【独占】「清水建設」が約500億円かけて建造した世界最大級の洋上風力作業船、風車建設の巨大プロジェクトに密着!:ガイアの夜明け


1月5日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「ニッポンの風をつかめ!~巨大洋上風力の最前線~」。
再生可能エネルギーの切り札として注目を集めている洋上風力発電。北海道・石狩湾に、日本最大の風車が誕生する。
海上で巨大な風車を組み上げるのは、大手ゼネコン「清水建設」が建造した世界最大級の洋上風力作業船。ガイアのカメラがその船内に乗り込み、風車建設の巨大プロジェクトに独占密着した。ニッポンの風で新たなエネルギーを生み出そうとする最前線を追った。

【動画】独占「清水建設」が約500億円かけて建造した世界最大級の洋上風力作業船に潜入

日本最大の洋上風力建設現場に潜入!若き女性現場監督に密着


北海道・石狩湾で、ニッポンのエネルギーの未来を占う「ビッグプロジェクト」が動き出していた。
去年8月。石狩湾の港にある洋上風力の建設現場を指揮するのは、清水建設 エンジニアリング事業本部 根尾景次郎所長。清水建設は、売上高1兆9338億円(2022年度)の大手ゼネコンで、この石狩湾のプロジェクトに社運を賭けていた。

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根尾さんは、陸上で5カ所の風力発電所を手がけてきたプロフェッショナルだが、海の上に風車を建てるのは今回が初めて。
「ここで失敗をして、清水建設や日本のゼネコンが『その仕事はできないんだな』と思われるわけにはいかない。失敗できないプロジェクトだと思う。やるっきゃない、やり切らないといけない」。

現場では約200人が働いており、中には女性の姿も。人手不足の建設現場で、今や女性は貴重な戦力になっている。
女性スタッフの最年少は、清水建設入社4年目、風車工事担当の垣谷優月さん(26)。これまで本社勤務だった垣谷さんは、今回初めて現場に配属された。垣谷さんは、27人いる現場監督の1人で、工事のスケジュールを管理し、安全に作業が行われているかチェックするのが仕事だ。

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やって来たのは風車の柱。船に積み出す前に不備や故障がないか、現場監督の垣谷さんが最終チェックをする。柱の中に設置された長いはしごを安全装置を付けて登っていく。柱の頂上は22階建てのビルとほぼ同じ高さだ。
垣谷さんは、「めっちゃしんどい。はしごを全然うまく登れない。『ナメクジみたいに登っている』と言われた」と苦笑いする。

緊急の連絡を受けて垣谷さんが向かったのは、発電機が入っている風車の心臓部。よく見ると、黒いキャップが外れていて、放置すれば部品が傷んでしまう恐れがある。
垣谷さんは、部品の写真を撮ろうと作業員に声をかけるが、「今やった方がいいですか?」と言われ、「どうしようかな…いや、大丈夫です」となんだか遠慮がち。この調子で大丈夫なのか…。

午後7時に帰宅した垣谷さん。工事中は、会社が借り上げたアパートで生活している。この日、1年先輩の棚橋美奈さんが、最近元気がない垣谷さんを励ましに来てくれた。

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「初めてなので、どういう風に立ち振る舞っていいかわからない」と悩む垣谷さんに、棚橋さんは「カッキーは“改善の人”。『これがあったから、次はこうしよう』といつも考えている。そういうのが、私はすごくかっこいいと思う」とエールを送る。

垣谷さんは、中国北東部・ハルビンの出身。幼い頃、両親が日本で働いていたため、おばあさんに育てられ、13歳の時、両親と暮らすために来日した。日本語を一から勉強し、大阪府立大学に合格。機械工学を学んだ。
「再生可能エネルギーで電力が賄えるようになると、もっと素晴らしい国になるのではないか。再生可能エネルギーに関わる仕事をしたいと思った」。
垣谷さんは夢を貫き、風力発電所を手がける清水建設に入社。ここでくじけるわけにはいかない。

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9月上旬。海の上に風車を建設する世界最大級の洋上風力作業船「BLUE WIND」が、石狩湾の港に近づいてきた。清水建設が約500億円をかけて建造したこの船は、4本の脚で海の上に立ち上がり、波の影響を受けずに作業ができる。清水建設の井上和幸社長は、「この船を最大限に活用して、洋上風力の建設におけるトップシェアを取れるように頑張っていきたい」と話す。

石狩湾に建てる風車は全部で14基。この時すでに12基が完成していた。垣谷さんは、この巨大な作業船に乗ってプロジェクトを締めくくる重要な作業に参加することに。
「一番いい経験のさせ方かなと思う。しっかり得るものを得て帰ってきてもらいたい」。
根尾所長は、垣谷さんの成長に期待を寄せていた。

船での作業は約1週間で、残り2基の風車を建てるまで陸には戻れない。ガイアのカメラも、垣谷さんを追って船内へ。2階は作業員が寝泊まりする部屋で、ベッドと机、トイレとシャワーもあり、ビジネスホテルのよう。

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食堂は、夜食も含めて1日4食が無料で食べ放題。前菜は合鴨のロース、メインは揚げたてのとんかつや肉厚のステーキで、フルーツも盛りだくさんだ。
娯楽施設も充実していて、シアタールームの隣には卓球台。フィットネスジムまで完備されている。

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9月6日、午前5時。6枚の羽と2本の柱を載せて「BLUE WIND」が出港した。
乗り込んだスタッフは約120人で、スペインの風車メーカーのエンジニアも乗船している。

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午前7時、現場に到着。ここで船を固定させるため、4本の脚を海底に突き刺す。目指すは水深22メートルの海底だが、想定以上に地盤が柔らかく、なかなか船を固定することができない。4時間の予定が約15時間にも及び、ようやく船を固定することができた。風車の設置作業は、翌日に持ち越すことに。

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翌朝5時半。早速定例会議が始まるが、垣谷さんの姿が見当たらない。心配になった棚橋さんが垣谷さんの部屋を訪れ、呼びかけるが、ノックをしても無反応だ。一体何が起きたのか――。果たして、洋上の風車を無事に完成させることはできるのか。

風の力で水素を作って航行する「ゼロエミッション船」に挑む!


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大海原を進むのは、2022年に海運大手の商船三井が造った大型輸送船「松風丸」。特徴的なのが、船の先端に取り付けた帆。実はこの船、海に吹いている風を船の推進力に変える次世代の帆船なのだ。帆の高さは最大53メートルで、センサーが風向きや風速を検知。効率よく風を受けることで、温室効果ガスの排出を最大8%削減できるという。そして、この帆船がさらに進化しようとしていた。

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たくさんの帆を搭載したこちらの船は、世界初となるゼロエミッション船。なんと船内で、次世代エネルギーの水素を作り出そうとしていた。
風の力で進んでいる時は、水中のタービンを回して発電、水を電気分解して水素を作る。風が弱い時は、船内に貯めた水素から電気を作り、船を進めることができるという。
商船三井 技術研究所の島健太郎所長は、「風は無尽蔵にそこらじゅう吹いている。エネルギーを吹きさらしにして、地球上をぐるぐる回っている。それを使わない手はない」と話す。
将来は、船で作った水素を地上に供給する計画で、今、風をエネルギーに変える取り組みが広がっている。

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