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<コロナに思う>沖縄の救命医 東京から地方への移動起これば「地域の医療を崩壊させるのは簡単」

ビジネス

テレ東

2020.4.14 ワールドビジネスサテライト

新型コロナウイルスの感染拡大、外出自粛による経済へのダメージ...。未曾有の事態に日本国内だけでなく世界中が不安に包まれる中、『ワールドビジネスサテライト』では、現在「コロナに思う」と題し、各界の著名人によるリレーメッセージをお伝えしています。

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今回は沖縄県立中部病院で救急医療に携わる医師・中山由紀子さんのメッセージ。救急医であり、現在妊娠9ヶ月の妊婦である中山さんは、3月半ばに祖父が亡くなった際も感染リスクを考え、葬儀にも出席せず、沖縄にとどまりました。

地方の医療現場の現状を知る中山さんは、東京から地方への国民の移動が起これば「地域の医療を崩壊させるのは簡単」と訴えます。



私は沖縄の救急医です。そして妊娠9ヶ月の妊婦でもあります。

3月半ばに、関東に住んでいた私の祖父が亡くなりました。でもお葬式には行かず、沖縄に残りました。私の移動によって沖縄に、職場である救急医療の現場に、妊婦検診を受けている産科に、夫の職場に、そして息子の保育園にウイルスを持ち込むリスクがあるからです。

このウイルスの怖いところのひとつは、無症状でも感染していて人にうつす可能性があることです。あなたが、私が、気づかずに今まさにウイルスを運んでいる可能性があることです。

救急現場の話をします。1つのPCR検査をするにも、最低1セットの感染防護具が必要になります。検査は鼻に綿棒を突っ込むので、患者さんはくしゃみをして、エアロゾルが発生します。検査をするだけでもドクター、そこで働く医療スタッフ、受診する他の患者さんへの感染リスクは上がるのです。

入院治療するときは関わる医療者は複数になるので、患者さん1人につき感染防護具は、もっと必要になります。使い捨てなので本来は1日に何枚も使います。このペースで検査が増えていったら、感染者が増えていったら、すぐに感染防護具が足りなくなるということは、私も、周りの誰もが感じていました。

都会と違って地方には、そもそも医療資源が少ない。感染防護具やベッドだけでなく、ドクター、ナースなどのマンパワーが圧倒的に少ないのです。そこへ、流行地から移動してきた人がウイルスを持ち込んでしまったら、「まだここではそんなに流行っていないから」と住民が油断していたら、医療者が感染してしまったら、地域の医療を崩壊させるのは簡単です。

不安をあおるようなことばかり言って申し訳なく思います。でも、みんながいま自分にできることを考えて実行できれば、この流行を押さえ込むことができると信じています。完全になくすことはできませんが、医療スタッフができるだけ危険にさらされず、医療が必要な人が適切な医療を受けられるレベルで制御することはできると思います。

緊急事態宣言が出たことで、東京から地方への国民の移動が起こらないかとても心配です。皆さんが移動しないこと、移動してきた人との接触を最低1週間避けること、3つの密を避けることで、自分や自分の周りの人だけでなく、日本の医療体制や救急現場のスタッフを守ってほしい。

あなたが移動しなければ、貴重な感染防護具を温存できます。医療者の感染リスクを下げることができる。「自分は無症状だけど感染している」という意識で行動してください。どうかお願いします。



「コロナを思う」は、テレビ東京ビジネスオンデマンドで現在配信中です

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