キノコが肉に!“完全植物由来”のラーメンも!インバウンドが衝撃を受ける「代替肉」の現在地:ガイアの夜明け


2月7日(金)に放送した「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「もう代替とは呼ばせない!ラーメン・肉…“味”で勝負!~」。
世界の人口が急増する中、2050年には食肉の半分を植物由来の代替肉が占めるという予測がある。しかし、国内の市場を見ると足元では停滞気味、その背景にあるのが味と価格だ。もう代わりと言わせない!味を追求し、市場の拡大に向けて新たな商品開発に挑む企業の姿を追った。

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焼肉店が開発した‟肉を超える肉”とは!?


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徳島市内の繁盛店「焼肉 天山閣」の自慢は、淡路牛。そして、牛肉に負けない人気料理が、「揚げ餃子」と「ハンバーグ&ステーキビビンバ」だ。餃子とハンバーグに使っているのは「NIKUGOE(肉超)」と名付けた代替肉で、地元特産の雑穀「タカキビ」を肉の代わりに使っている。「お肉と思って食べてしまう」「お肉じゃないの? 」と客の評判も上々だ。
徳島や岩手で採れるタカキビから代替肉を作ると、脂が減って栄養価が高いヘルシーな料理になる。

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「肉超餃子」は、2024年「ジャパン・フード・セレクション」で、代替肉の食品としては初のグランプリを受賞。だが、開発した「ふじや」の鍛谷 徹社長は、「国内の代替肉、プラントベースフード(植物由来食品)の市場は、なかなか思ったように成長しない。肉超は、肉よりもおいしくて栄養価がある。その2つをお客様に分かっていただくよう努力していく」と話す。

しかし、スーパーで消費者に話を聞くと「代替肉だからというのが頭にあって、食べたことがない」「普通に肉を食べたいから食べない」と厳しい声が。売る側と買う側の意識にギャップがあり、だからこそと、開発者たちは燃えていた。

マイタケから肉を作る! 課題は食感…開発現場に密着


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新潟・南魚沼市。マイタケの生産量で国内シェア5割以上を誇るトップメーカー「雪国まいたけ」の本社では、2年越しの商品開発が進んでいた。「雪国まいたけ」は1983年に創業し、世界で初めてマイタケの量産に成功している。

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開発中の新商品は、マイタケを使った代替食品。当初、会社的に積極的ではなかったが、研究開発室長の加藤真晴さん(50)が押し切った。
「残念なことに、キノコは秋冬しか食べない。何か(代替)食品を作れば日常的に食べられるのではないか、もっと違う可能性があるのではないかと経営層に発信していった」。

天候に左右されず、安定供給ができるマイタケは、日本の食糧事情を変える可能性があるという。マイタケはキノコの中でも飛び抜けてうま味が強いため、鉱脈があると考えた加藤さん。一般に売られる代替肉は大豆が主流だが、食感や風味で消費者の好みが分かれるため、マイタケにチャンスがあると踏んでいた。

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すでに味の手応えは得ていた。マイタケのうま味に複数の調味料を組み合わせると、牛や豚に対抗できることが分かったのだ。
しかし、ハンバーグを試作したところ、焼いてもやわらかいままになってしまうという大きな課題が。食感も「ハンバーグではない。これは厳しい」と加藤さん。
やわらかくなってしまう原因は、マイタケが持つ酵素にあった。マイタケを具材にして茶わん蒸しを作ると、酵素がたんぱく質を分解して卵の凝固を妨げる。ハンバーグもそれと同じで、酵素の作用で食感が失われたと考えられる。

別の食品メーカーで働いていた加藤さんは、5年前「雪国まいたけ」に転職。
「子どもの頃から食糧問題に興味があったので、そこに貢献できる仕事がしたいと思っていた。食品の企業は、ほとんどが原料を輸入に頼っている。当社は食品の原料自体を作っているので、非常に魅力を感じた」。

マイタケの人工栽培に不可欠なのが「おが粉」で、マイタケはこれを土台に成長する。
大量生産・安定価格をかなえた日本の技術。加藤さんは「原材料はおが粉も水も(ほとんど)国産なので、輸入に頼る必要がない。マイタケで代替肉を作れば、問題が起こった時の救世主になり得る」と話す。
日本の食料自給率は38パーセント(カロリーベース)という低さだが、マイタケはその救世主になり得るのか。

