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アメリカで物流が大混乱 小売店の棚から酒が消えた!?

ビジネス

テレ東

2021.11.11

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アメリカでは東海岸の州を中心に店に酒が届かない状況となっている。

新型コロナウイルス危機の打撃から経済が急回復しているアメリカで、人手不足がさらに深刻になっています。アメリカの空港の1日当たりの保安検査場通過人数は、コロナ前の7〜8割まで戻っていますが、先月は機材やパイロットのやり繰りができず運航キャンセルが相次ぎました。また、小売店の現場ではもっと深刻な事態が起きていました。

アメリカ・バージニア州のリッチモンド。リカーショップを訪ねると、棚一列、ほとんどの商品が置かれておらず、札には品切れと書かれていました。実はアメリカでは、東海岸の州を中心に店に一部の酒が届かない状況となっているのです。

リカーショップの広報担当者は、品切れの理由について「アメリカ国内の主要な港で問題が発生している。多くの船が大渋滞を起こしていて、商品がタイムリーに入ってこなくなっている」と話します。

アメリカに入るコンテナの4割を担う西部カリフォルニア州の港では、多くの船が入港できず、沖合で待たされる事態になっていたのです。コロナ禍で外出機会が減った昨年、アメリカでは通販などネット上での取引が32.4%も増加。これが物流に目詰まりを起こしていました。

バイデン大統領は先月、ロサンゼルスの2つの港を24時間体制の操業に切り替えると発表しました。またFedExなど大手の運送会社に対しては、夜間に運ぶ荷物を増やすよう要請しました。こうした対策で問題は解消に向かうのでしょうか。

ドライバー不足がアメリカ経済の足かせに?

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昼間にもかかわらず50台以上のトラックが整然と並べられていた。

アメリカ東部の運送会社「ディーエム・ボーマン」を訪ねると、トラックの運転手が不足しているため、平日の昼間にもかかわらず、駐車場には50台以上のトラックが整然と並べられ、動き出す気配はありません。

ディーエム・ボーマンのジム・ウォード社長は「コロナ禍になって、この1年半の間に仕事を辞める者が出てしまった」といい、港が24時間稼動しても、そこから荷物を配送するトラックが足りていない状況だといいます。

ウォード社長もただ手をこまねいているわけではありません。「このポスターを作って、いろいろな場所に貼っている。うちで成果を出している長距離運転手の平均年収は10万4000ドル(約1185万円)だ」と、社員の離職を食い止めるため、今年2度にわたって給与を引き上げたと説明しました。

しかし、ベテランの運転手の口をついて出たのは「冬場の悪条件の中での運転は大変だ」「毎日ではないが夜の11時半起きの時がある」と厳しい労働環境についての言葉ばかりでした。

現在、全米でおよそ8万人のトラック運転手が不足しているとされています。ウォード社長は今後、この問題が輸送コストの上昇にもつながると指摘します。

「賃金の上昇分をカバーするためには、取引先に負担してもらわなければならない。需要が大きいにも関わらず、労働力とのバランスが取れていない」

アメリカ国内の物流の7割を担うトラック輸送。ドライバー不足は今後、アメリカの経済回復の足かせとなるかもしれません。

※ワールドビジネスサテライト


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