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環境問題と金融市場の関係は? 未来のビジネスチャンスはあるのか?

ビジネス

テレ東プラス

2021.5.14 SPONSORED

「カーボンニュートラル」や「SDGs」、「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」──。
環境問題に関する最近話題のキーワードをご存じだろうか。経済やマネーの動きとはどのように関係するのか。世界中で声高に叫ばれている環境問題には大きなビジネスチャンス、そして、withコロナ時代を生きる私たちが、日々変容する金融市場を見極めるコツはどこにあるのか......。

テレ東プラスでは、三井住友DSアセットマネジメント投資情報グループヘッド渡辺英茂氏に、CSRコンサルタントの藤田知哉がインタビュー。グローバルな視点で経済・金融市場を俯瞰し、様々な景気サイクル・相場を分析してきた渡辺氏に、グローバルに動き始めた「環境問題とビジネスチャンス」について伺い、マネーと経済の関係を探る。

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世界の課題=ビジネスチャンス!?


――今話題の「SDGs」(※1)や「カーボンニュートラル」(※2)、そして「GX:グリーン・トランスフォーメーション」(※3)について教えてください。

「これらのワードには多くの共通点があります。人類は積極的な経済活動、技術開発によって、住みやすい社会を作り上げてきましたが、経済発展において化石燃料をエネルギーとして使い、作ったものは廃棄、また一部は海洋に投棄してしまいました。そういった長年の蓄積が、地球温暖化や異常気象など、様々な環境問題に広がっています。今後も人類が豊かな生活を送っていくためには、今までのような経済活動では成り立ちません。私たちの考え方を変えていかなければならない、というところが根幹にあります。環境問題において注目されているワードは他にも沢山ありますが、どの角度で見るかが、それぞれの言葉の違いになります。」

※1:「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」...『誰一人取り残さない』持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標。2015年の国連サミットにおいて全ての加盟国が合意した『持続可能な開発のための2030アジェンダ』の中で掲げられ、2030年を達成年限とし、17のゴールと169のターゲットから構成されている。

※2:「カーボンニュートラル」...企業や家庭から排出される二酸化炭素などの温室効果ガスを減らし、森林による吸収分などと相殺して実質的な排出量をゼロにすること。

※3:「GX:グリーン・トランスフォーメーション」...先端技術を活用し、温室効果ガスを発生させないグリーンエネルギーに転換することで、環境課題を解決し、持続可能な社会を実現させること。

「今、なぜ環境問題が注目されるようになったのか。それは、環境破壊が深刻化しているという現実に加えて、環境対策はコスト要因として認識されていたが、技術開発の発展によりそうではなくなったこと。また、新たな環境対策によって我々も経済成長の恩恵を受けることができるようになったということが挙げられ、そこが以前とはかなり違うのかなと感じています。

また、CO2総排出量の40%程度を占める米国と中国が、2020年、カーボンニュートラルへの転換を表明したことが大きな変化でもあります。マーケットを動かすかなりの部分において、政策が非常に重要だと認識しています。ここ最近、"SDGs"や"カーボンニュートラル"の問題がこれほどまでに大きな流れになってきた背景の一つとして、環境問題に対する人々の関心の高まりとともに、政治的なインセンティブが非常に高まっている部分があると思います。」

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――環境問題は人類が地球を守るために達成させなければならない「世界規模の大きな課題」ということなのですね。それでは金融市場では、環境問題はどのように考えられているのでしょうか? 具体的な動きがあれば教えてください。

「環境問題について、世界各国がかなり真剣になってきており、今後も様々な政策に取組むと考えられます。国を挙げての規制や技術開発には巨額の投資資金が必要となり、企業との協働もさらに必要となってくるでしょう。何よりも環境関連事業は技術も進み、企業が利益を上げられるようになってきたことにより、市場参加者はそれらの企業への投資に積極的に取組んでいこうという動きが主流になってきていると思います。

注目したいのは、CO2排出量実質ゼロを目指す巨大企業の取組みです。新しいイノベーションの創出には、莫大な資金が必要となります。グローバルで活躍する巨大企業の多くは、持続可能な成長を目指し、カーボンニュートラルへの取組みを本格化しています。この流れが、巨大企業の取引先企業に波及することで、カーボンニュートラルは大きなうねりとなっています。

IRENA(国際再生可能エネルギー機関)の推定においては、2050年までに世界で約1.36京円の投資が必要と言われています。これは政府だけでは賄えないので、今後、税制優遇、規制緩和など政策ツールを総動員することで、民間企業によるカーボンニュートラルへの動きを後押しするようなスキームが進展するのではないかと思います。」

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「金融市場においても、2019年頃以降はESG投資に巨額の資金が流入していますし、グリーンボンドという環境改善効果のある事業(グリーンプロジェクト)に資金を充当する債券も出てきています。株式では、昨年末の米国大統領選後、いわゆるクリーンエネルギー関連企業の株価が上昇しました。このように、多くの企業、投資家の間では、環境関連投資への期待が高まっていると思います。」

――全世界で取組むべき課題に向けて、新しいイノベーションが生み出され、それがビジネスの成長に繋がっていく。環境問題と金融市場の繋がりがよく分かります。

世界の課題解決が生み出す巨大成長市場を見逃すな


――環境分野は多岐にわたりますが、その中で特に注目している分野はありますか?