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マイタケミートを作るには、固まる方法を見つけなければならない。試行錯誤を続け、見えてきた鍵は温度だった。マイタケを90℃以上の高熱で蒸し、さらに企業秘密の一工程を加える。この加熱マイタケを使って茶わん蒸しを作ると…しっかり固まったのだ。

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同じものを使って再びハンバーグを作ると、箸で持てる硬さになり、しっかりとした食感が残っていた。そのかみ応えを計測すると…驚いたことにマイタケミートは肉と近い数値を記録したのだ。

だが「おいしさ=売れ行き」ではないのがこの世界。試食した営業本部長の諸澤慎二さんは味については及第点を出したが、「事業性としてどうなのか。営業としては、青果売り場で売れる商品を開発してもらいたい。ハンバーグは青果売り場に置けないので、商談に持っていくと、バイヤーに『ハンバーグは他の部門じゃない?』という話になると思う」と課題を突きつける。

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スーパーに行ってみると、大豆ミートが置かれていたのは、肉のイメージとは縁遠い乾物売り場だった。マイタケミートを青果売り場に置いてもらうにはどうすればいいのか…加藤さんが出した答えとは――。

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「‟動物性原料ゼロのご当地ラーメン」で白馬村の課題を解決する!?


肉を食べない、食べられない外国人にどう応じるか。インバウンドで活況の日本は、対応を迫られている。
今や世界で指折りの人気スキー場となった長野・白馬村でも、彼らの胃袋をどう満たすかが大きな悩みになっていた。白馬村の観光客数は約271万人(2024年)と、過去15年で最多を記録。待ったなしの状況に、白馬村の観光局はその道のプロに対策を委ねていた。

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ビーガンを始めとする肉や魚を食べない人たちは、外国人観光客の中でも年々増えている。彼らのための食品開発を依頼されたのは、「不二製油」風味基材事業部の福嶋俊之さん(36)。「不二製油」(大阪・泉佐野市)は、50年以上前に大豆の搾りかすから大豆ミートを開発したパイオニアで、シェア5割以上を誇る国内トップメーカー。この本物さながらの“焼き鳥”の肉も、「不二製油」の大豆ミートが使用されている。

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福嶋さんが2週間かけて決めたメニューは「とんこつ風ラーメン」。豚肉や豚骨などの動物性原料を一切使わずに作るつもりだ。
福嶋さんは以前、別の会社に勤めていたが、子どもが生まれたことを機に、2年前に転職した。
「カツオや煮干しがとれなくなって、未来に何が起きるか分からない。次の世代につなげていくことはすごくやる意味があるし、やらなきゃいけないことだと思う」。

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健康にも環境にもいいとされる大豆ミートだが、売り上げはここ2年、頭打ちだった。
そうした中で生まれたのが、植物性のだしの素「MIRA-Dashi(ミラだし)」。独自のノウハウでさまざまな食材を組み合わせ、動物性原料ゼロのだしが完成。大豆ミートなど、植物性食品と組み合わせて使うことで、食品の満足感もアップする。福嶋さんはこのだしを使って「とんこつ風ラーメン」に挑む。
満足感があり、飲み干せるスープ…さらに地元らしさも欲しいと考えた福嶋さんは、白馬きっての中華料理店「白馬飯店」の料理長・阿部剛士さんの協力を仰ぐことに。

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阿部さんは海外修行も積んだ腕利きで、福嶋さんが試作した「とんこつ風ラーメン」を食べると、「足りないのは、たぶん香り」とアドバイス。一方「MIRA-Dashi」の使い勝手を高く評価し、「(だしをとるのは)大変。パッと溶かして使えるのがいい。人手不足で“レストランを続けられない”と思ったことが何度もある。未来を救う一つになる」と思いを伝えた。

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目指すのは、動物成分ゼロで白馬村らしさがあるラーメン。そこで2人は、地元食材で香り不足の解決を図ることに。
道の駅で阿部さんが「スープのアクセントになるかも」と勧めたのが、「クロモジ」という植物。爽やかな香りが特徴で、枝は和菓子に添える楊枝になる。さらに福嶋さんが手にしたのは「高野豆腐」だ。
福嶋さんの好奇心と阿部さんの知識が融合し、買い集めた食材は40種類以上。これを一つずつ確かめていくが、“香り不足”の解決策は見つかるのか――。

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