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1月30日(水)放送の「日経スペシャル 未来世紀ジパング」(毎週水曜夜10時~)は、ヨーロッパで拡大するベジタリアン(菜食主義者)やビーガン(完全菜食主義者)を取り巻く最新事情をレポート。進化する代用食品や過激化する思想など、食にまつわる驚きの現状を伝える。
マックにも登場...進化するベジタリアン向け代用食品
世界的に食の多様化や健康志向が高まる中、ヨーロッパではベジタリアン(菜食主義者)やビーガン(完全菜食主義者)を嗜好する人が増えている。そんな人々に対応するため、ベジタリアン向け食品が驚きの進化を見せている。フィンランドのマクドナルドでは肉を使わないマックビーガンが登場。大豆由来の代用肉に、パンは牛乳不使用。ソースも卵を使わない徹底ぶり。肉の美味しさを売りに人気を博してきたマクドナルドが、"純"野菜バーガーの販売に踏み切り、評判となっているのだ。今、こうしたビーガンを含めたベジタリアン向け食品の世界市場が急拡大。その額は、すでに5兆円を超えている。
オランダにあるビーガン専門店では、肉だけでなく魚も食べないビーガン向けに、マグロの刺身の代用品を提供。見た目はマグロそのものだが、実はこれタピオカやコンニャク、海藻由来の香料で作られた、植物性の刺身。白い筋まで再現したこの刺身を開発したのは、500ものビーガン商品を扱う専門商社。近年、肉だけでなく代用シーフードのニーズが大きくなっているという。肝心の味はどうか、日本人の寿司職人に試食してもらうと、見た目だけでなく、磯の香りまで再現されたクオリティの高さに驚きを見せる。
ドイツ名物のソーセージが消える?
訪れたのはドイツのベルリン。ソーセージでお馴染みのドイツでも、近年ベジタリアンの増加である異変が起きていた。ソーセージの原料となる豚肉の消費量が、この7年間で11%も減少しているのだ。実はドイツのベジタリアンは800万人とヨーロッパでも一番多く、また健康志向などの理由から実に3割の人が肉を食べる量を減らしているというのだ。この状況に、食肉業界も変化を迫られている。創業180年の食肉加工の老舗でさえも、4年前から大豆を原料とした代用肉の生産に踏み切っていた。
ドイツでは増え続けるベジタリアンのために、様々なサービスが広がっている。幼稚園の給食を覗くと、運ばれて来たのは代用肉の入ったパスタ。ここはベジタリアンの親が、子供を通わせる幼稚園。彼らは肉の味を知らない子供たちなのだ。
ベジタリアン向けサービスは、食だけに留まらない。ベジタリアン御用達の美容室では動物由来の成分を含まないカラー剤を使用、ブラシの毛も植物繊維のものと徹底している。
こうした食だけに留まらず、生活全般から動物由来のものを避ける人が確実に増えている。企業活動や人々の生活スタイルにも影響を及ぼすほどの価値観の変化は、もはや一過性のブームでは片付けられない...。
番組ではさらに、フランスで精肉店を襲撃するなど、ビーガンの中でも過激な活動をする団体を追跡。その幹部へ直撃取材を試みる。健康志向や思想の拡大から、これまでにない変貌を遂げている世界の食事情を伝えた「日経スペシャル 未来世紀ジパング」は、今夜10時放送。お見逃しなく!
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