• #
  • トップ
  • ビジネス
  • AIで「適正価格」を割り出せ!"値付け革命"で世の中が変わる...

AIで「適正価格」を割り出せ!”値付け革命”で世の中が変わる?

ビジネス

テレ東

2018.11.29 ワールドビジネスサテライト

「ワールドビジネスサテライト」 (毎週月曜~金曜 夜11時)では、新企画「イノベンチャーズ列伝」がスタート! 社会にイノベーションを生み出そうとするベンチャー企業に焦点をあてる。そこで、気になる第15回の放送をピックアップ。


「ヘアカット」は1080円、チキンカツなら1枚100円...。街は様々なモノやサービスの「値段」であふれている。その値段の付け方を根本から変え、世の中に大きなインパクトを与えようとしているのが、「メトロエンジン」というベンチャー企業だ。いま宿泊施設の値付けに"革命"を起こし始めているところだが、その先に、大きなターゲットを見据えている。「新幹線」だ。

innoben_20181129_01.jpg
※ベンチャー企業「メトロエンジン」が、新幹線で一体何を...?

東京・港区にあるメトロエンジンの本社を訪ねた。従業員は約80人。WBSの須黒清華キャスターはオフィスに入るなり「けっこう海外の方がいらっしゃいますね...」。半分以上が外国人の技術者だ。彼らが開発するのはホテルの客室の値付けをするシステムで、その名も「メトロエンジン」。競合するホテルの価格や周辺地域のイベント情報など様々なデータをもとに、需要を予測し、適切な宿泊料金を自動で割り出せるという。需要と供給に合わせて臨機応変に値段を変える、いわゆる「ダイナミックプライシング」という手法だ。

innoben_20181129_02.jpg
※メトロエンジン本社。従業員約80人の半分以上が外国人技術者だ。

ダイナミックプライシングのシステムを手掛ける企業の中でもメトロエンジンが特徴的なのは、「AI」を徹底的に活用し、値付けの根拠となる"需要予測"の精度を高めている点だ。一般的に、AIで需要予測をする際に活用するのは「売り上げ」や「天気予報」程度とされるが、メトロエンジンでは「株主総会の予定」や「大手携帯電話会社の基地局データ」など、100種類ものデータをAIに分析させる。この「情報量の多さ」が、精度の高い需要予測や値付けにつながっているのだという。

innoben_20181129_03.jpg
※濃い青が現在の価格(単位は百円)。水色は「値下げ推奨」、赤は「値上げ推奨」だ。

創業者の田中良介CEOは「人間の目だと避けられなかった(値上げの)機会損失が減らせる」と、ダイナミックプライシングの意義を強調する。田中氏はもともと、民泊の事業者向けにシステムを提供していた。その事業をホテル業界全体へと拡大させたのは、急きょ決まった海外の友人の日本訪問がきっかけだった。

innoben_20181129_04.jpg
※メトロエンジンの田中CEO(右)。サービス拡大のきっかけは...

innoben_20181129_05.jpg
田中CEOは、ホテル向けのダイナミックプライシングは「システムが結構複雑で、チャレンジングではあった」と振り返る。そのシステムが完成し、ホテル業界に提供を始めたのは2017年9月。その後は精度の高さが評価され、あっという間に20以上のホテルチェーンで採用された。

そしていま、メトロエンジンは新たな"ビッグビジネス"に挑もうとしている。

東京・台東区にあるオフィスに、田中CEOたちの姿があった。そこはJR東日本のグループ会社。田中氏はパソコン画面を開き、開口一番「新幹線やまびこの上下線の混雑予測が見られます」。

innoben_20181129_06.jpg
※JR東日本のグループ会社で披露したのは「新幹線の需要予測」

説明を受ける1人、JR東日本スタートアップの阿久津智紀さんは「以前、(フィギュアスケート選手の)羽生結弦さんが仙台でイベントをした時、あまりにも人が来るので急に(新幹線を)増発したことがあった。メトロエンジンなら、ホテルの混雑状況などからいち早く検知できる。我々の困り事をダイレクトに解決する手段ではないか」と評価の大きさを語る。メトロエンジンにとっても、JR東日本と組めば「スイカ」の利用情報など、これまでとはケタ違いのビッグデータが得られ、需要予測の精度をさらに高められる。

新幹線の需要予測は、今年12月にはJR大宮駅(埼玉県)で披露する予定だという。

innoben_20181129_07.jpg
※JR大宮駅で表示される予定の、新幹線の需要予測画面。色が濃い部分は「混雑」。

この取り組み、実は「その先」がある。田中CEOは需要予測だけでなく、新幹線の「ダイナミックプライシング」も視野に入れているのだ。値上げはしない前提だが、「需要が少ない」と予測した列車には割引切符を出すなどして、実質的に値下げすることも視野に入れている。そうすれば、客のうち一定数は"値下げ"した列車に流れ、そのぶん「需要が多い列車」の混雑は緩和されることになるのだ。JR東日本スタートアップの阿久津氏も「帰省ラッシュの混雑緩和にもつながるのでは」と期待を寄せる。

田中氏は今後、新幹線に限らず様々なモノやサービスの分野に、"値付け革命"を起こしていく考えだ。「需要が供給を上回るものにはダイナミックプライシングを応用できる。そういうところへアプローチしていきたい」。

※詳しく見たい方はビジネスオンデマンドへ!

関連タグ

一緒に読まれています!

この記事を共有する

番組情報INFORMATION

ワールドビジネスサテライト

ワールドビジネスサテライト

ビジネスや生活に役立つ「自分につながる」経済ニュース番組。ヒット商品を先取りした「トレンドたまご」、経済の最新情報を伝えるコーナーなど。

放送日時:テレビ東京系列 毎週月曜~金曜 夜11時

出演者

大江麻理子、滝田洋一、山川龍雄、相内優香、須黒清華、片渕茜、北村まあさ

人気の記事POPULAR ARTICLE

    カテゴリ一覧