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追跡!「盛り土」問題 災害を防ぐ 盛り土の見える化<WBS>

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テレ東

2021.10.28

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熱海市で起きた土石流災害をきっかけに危険性が浮き彫りとなった盛り土。

ことし7月、静岡県・熱海市で起きた土石流災害をきっかけに、危険性が浮き彫りとなったのが「盛り土」です。実は、全国各地に存在します。国土交通省は、各自治体に調査を指示しましたが、取材を進めると課題が浮かび上がってきました。キーワードは「盛り土の見える化」です。

7月3日、熱海市で26人の命を奪った土石流による災害。あれから100日。10月10日には、現場近くの小学校で家族や友人を失った人たちが追悼式に参加。妻を亡くした72歳の男性は「どうしてこんなことになったのか。そういう気持ちは多々あった。もう二度と、全国でこういうことが起こらなければいい」と語りました。

土石流は、小田原市の不動産管理会社などが、不適切な盛り土を繰り返したことが原因とみられています。熱海市は先週、盛り土問題の調査結果を公表しました。会見で熱海市の齊藤栄市長は「今回の災害は人災としての側面も否定できない。われわれの対応に問題がなかったのか、真摯に向き合わなければならない」と発言。2011年に住民への危険を把握しながら、業者への措置命令を見送っていたことを明らかにしました。

根深く、そしてなかなか見えない盛り土の問題。国交省は7月、全国で盛り土の総点検を行うように指示しています。盛り土の点検とは一体どんなものなのか。取材に向かいました。

長野県軽井沢の別荘地、山間部に住宅が並びます。ここに点検を始めていた長野県の職員の姿がありました。職員は草の下から湧き出る水を見つけ「処理を考えないとまずいかもしれない」と話します。

軽井沢町では宅地を建てる際、山の傾斜中を平たくするため、土を盛ります。こうした盛り土の上に住宅が建っているのです。盛り土の近くに住む女性は「地主さんがもう何十年も前から、どこかで出た残土、山の土を積んでいたんです。にわかに積んだ土地ではないので、そういう意味では安心」と話します。

点検する盛り土は、国交省が過去と最新の地形図を比べ、高さ5m以上の変動などを基準に抽出しました。今回、軽井沢町は11ヵ所を点検。頼りにしていたのは、国交省から提供された盛り土の平面地図のみ。このため盛り土の特定が難航していました。

「年代とすれば古い時代のものなので、盛ったのかどうかは正直わからないこともあります。(一目見ただけではあまり見えないか?との質問に)そうですね」(軽井沢町の職員)

盛り土を見える化

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3D地図に盛り土の情報を重ね、盛り土を"見える化"。

国交省は平面地図だけでは盛り土の特定が難しいという問題を把握しているのでしょうか?

「地形に関しては、様々な写真を分析することで盛り土の在りかを発見できる。ただ、それだけだと実際にどういうリスクがあるのか見えてこない」(国交省都市局都市政策課の内山裕弥課長補佐)

国交省も課題は認識。56の自治体から集めた3Dの地図情報を公開し、盛り土の調査に生かしたい考えです。

「今まであまり使われてこなかった地理空間情報、地図のデータを他の防災などの領域で生かそうというプロジェクト」(内山課長補佐)

国交省の地図情報を活用するのが「キャドセンター」。3D地図による災害情報の可視化を進めています。上で、盛り土についても"見える化"できるよう、試作を重ねていました。

「国土交通省が出している盛り土のマップを、われわれの3D地図に対応させました」(キャドセンターの鈴木俊郎社長)

軽井沢町の3D地図。ここに盛り土の情報を重ねると、盛り土の箇所がわかります。どこに盛り土があり、どの建物や道路などに範囲が及ぶのか一目瞭然です。

「どこに盛り土があるのかすぐにわかるようになる。見えないものを見える化する。あとどれくらいで崩れる可能性のある盛り土が残っているのかの把握につながる」(鈴木社長)

次の災害が起きる前に、盛り土の見える化が急がれます。

※ワールドビジネスサテライト


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