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コロナ下でなぜ英国進出? 丸亀製麺の世界戦略<WBS>

ビジネス

テレ東

2021.8.2

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7月26日、ロンドンにイギリス1号店がオープンした丸亀製麺

7月26日、ロンドンに丸亀製麺のイギリス1号店がオープンしました。丸亀製麺がコロナ下で海外出店を加速させる背景には緻密な戦略がありました。

4月、ロンドン・ヒースロー空港。ロックダウンが続く中、降り立ったのは丸亀うどんヨーロッパ、品質管理マネージャーの本川功平さん。丸亀製麺のロンドン進出の責任者です。1年間の遠隔での準備を経て、現地入りしました。本川さんは「プレッシャーも感じますが、丸亀製麺が全く無い場所に出店する楽しみもあります」と心境を明かします。

丸亀製麺を運営するトリドールホールディングス。創業者の粟田貴也社長はコロナ下に海外へ出店する理由を「一番はコロナで経済が停滞する中で、賃料が非常にリーズナブルになってきたことだ」と話します。

実は丸亀製麺は2014年、賃料の高さを理由にロンドン進出を断念。しかしその後、トリドールホールディングスは「ポキワークス」「モンスターカレー」など海外に合計で621店を出店する隠れたグローバル企業になりました。この経験で賃料を安く抑える術を学んだのです。

その答えが現地のパートナー企業との連携強化です。現地子会社である丸亀うどんヨーロッパのキース・バードCEOは「好条件にするために非常に交渉しやすい時期だった。丸亀1号店の賃料はコロナ前と比べ30%ほど安くなった」と話します。

乗降客数でロンドンのトップ3に入るリバプールストリート駅。そこから歩いてすぐの場所に1号店を出店しました。この物件の賃料はコロナ前の7割ほどの月約200万円。さらに、通常は半年以内という賃料の無料期間を2年に延ばす破格の条件で契約できたといいます。

丸亀うどんは年内にロンドンで5店舗をオープン予定。一つはロンドンでも有数の地価で知られる交差点のそばに作ります。今後5年以内にヨーロッパで100店舗を展開する野心的な計画です。コロナ下でのロンドン進出にはもう一つ理由があります。

「ワクチン接種が非常に進んで、ロンドンにも人が戻りつつあるので、非常にタイミングとしてはいいと思っています」(粟田社長)

ワクチン接種の効果で経済の再開が進むイギリスでの反動需要を狙っています。

5月、自主隔離が明けた本川さんが1号店の予定地を訪れました。周辺を歩くと、近くにオープンしたイタリア料理のフードモールに行列ができていました。コロナ規制の反動需要が爆発。イギリス人の消費意欲は旺盛です。あとは店づくりです。

6月24日。1号店の内装はうどんをイメージ。そして初めて使うキッチン。現地の水質に合わせて水や小麦、塩の配合も変えました。シンプルなかけうどんは約680円。ロンドンでの外食の価格としては格安です。完全菜食主義者、ビーガンに対応したカレーうどんも新たに開発しました。価格は約830円。ヨーロッパで増えている新たなライフスタイルの人も狙います。

7月6日。開店に向け最も重要な日です。ヨーロッパ展開の核となる店長候補の調理技術をテストします。

天ぷらのテストでは8種類を12分以内に正しく調理することが求められます。製麺のテスト、さらにおにぎり。フライパンを使う焼き場も。日本基準の品質を受け継いでいきます。

そしてロックダウン規制がほぼ解除された26日。丸亀うどんの1号店が無事オープンしました。一部の無料キャンペーンの効果もあって、外には1時間待ちの行列ができました。来店客は「味はいい。スープが最高」「値段もいいし、早くて気軽に入れる」と話すなど好評です。

ロンドンでの第一歩。見据えるのはその先です。本川さんはグローバルブランドとして、成長させる自信について「すごく手応えを感じている。うどんの美味しさや認知を広めれば、それができる」と力強く語っていました。


※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。

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