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ほぼ値上げなし...米中に比べて日本のランチはなぜ安い?<WBS>

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テレ東

2021.8.20

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日本、アメリカ、中国のランチ代を比較。米中に比べ日本は安い。

日本・アメリカ、中国でランチ価格を比較。日本は米中に比べてランチ価格が安いことがわかりました。その理由は消費者の値上げに対する拒否感です。また、平成時代に進んだデフレーションからいまだ回復していないことも理由の一つでした。

東京・新橋、飲食店の前にはランチメニューの看板が並びますが、定食で500円という店もあります。新橋のサラリーマンにランチの予算を聞くと「800円ぐらい」「ふだんは1000円未満」「700〜800円くらい。定食かラーメンですね」との声が上がります。

新生銀行の調査では、日本のサラリーマンのランチ代は平均649円。では、海外のランチ事情はどうなのでしょうか。まずはアメリカと比べてみます。

世界の金融の中心、ニューヨークでランチの値段を聞くと「ランチは12〜14ドル(約1320〜1540円)」「ランチ代は20〜30ドル(約2200〜3300円)」「ベーグルとスパム、サーモンで30ドル(約3300円)と返ってきました。ニューヨークではランチ代の平均は15ドル(約1650円)と、日本に比べるとかなり高めです。

続いては、中国・上海の人たちはランチ代にいくら使っているのでしょうか。街で取材すると「40〜60元(約680〜1020円)。定食や蒸し料理などを食べる」「60〜70元(約1020〜1990円)。ご飯や麺類など。普段は同僚との会食が多い」「最低50〜60元(約850〜1020円)。ラーメンでも40〜50元かかる。ここの物価は高い」などの声が聞けました。上海のランチ代の平均は60元(約1020円)でした。 

各国に比べランチ代が安い日本 そこに弊害も...

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日米中のビッグマックの価格の変化を見ると、日本だけがほぼ変わっていない。

アメリカや中国と比べてみると、ランチの平均価格が遥かに安い日本、なぜこれほど安いのでしょうか。今年創業55年を迎える、東京・千代田区にある町の中華店「伊峡」はサラリーマンのランチ代平均とほぼ同じ金額の650円でラーメン・半チャーハンのセットを提供しています。一昨年、消費税増税で20円値上げしたものの、それまで20年以上価格を守り続けてきました。

店主の沢木昭司さんは「値上げは難しい。お客は近所のサラリーマンの人でしょ。だから、そんなに高くとれない。ラーメンは『小銭があるから食べていこうか』と食べてくれる」と値上げの難しさを話します。

なぜ、日本では値上げが難しいのでしょうか。消費者行動に詳しいニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員によれば「基本的に(日本人は)消費行動で節約志向が土台としてあります。節約志向がずっと続いているので、企業も価格を上げにくい」といいます。

では、日本はいったいどのくらいの期間、値上げしていないのでしょうか。マクドナルドのビッグマックで比べてみると、1990年当時の価格を100とした推移では、右肩上がりのアメリカや中国に対して、日本はほぼ横ばい。アメリカと中国は2.5倍以上になりましたが、日本は約1.05倍と、30年前と変わらない水準でした。

30年続いた平成の時代。ランチの定番である牛丼の値下げ競争など、日本は断続的に物価が下がるデフレーションに陥っていました。その影響もあってか、日本の消費者には「ランチは安くて当たり前」という意識が刷り込まれ、結果多くの飲食店が値上げしづらい状況が続いているのです。

ランチが安い日本。サラリーマンの懐には優しいように思えますが、物価が上がらないことによる悪影響も出ています。

「物価が上がらないことが、回り回って自分の収入が上がらないというところに実はつながっています。その意識を消費者個人、個人で持つのは難しいですが、結局賃金が上がらないのは非常に重要な課題だと思います」(久我上席研究員)


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