金の価格が20年前の約10倍に 海やパソコンから金を採取!ゴールドハンターに密着:ガイアの夜明け


8月30日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「令和のゴールドラッシュ!~黄金の国よ再び~」。
株価が大きく揺れる中、安全資産とされる「金」に注目が集まっている。金の価格は20年前の約10倍に上昇し、世界の株価上昇率を大きく上回っている。国際基準の50メートルプール3杯弱しか採掘されていないといわれる世界の金だが、日本には、世界有数の金資源が活用されないまま眠っているという。独自の技術で金を採りだす、現代のゴールドハンターに密着した。

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驚きの技術で海に眠るゴールドを! 近海での実験をガイア独占取材


人類が初めて金を手にしたのは、今から約6000年前といわれている。しかし、これまでに採掘された量はわずかで、その希少性の高さから、世界で争奪戦が繰り広げられている。
そうした中、日本の技術で新たな鉱脈をつかもうとする人々がいた。

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日本一酸性が強い泉質で、古くから本格的な湯治場として知られる秋田・仙北市の玉川温泉。その温泉から、世界で初めて金を採りだした研究チームがいる。そのひとりが、日本屈指の製造会社「IHI」主任研究員・福島康之さんだ。

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一般的には、マグマに含まれる金が熱水に溶け出し、長い年月を経て地表近くで見つかるのが金の鉱脈と考えられているが、研究チームは“同じマグマ由来の温泉からも金が採れるのではないか”と考えた。試験の結果、福島さんたちは、金鉱山で採掘するよりも高い濃度で金を回収することができた。

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成功のカギは、独自に開発し、特許を取得した黒いシート。IHI技術開発本部にある実験室には水や海水で育つ藻の一種「ラン藻」が並んでおり、これが黒いシートの素だという。

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この藻には液体の中にある金を吸着する性質があり、金が溶けた溶液の中に黒いシートを入れると、約1週間で液体が透明に。金がすべてシートに吸着されたため、透明になったのだ。「金に反応して回収できるのがユニークな点。金には黄色のイメージがあるが、金ナノ粒子はすごく小さな粒子として析出して、赤い色に見える」と福島さん。

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この大きさのシート50枚分を燃やすと、これだけの量の金が採れる。

伊豆諸島・青ヶ島の沖合では、2021年から大規模な金の回収試験が行われてきた。水深700メートルの場所に金の含有量が多い熱水が噴き出ており、そこに、福島さんが開発したラン藻シートを沈めた。一連の試験は、IHIが海洋研究開発機構と共に行っているが、一番のネックがコスト。深海はたどり着くまでに莫大なコストがかかり、今の時点では採算が合わないのだ。

福島さんは、東京大学大学院で主に半導体の研究をしてきた。2013年に入社したIHIは、年商1兆3000億円を超える巨大企業。2016年、福島さんは新規事業として会社に提案し、金を回収するプロジェクトをスタートさせた。
原点は、中学生の頃に読んだ本。「海水に50億トンの金が溶けているということが書いてあり、『すごいじゃん』と印象に残った。『回収しようと思えばできるんだ』と、ずっと引っかかっていた」と話す。

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この日、福島さんが向かったのは、研究所のすぐそばにある岸壁。港湾局などの許可を得て、この場所にラン藻シートを沈めたが、今回1年ぶりに引き揚げるという。もし身近な海から手軽に金が採りだせるとしたら、大変な発見だ。この技術が確立すれば、島国日本に再びゴールドラッシュがやって来るかもしれない。果たして、その第一歩となるのか……。

金の“日本ブランド”が海外を席巻「すごく楽に売れる」


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6月。香港で、96の国と地域から2万2000人余りのバイヤーが参加する宝飾品の展示会「Jewellery & Gem ASIA Hong Kong」が開催された。その一角にある「JAPANパビリオン」には日本から209社が出展し、会場で一番バイヤーを集めていた。扱うのはメード・イン・ジャパンの宝飾品ばかりで、飛ぶように売れていく。中国本土のバイヤーは「安いのに品質がとても良く、お客に大人気」と、商品を選んでいた。