「そうですね。今、私たちが注目している"カーボンニュートラル"の分野は多岐にわたるので、以下、3つの技術的フレームワークに分けて説明します。」

・化石燃料からクリーンな発電源へのシフト
「真っ先に思い浮かぶのは、太陽光発電や風力発電です。カーボンニュートラル社会に向けて世界規模で再生可能なエネルギーへの転換を早めていますので、市場の急拡大が予想されます。太陽光発電は、世界的には設置する場所はたくさんあるので、拡大の余地は十分あります。さらに、今後、最も発電量の増加が期待される風力発電分野では欧米企業を中心に技術革新が進んでいます。」

・省エネによる、エネルギー消費の削減
「スマートグリッドや高効率モーターなど、できるだけエネルギーを効率的に使って物や人を動かす次世代交通分野のことです。例えば、大きな動力を必要とする大型車両や船舶を中心に水素燃料電池への需要は非常に高まっており、燃料電池を利用した輸送機器の開発は、実用化に向けて目覚ましい成長を見せています。」

・出してしまった二酸化炭素を回収する技術分野「ネガティブエミッション」
「カーボンニュートラルの取組みの一つがCO2の削減です。CO2の空気からの分離回収や再利用貯蓄など、CO2を再利用する技術開発も進んでいます。CO2がどこの産業から出てくるかに着目すると、今後その技術がどう活用されるか、そして、その企業がどのように発展していくかを予想することができます。」

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「世界のCO2排出量トップは発電・エネルギー業界です。こちらは太陽光や風力に切替っていきます。そしてCO2排出量2番目は運輸関連です。こちらは電気自動車(EV)が今のところ本命の扱いになっています。

運輸業界の電気自動車は今のところテスラが有名ですが、ご存知の通りソニーや米国のアップルの参入や、伝統的な車メーカーであるトヨタ自動車、BMW、メルセデス・ベンツなども参入しますので、かなり競争が熾烈になることが予想されます。従来型の自動車メーカーのビジネスモデルは基本的に製品に必要な工程を自社グループで組織する「垂直統合モデル」ですが、電気自動車はIT製品のような側面もあるので、スマートフォンのように製品の核となる部分以外は外部委託する「水平分業モデル」が良いのかもしれません。どちらが優れているという考えではなく、それぞれから勝者が出るのではと考えています。しかし、今はまだ非常に不透明感が高いと感じています。むしろ電気自動車であれば、必要な各パーツでみて、優位を確立できそうな企業を注目していったらいいのではないかなと思います。例えばバッテリーであれば、中国のCATLなどは将来性に明るいのではないかと考えられます。

また、リサイクルやリユースの分野になりますが、個人的に一番の問題と考えているのが、プラスチックの海洋投棄です。2016年のダボス会議でも取り上げられたように、世界の海に漂うプラスチックごみの量は、各国がかなり積極的なリサイクル政策を導入しない限り、2050年までに魚の量を上回ると報告されています。そのため、分解できるプラスチックを作っている会社など、規模としてはまだ大きくはありませんが、注目してほしい分野であります。

このように、投資の観点から見るとカーボンニュートラルの分野は期待値も高く、すでに利益が出ている会社が多いと感じます。資源の利活用のリサイクル分野の方はこれからもっと力を入れて進んでいってほしいですね。」

――成長分野について詳しく伺いましたが、少し視点を変えて...。「投資するからにはしっかり投資リターンを追求したい」というのが投資家の本音でもあります。今回ご説明いただいたESG投資(※4)については、投資に見合うリターンを得るまでに時間がかかる印象を持つ人もいると思いますが、その辺りはどのようにお考えですか?
※4:「ESG投資」従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス
(Governance)といった、非財務情報を考慮した投資のこと。

mitsuisumitomo_20210514_05.jpg▲三井住友DSアセットマネジメント投資情報グループヘッド渡辺英茂氏

「これまで、ESG評価の高い株を買っていても、そんなに利益が出ない、ということが結構ありました。しかしながら、環境問題が本格化して以降、環境問題にきちんと取組んでいる企業や環境改善に貢献している企業の株価は、市場で評価されるようになってきています。これまではESG投資はやらないよりやった方がいい程度で捉えられていたものが、しっかり利益に反映され、株価も上がるという状況になってきているように感じます。」

