壮絶な奪い合い…世界が恋する日本の中古品:ガイアの夜明け

9月13日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「世界が恋する中古品~リサイクル革命へ~」。
中古品の売買が活況だ。今では「ユーズド・イン・ジャパン」が世界の注目の的で、「品質が良い」「丁寧に使われている」「しかも安い」と大人気。中でも、昭和の家電が海外で驚きの値段になっていた。日本人の想像を絶する“すさまじい獲得競争”を独自取材した。

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日本の中古品を奪い合う外国人バイヤー


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埼玉・東松山市。以前ホームセンターだった大きな建物で、月に5回「浜屋オークション」が開催されている。会場で目立つのは、東南アジアをはじめとする外国人バイヤー。
1548キログラム分のぬいぐるみの競りが始まると、「25万円!」「26万円!」と徐々に値段がつり上がる。どんなぬいぐるみが入っているかも分からない状態だが、最終的には27万円で競り落とされた。

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次に出品されたのは、昭和の時代、銭湯でよく見かけた背の高い扇風機。さびだらけで「ナショナル」と書かれたこの商品は、パキスタン人のバイヤーが4万円で競り落とした。
彼は他にも落札していて、「全部ナショナル。ドバイのお客さんのために買った。使える、使えないは分からない、関係ない」と話す。

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このオークションを主催しているのは、中古家電輸出の最大手「浜屋」。店先にはいつも廃品回収業者の車が列をなし、業者が一般家庭などから引き取った不用品を、最終的に買い取っている。
さらに、業界最大手「サカイ引越センター」とも業務提携。引っ越しの時に出る不用品も同様に買い取る。こうして集まった中古品を、オークションに出品しているのだ。
この日のオークションであるタイ人のバイヤーが買った総額は、約406万円。彼らはなぜ、日本の中古品を買い漁るのか。

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7月。タイ南部にあるハートヤイ。人口約15万人、日本では「ハジャイ」という名で知られる観光都市だ。
取材班が訪れたのは、浜屋のオークションに参加していた女性が経営する店。レトロな扇風機(約1万2500円)やぬいぐるみ(約100〜900円)、標識(約1700円)まで、所狭しと日本の中古品が並ぶ。

朝8時30分、すでに店の前には大勢の人が。この日は1カ月に1度、浜屋から届いた商品が店頭に並ぶ初日。SNSで告知すると徹夜組が出るほどの人気で、常連客も多い。

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店のシャッターが開くと同時に客が走り出し、お目当ての品へ一目散。我先にと奪い合う。
コスプレ姿の男性は玩具を掲げ、「ゲキレンジャー、ゲキトージャ。これが一番欲しいやつ」と興奮気味に話す。手にしたのは、20年前の特撮モノの変身グッズ(約2万3000円)。
タイでは今、日本の昭和レトロブームが起きており、昔のアニメやドラマに憧れを持つ若者も。
中古の工具も「日本で使われていたものなら…」と大人気。ある男性は、工具の汚れやサビをきれいに落として転売すると話す。

この日だけで、店の売り上げは約170万円以上。浜屋で少々高く仕入れても、十二分に元が取れる計算だ。
こうした爆買いの背景にあるのが、日本の商品に対しての割安感。タイの通貨バーツは、円安もあって急上昇している。

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次に取材班が向かったのは、バンコクから車で1時間のバンポン郡。大通り沿いにある店には、日本語で「リサイクルショップ」と書かれたのぼりが立っている。2週間後にオープン予定の店には浜屋で400万円以上使った女性の姿が。買い付け担当としてオークションに参加していたのだ。
オーナーのチャンヂラさんによると、この店の特徴は、商品を一つ一つ整然と陳列していること。日本のリサイクルショップを見習って、新品同様にきれいにしている。
家具専門の2店舗目も準備しているチャンヂラさんは、「できればジャパンタウンをつくりたい。ここを全部、日本のリサイクル商品の店にしたい」と笑顔で話す。

東京ドームの広さに全20店舗 “ニッポン中古店”驚きの戦略!


