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食パンといえば、毎朝欠かさず食べているという方も多いのではないでしょうか。スーパーでは安いもので1斤100円くらいから買える食パンですが、最近は1斤500円以上の高級食パンが売れています。さらに高級食パンだけでなく高級トースターの人気も高まっているのです。
高級食パンが熱い!「俺の株式会社」も参入
東京・銀座にある「俺のベーカリー&カフェ」。この店を運営するのは「俺のフレンチ」などの人気店を生み出した「俺の株式会社」です。看板商品は高級食パン。2斤分の長さで値段は900円から。都内の3店舗で1日に計2,000本以上を売り上げる人気ぶりです。
一体どんな味なのでしょうか。「口に入れた瞬間、フワッと柔らかいですが、噛むとモチモチして、弾力が一般的な食パンと比べ物にならないほどあります。食パンの概念が変わります」と話すのは試食した相内優香キャスター。
その秘密は原料と独特な製法にありました。小麦粉は国産の「キタノカオリ」を使用し、さわやかなコクと香りが特徴の岩手県・中洞牧場の牛乳を使っています。監修した榎本哲さんによれば、小麦粉の一部を熱湯でこね、それをゆっくりと1日かけて冷やすことで甘みと弾力が出てくるそうです。
「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」といった飲食店を展開してきた「俺の株式会社」が、なぜ食パンに力を入れたでしょうか。坂本孝社長は「皆さんが食パンに高度な味を求めている。いわばニーズがあった」と説明します。
「俺の株式会社」は「俺のベーカリー&カフェ」を3店舗展開していますが、そのうち銀座店で扱う食パンの名称を6月から「銀座の食パン」と変更しました。その狙いについて坂本社長は「東京オリンピック・パラリンピックがあり、銀座がますます食通の街になる。銀座に来るという目的が大きい。だから銀座を頭につけた」としています。
高級食パン市場が急拡大!食パン専門店もオープン
「食パン」人気の勢いに乗り、「高級食パン」を扱う店が増えています。東京・港区に去年10月にオープンした食パン専門店の「バイキング ベーカリー エフ」。専門店だけあって、食パンの味の種類は実に11種類にものぼります。シャンパンに付け込んだドライストロベリーを練りこんで焼いたものや、デトックス効果があるとされる竹炭とトマトを使用した変わり種の黒い食パンも。価格は高いもので1,000円するものもありますが、客は「安いものに比べて食べた感じがぜんぜん違う。けっこう大きいのでそんなに高くないと思う」などと好意的に受け止めています。
高級食パンブームを後押し!人気の高級トースター
こうした高級食パンブームを後押ししているのが「高級トースター」です。スチームで余分な油分を落として焼くものや人工衛星にも使われている素材を使い素早く高温で焼き上げるものなど様々な高級トースターが市場を賑わせています。
高級トースターを実際に試すことができる店も登場しました。東京・自由が丘にある「Toffy自由が丘」はキングジムが運営する体験型アンテナショップ。トースターを使って食パンを実際に焼き比べることができ、気に入ればその場で購入することができます。
店では、お手頃価格のトースターも人気ですが、客の関心はやはり高級トースター。店の担当者は「買ってきたばかりのパンはどのトースターで焼いてもおいしいが、2~3日置いたパンを作ったばかりの味にするのが高級トースター」と人気の理由を話しています。
水蒸気を使う独自の焼き方が評判となり、累計約36万台を売り上げている「バルミューダ」のトースター。約2万5,000円という高価格にもかかわらず、この店でも販売は好調です。実際に試食した客に聞くと「サクフワ感がぜんぜん違う」「2万円だったら出してもいい、おいしければ」とその良さを実感しているようでした。
店の担当者は、高級食パンと高級トースターの相乗効果がトースターの売り上げに繋がっていると分析します。「良いトースターでいつもの食パンを焼いたらおいしかった。さらにおいしい高級食パンを焼いたらどんな感動があるのだろうと、ものすごく期待しますよね。その相乗効果でトースターの売り上げにつながっているのではないでしょうか」
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