"カーボンニュートラルの2050年"は、いつ波がくるの? と疑問を持たれる投資家の方もいらっしゃると思いますが、全技術が2050年までかかるわけではありません。個々の技術を見ますと、これから開発されるものもありますが、すでに実現されているものもあります。

イメージとしては、環境問題対策という大きな波がありますが、それを作っているのは小さい波、つまり個々の企業といえるでしょう。10年先に花開く技術の会社の株を、10社買うのならば、すごく我慢が必要です。それよりも、すでに波が来ている会社を組み入れつつ、なおかつ長期のものを入れるという発想の方が、安定的にリターンを得ることができると思います。投資をする際には、大きな波を見据えつつ、どうやって小さい波を扱い、ポートフォリオを組むかを検討していくことが大切だと思います。

それから、ビジネスモデルを転換し、上昇気流に乗っている企業の流れを見つけていくというのが大切です。例えば、電源装置を作っている会社が太陽光発電関連部品の製造に転換したり、石油化学の会社が、バッテリーや水素など再生可能な発電事業に転換したりしています。伝統や枠に囚われて、事業内容を変えることができない企業は多いですが、思い切ってそれを変えていける企業もあります。そのような会社を見つけて投資することは、現時点で非常に大切な視点です。

加えて、政府のインセンティブ、つまり環境問題に関する税制や様々な政策などを把握することも重要です。それらの恩恵を受けそうなエリアを見極めて投資していくグローバルな観点も大切かなと思います。

最近はサプライチェーン(製品の原材料・部品の調達から管理・販売までの工程)の中で、環境対策にしっかり取組んでいるかが重要視されています。環境対策をしていない企業は入れてあげませんよ、貴方から部品は買いませんよ、とサプライチェーンから外されてしまうリスクもありますので、そこも大切な観点です。

――ESG投資に興味はあるけど、環境分野に関する専門知識など、投資先を選択する視点が複雑で、今一歩前に踏み出せない人も多いのではないかと思います。投資先の選定については、どのように考えたら良いのでしょうか。

「ご指摘の通り、選定はかなり難しいです。いわゆる"GX(グリーン・トランスフォーメーション)関連"と一括りにしても非常に幅広く、個人投資家が行うとなると、ハードルは高いと思います。判断にあたっての一つの考え方としては、プロの運用会社を活用する、という選択肢があります。幅広い情報収集ソースから、企業を調査・分析するアナリストが深く分析した上で投資先を選定しているのが特徴で、少ない金額から購入できます。株式や債券などに分散投資することもできます。上手に利用すると良いのではないかと思います。」

――専門家の目を通した有望な企業に分散投資できる投資信託を活用するのは、有効な選択肢ですね。投資を通じ、自分も一人の担い手として「より良い未来」に貢献できるということ、応援の対価としてリターンを得られるということ、それは素晴らしいことだと感じました。

「そうですね。投資することによって、自分たちの将来や世界が良くなるかもしれない。そして"いいこと"にお金を投じるだけでなく、リターンが得られる可能性もある。それが、ひと昔の前の環境ファンドブームとの違いです。"ESG"や"SDGs"自体がビジネスとリターンを両立し、より良い未来を目指すということなのです。」

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

投資による未来貢献。
ESG投資額が近年世界で伸びている背景、GXに向き合わない国や企業は、国際社会から地球温暖化対策に後ろ向きだと判断され、国際信用力、国際競争力を失うことを改めてよく理解できました。
SDGs達成はもちろん、よりよい未来をつくるには、企業のイノベーションは不可欠です。
環境×金融市場、ますます目が離せません。
※投資はあくまで自己責任で、自身の無理の無い範囲で行いましょう

(取材・文/藤田知哉)

【今回お話を伺った三井住友DSアセットマネジメント株式会社のサイトはこちら!】

【渡辺英茂氏プロフィール】
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
投資情報グループヘッド
投資情報グループを統括。グローバルな視点で経済・金融市場を俯瞰する。ロンドン、香港での勤務経験があり、欧米株式、アジア株式の運用の後、アセットアロケーションを担当した。運用経験は20年を超え、様々な相場を乗り越えてきた経験をベースにした見通しには定評がある。

【藤田知哉プロフィール】
株式会社ウィルパートナーズ コンサルタント。中小企業診断士・特定社会保険労務士
中小企業支援、「働き方改革」等の経営労務支援を行うほか、CSR・SDGsビジネスとして、CSRコンサルティングやCSR報告書の企画制作等、CSR・SDGsの実現に向け、本業のプロセスで社会問題や環境問題の解決に向けたコンサルティングを行っている。公的支援では、CSRの認定制度である「横浜型地域貢献企業認定制度(横浜市)」の外部評価員として、地域ならびに中小企業の活性化のための支援を行う。

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※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。

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