「どこでも水再生システム」で生活が激変する!?:WBS

「ワールドビジネスサテライト」 (毎週月曜~金曜 夜11時)では、4月13日(木)より、新企画「イノベンチャーズ列伝」がスタート! 社会にイノベーションを生み出そうとするベンチャー企業に焦点をあてる。
そこで、気になる第2回の放送をピックアップ。
東京・港区にある、ベンチャー企業育成会社「ミスルトウ」のオフィス。いくつもの支援先・投資先ベンチャーが拠点を構えるこのオフィスのど真ん中に、4月、シャワーが出現した。

※ミスルトウ(東京・港)のオフィス。中央がシャワーブース
すでに何人かが、海外出張帰りなどに使ったというこのシャワー、周りを見ても、水道管や配水管がどこにも見当たらない。床ともつながっていない。実は、使っているのはタンクに入った20リットルの水だけ。これを浄化して、使いまわしているのだ。

※シャワーの裏側。奥のタンクに入っているのが、浄化された水
実際に浴びた人は「普通のシャワーとあまり変わらない。(水の)勢いも。気持ちよかった」と話す。取材に訪れた相内優香キャスターも、シャワーの水をコップに入れて確認。「しっかり透明。においも...無臭です!」と驚く。

※鼻を近づけ水質を確かめる相内キャスター。「無臭です」
このシャワー、水道の水を流す通常のシャワーに比べ、水の使用量は20分の1程度に抑えられるという。この水再生システムを開発し、世界の"水問題"を解決しようとするベンチャー企業がある。東京・文京区に本社を置く「WOTA」だ。

※東京・文京区にあるWOTA。化学やビッグデータなど各分野の専門家が集う
彼らが開発したのは、浄水フィルターとセンサーなどを組み合わせ、ITを駆使した水再生システムだ。創業者の北川力CEO(30)は、WOTAのシステムの最大のポイントは「それぞれのフィルターにセンサーが付いている」ことによって、水の汚れ方に応じてフィルターを"使い分ける"点にあると説明する。

※WOTAの水再生システムの説明用模型。フィルターを「使い分ける」のがポイント
仕組みはこうだ。例えば「大きなごみ」「臭いや色のもと」「溶けた成分」など、取り除けるものが異なる複数の浄水フィルターを並べ、その間にセンサーを配置。そこに、例えば「お茶」を流すと、「大きなごみ」のフィルターは使わずに他のフィルターだけで浄化する。一方、「泥水」だと、「大きなごみ」のフィルターなどで泥を取り除き、「臭いや色のもと」フィルターは使わない...といった具合だ。

※「お茶」の場合、センサーで「大きいゴミ」はないと判断、別のフィルターへ流す
こうした「不要なフィルターは使わない」工夫などによって、例えば一家4人がシャワーを使った場合、浄水フィルターは1か月以上持つとしている。 通常のろ過のやり方なら、3日程度で交換が必要になるというから、フィルターは大幅に「長持ち」することになる。すると様々な用途が生まれる。例えば災害現場や、オフィス内の水道が簡単に引けない場所、そしてキャンプ場など...。こうした場所での利用が、現実的に考えられるようになった。
WOTAはこのシステムを、来年をめどに量産を始める計画。将来は、水不足に悩む世界の各地域に展開していきたいと考えている。
ようやく製品化を視野に入れた北川CEO。これまで世界の水をめぐる問題や、国内の水道インフラの老朽化などについて問題意識を持ち、高等専門学校の学生時代から10年以上、水や水道について研究してきた。

※WOTAの北川力CEO(30)。高専時代から「水研究ひとすじ」
その後、筑波大学、東京大学大学院へと進んだ北川CEOだが、その大学院時代に、その後の起業へとつながる「原体験」があった。


北川氏はその後、2014年に起業。水再生のシステム開発を進めた。
2016年の熊本地震では、簡易シャワーをトラックに設置し、断水した避難所に駆け付けた。それは、自分たちの研究の意義を確認する場となった。北川氏は当時について、「一番シャワーを使いたいと言ったのが、お子さんのいるお母さん。非常に喜んでくれた。その光景は今もすごくモチベーションになっている」と振り返る。

※2016年の熊本地震の避難所近く。トラックで簡易シャワーを提供。
そしていま、北川氏は次なるプロジェクトへと動き出した。不動産情報サービスのLIFULL(ライフル)や、ベンチャーキャピタル、他のベンチャー企業などの協力を得ながら、水や電気などあらゆるインフラを「家単位」で完結する"未来のコンセプトハウス"をつくろうというのだ。北川氏は「洗濯機の水循環も実験している」と説明し、近い将来、コンセプトハウスを実用化にこぎつける考え。「家単位で水を使いまわすライフスタイル」を、世の中に提案しようとしているのだ。

※「未来の家」を説明する北川CEO。「水を使いまわす生活」を世に問う
北川氏の最終目標は、生活に関わるすべての水を「家」など小さな単位で完結できるようにし、人々がインフラや場所に縛られず生活できる世の中を実現すること。「砂漠でも宇宙でも住める、みたいなことがやりたい」。
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