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バンコク郊外にあるショッピングモール「マイアミ・ベイサイド」は、東京ドームとほぼ同じ広さで、家具や洋服などを扱う20店舗が入っている。売っている商品は、全て日本の中古品という変わったショッピングモールだ。

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全ての店を経営するのが、「ギークスリテイリング」の矢内祥一郎さん(47)。新入荷の日、外では大勢の人が待っていた。
開店すると、例によってお客がなだれ込んでくる。やはりここも早い者勝ちだ。
矢内さんは争奪戦になる理由を、「ユーズド・イン・ジャパン」への高い信頼と「ニッポンブーム」にあると分析する。

元々親日国のタイからは、年間130万人(2019年度)もの観光客が日本を訪れる。リピーターも多く、日本の良さを知る人が多いのだ。
コロナ禍でタイの人たちが日本に行けなくなった際は、国内に日本の街を再現した施設がオープンし、にぎわいを見せた。こうした施設には、日本の中古品がたくさん使われていたのだ。

「全くのド素人で始めてしまった」と笑う矢内さんだが、このショッピングモール以外にも、タイ国内の5カ所でお店を展開。矢内さんはどうやって成功を収めたのか、その秘策とは……。

浜屋の“特命班”が挑む! モンゴル草原の資源回収大作戦


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海外で激しい争奪戦が繰り広げられている「ユーズド・イン・ジャパン」の商品。
これにいち早く目をつけたのが、中古家電輸出の最大手「浜屋」(埼玉・東松山市)の小林茂社長(70)だ。1991年に「浜屋」を創業し、「常時40カ国以上は輸出している」と話す。
きっかけは、鉄のスクラップを扱っていた30年以上前。コンテナの隙間に日本の中古家電を詰めてアフリカに送ったところ、瞬く間に売り切れたという。
2004年、ガイアはすでに小林さんを取材していた。

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当時の浜屋の主力商品は、オーディオ機器。浜屋を出たコンテナを追ってみると、たどり着いたのはアフガニスタンの町で、500軒ほどの店が軒を連ねる家電マーケット「アフガンの秋葉原」ができていた。ここで売られていた商品の大半が、浜屋が送った家電。小林さんは自ら足を運んで、輸出する国を広げていた。

浜屋のモットーは「『もったいない』を広めよう」。今や世界が一目置く企業になり、「SDGs AWARD2023」で「SDGs推進ベスト企業賞」を受賞した。
社員数 約420人、売上高 176億円。日本の中古品を世界に売ってきた浜屋が、“時代の寵児”へと躍り出たのだ。

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さらに2年前、本社の近くに新設した「東日本マテリアルセンター」では、廃棄パソコンなどの基板を分解する作業を進め、貴重なレアメタルを再生。都市鉱山の発掘にも乗り出した。

そんな浜屋が新たに挑むのが、モンゴルを舞台にした大事業だ。モンゴルの国土は日本の約4倍で、人口は約345万人。経済成長率は7パーセント(2023年)で、首都ウランバートルには高層ビルが立ち並ぶ。

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5月下旬。浜屋の特命班で元自衛官の嶋田雅一さん(41)は、ビジネスパートナーのモンゴル人、ボルドバータル・バタザヤさんとともに家電修理店に向かった。バタザヤさんはモンゴル陸軍の出身で、政財界にパイプを持つ、やり手の実業家だ。

モンゴルでは、修理できない家電は店に置いていく。店は使える部品だけを取り出し、後は廃棄してしまうのだ。修理に来た客に話を聞くと、壊れた家電は店に渡すか、ごみ捨て場に捨てるという。
市民が使うごみ捨て場をのぞくと全く分別しておらず、週3回、作業員が手作業で収集車にごみを押し込んでは、処分場へと運ぶ。

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ウランバートルの中心地から車で1時間。この日、嶋田さんたちがやって来たのは、ごみだらけの広大な場所。ごみ収集車は、頻繁にここへやって来てはごみを捨てていく。
モンゴルには、日本のようなごみ焼却場は一つもないため、ウランバートル市内のごみのほとんどが、こうした形で捨てられている。

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しかし、見る人が見れば、これは“捨てられた宝の山”。広大な敷地に降り立ち、何かを探してごみ捨て場を歩き回る嶋田さん…。果たして、浜屋の小林社長がモンゴルで仕掛ける新たな大事業とは――。

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