄道の運営を引き継ぎ、京都丹後鉄道と再建を始めた。観光列車を走らせ、地域の活性化にも寄与。村瀨が掲げるのは、「交通革命」。5年後、日本全国の交通ネットワークを一新させるという。バスを中心とした新たな交通システム、その挑戦を追った。