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中でも人気を集めていたのが「ジャパンオークションハウス」だ。親会社は、東京・御徒町の一角にある「リッチダイヤモンド」。インド人の社長、アヌプ・アガルワルさんは、「日本はいいブランド、真面目な国。私たちが海外で商品を売る時、すごく楽に売れる。信用されている」と話す。
1989年、20歳のアヌプさんは、バブルだった日本で一旗揚げようと来日。2年後、インドから宝石を輸入し、日本で販売する会社を立ち上げた。しかし、2000年代の日本市場の冷え込みを受け、輸出業にくら替え。今度は日本の宝飾品を海外に売ると、これが大当たりした。

以前は海外のバイヤーを相手に、頻繁にオークションを開催していたが、4年前、コロナ禍に入ったのを機に、オンラインオークションに。現物を確かめてから買うのが当たり前だった宝飾品の世界が、一変したのだ。

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そのためアヌプさんは、一式約1000万円する撮影機材を導入。一つの商品につき、360度あらゆる角度から450枚もの写真を撮り、サイトに掲載している。ルーペ機能もついているので、肉眼では見えない傷も確認できる。アヌプさんは「スピーディーにできる。物が見えるし、自分の好きな時間帯に買えるから、(取引量は)すごく増えた。何十倍になった」と話す。

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この日、大手買取専門店「福ちゃん」の担当者が、客から買い取った金の宝飾品を、アヌプさんに売りに来た。昭和の時代に日本で作られ、日本人が買っていた商品が、今、大量に売りに出されている。アヌプさんはこれらの商品を、海外で売るのだ。
「福ちゃん」を運営する「リゲート」の福島道子社長は、「年齢が高くなると、宝石を身に着けて出かける機会が減る。『ずっと使っていない』というお客さんが多い。ちょうど(金の)相場も上がっているので、売却するにも良いタイミング。昔買った人は、かなりお得」と話す。

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買い取ったのは何十年も使われた古い品で、あちこちに傷が目立つが、アヌプさんはなじみの工場を訪れ、この道34年の職人、山本順一さんに託す。山本さんが根気よく、約3時間かけて磨いた宝飾品は、すべてピカピカに。「金の特徴。表面だけは酸化してしまうが、手を加えれば元通りになる」(山本さん)。たんすの肥やしになっていた金は、ニッポンの職人の手によって新品同様の輝きを取り戻した。

アヌプさんの秘策はこれだけではない。リッチダイヤモンドのオフィスには、月に数回、大勢の外国人が集まってくる。彼女たちは在庫の中から真剣に宝飾品を選び、机の上にスマホをセットするが、一体何が始まるのか……。

家庭の半数に眠るパソコンから、金がザクザク!


日本がメダルラッシュに沸いたパリ・オリンピック。フェンシング男子 フルーレ団体で日本初の金メダルを獲得した松山恭助選手が投稿したSNSが波紋を呼んだ。金メダルの写真をアップし、「傷はあんまりついてないけど、なんか少しはげてきてる??」。メダルの劣化が話題になる中、改めて注目されたのが、東京オリンピックの金メダルの輝きだった。
メダルの原材料は、パソコンや携帯電話から集められた金。その旗振り役を担ったのが、「リネットジャパングループ」黒田武志社長だ。

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黒田さんは10年前、日本で初めて政府のお墨付きを得て、家庭からパソコンなどを無料で回収するリサイクル事業を始めた。その回収台数は、今や年間100万台以上。パソコン1台につき、2~6時間かけてデータを消去し、その後1台ずつ手で解体する。
作業するのは、軽度の知的障害がある鈴木さんたち。入社4年目の鈴木さんは、1日8時間で100台以上を解体する。

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「CPUに金がたくさん入っている」と黒田さん。丁寧に分解することで、98パーセント再資源化、年間約52キロ分の金を含んだ原材料が手に入る。そしてその原材料は提携する業者に送られ、抽出した金を精錬会社に販売。純度の高い金として生まれ変わるのだ。

黒田さんは「日本は資源がない国と言われるが、都市鉱山は資源大国並みに眠っている。家庭のもの、社会に眠っているものを掘り起こしていくことで、日本は都市鉱山の資源大国になっていける」と話す。そんな黒田さんのもとに、あるオファーが届く。そこには、新たな鉱脈が広がっていた……。

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