【独占】「ジャングリア沖縄」誕生の舞台裏 プレオープンに密着:ガイアの夜明け


7月25日(金)に放送した「ガイアの夜明け」のテーマは、「沖縄に新市場をつくる!~密着3年 ジャングリア~」。

【動画】「ジャングリア沖縄」誕生の舞台裏 プレオープンに密着

「西武園ゆうえんち」をはじめとしたレジャー施設の再生を手がけてきたマーケティング集団「刀」。USJをV字回復させたことで知られる森岡 毅さんが率いる会社だ。停滞するニッポン経済、そして地方の復興を目指して、いま各地でテーマパークの開発に力を注いでいる。
その本丸と位置付けるのが、7月25日に沖縄県北部に開業した「ジャングリア沖縄」。年間1000万人近い観光客が訪れる沖縄だが、その多くが那覇を中心とした南部に集中し、北部エリアは衰退の一途を辿る。世界からも客を呼べる唯一無二の観光ブランドを作ることで、新たな経済圏を生み出そうというのだ。密着3年の中で見えてきた、地域の期待と不安…。壮大な挑戦と、その知られざる舞台裏を伝える。

やんばるの自然を生かせ!巨大テーマパーク開発の舞台裏


ガイアの夜明け
7月25日、沖縄本島・北部にある人口9000人ほどの今帰仁村に、話題のテーマパーク「ジャングリア沖縄」が開業した。東京ドーム約13個分の敷地内には、自然と興奮をテーマにした22のアトラクションがある。

ガイアの夜明け
一番の目玉は、装甲車でジャングルを進み、さまざまな恐竜と出会う「ダイナソーサファリ」。そのクライマックスが、肉食恐竜・ティーレックスから逃げ回る興奮体験だ。
総事業費約700億円の巨大テーマパークだが、かつてこの場所はゴルフ場で、元の地形と自然を生かしてつくられた。

ガイアの夜明け
沖縄本島・北部に広がる大森林「やんばるの森」。一部は世界自然遺産に登録されているが、多くの固有種が息づくこの森では、手つかずの大自然を体感するアクティブな観光ツアーが行われていた。道中で待ち受けるのは天然のフィールドアスレチックで、滝に飛び込むなど、知る人ぞ知る沖縄の秘境を満喫できると人気を集めている。
そんな“やんばる”の自然をもっと身近に体感してほしいと考えてつくったのが「ジャングリア沖縄」だ。

ガイアの夜明け
ガイアは、その舞台裏を3年近くにわたって取材。仕掛けたのは、かつてUSJをV字回復させた森岡 毅さん(52)だ。森岡さんは、2017年にマーケティングのプロ集団「刀」を立ち上げ、コロナ禍には「西武園ゆうえんち」のリニューアルを支援。昭和の世界観が話題になった。
さらに去年、自ら世界初の没入体験型テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」(東京・お台場)を開業したが、客層の読み違えもあり、1年で業態転換。その結果、最終赤字になった。
「(世界初には)リスクがあって読み違いもある、それを学びに行っている。意味のないリスクを取ったらダメだが、将来につながるリスクをとっている。“超攻撃型ベンチャー”なので、新しい事業をつくり出すことに挑戦する」(森岡さん)。

そんな「刀」が沖縄の企業とタッグを組み、負けられない闘いに挑んだ。那覇などの南部に比べて、観光地が少ない北部にかつてない施設をつくり、新たな経済圏を生み出そうというのだ。

ガイアの夜明け
ジャングリアに隣接する名護市は沖縄北部の中核都市だが、商店街は活気を失っていた。北部には、ジンベエザメで有名な人気施設「沖縄美ら海水族館」があるものの、他に目ぼしいスポットがほとんどないため、大半の観光客はそのまま那覇方面へと戻ってしまう。名護から北を訪れる観光客のうち、宿泊する人は3割に満たないというデータも。
「ポテンシャルが生かされていない。べらぼうな伸びしろがあると思っている。アジアの中で最もパワフルな観光ブランドをつくれるはず」(森岡さん)。
プロジェクトに出資した「オリオンビール」をはじめ、地元も大きな期待を寄せる。
「ジャングリア沖縄」を運営するのは、「ジャパンエンターテイメント」。森岡さん率いる「刀」が立ち上げた会社だ。従業員は地元の人を中心に1300人。森岡さんは、地域の雇用の受け皿にもなりたいと考えている。

ガイアの夜明け
新卒一期生として13人を採用。その中には地元・今帰仁村の出身者も…。
上間来夢さん(22)は中学まで今帰仁村で過ごし、高校は航空業界を目指して県外の学校へ。卒業後はアメリカに留学したが、ジャングリアができると聞き地元に戻った。
「沖縄に行った友人に『どこへ行ったの?』と聞くと、那覇や国際通りという声がすごく多い。“絶対に沖縄・今帰仁村を盛り上げるんだ”という思いがだんだん強くなった」(上間さん)。

ガイアの夜明け
5月1日、いよいよジャングリア内で研修が始まった。上間さんが担当するのは、「ファインディング ダイナソーズ」というアトラクション。迷子になった赤ちゃん恐竜を、冒険を通じて探し出すというものだ。
1組8人のグループを案内し、ゴールに導くのが上間さんの役目。お客を楽しませるだけでなく、アトラクションの体験時間を正確に管理しなければならないなど課題は多い。新入社員の上間さん、地元への熱い思いを胸に課題を乗り越え、無事にオープンを迎えることができるのか――。

渋滞の不安を解消せよ!地域の暮らしを守る闘い


ガイアの夜明け
開業に向けて絶対に必要なのが、「地域の理解」。3月、「ジャパンエンターテイメント」の副社長・佐藤大介さん(50)は、ジャングリアに隣接する集落の一つ、中山区(名護市)を訪れた。佐藤さんは「三井物産」や「星野リゾート」を経て「刀」に入社。豊富な経験を買われて、地域と向き合う責任者を任された。

今回の住民説明会のテーマは、開業の進捗状況と交通対策。実は地域住民には、ジャングリアに対して、日に日に不満がたまっていた。不満の種は、「渋滞の懸念」。那覇方面から来る場合、ルートが限られていることが原因だった。
片側1車線の県道84号線は、県の協力もあり道路の拡張工事が進められていたが、普段から通勤時には渋滞が。開業からしばらくは1日の入場者数を制限するものの、住民の不安は拭えない。

「出入り口がふさがり出られないことが増えるから車の問題は非常に重要」「なぜ、県道沿いの住民に聞き取り調査をしなかったのか」「一番怖いのは環境の破壊とオーバーツーリズム。成功してほしいが、そのためには地域と向き合ってもらうことが必要」と、住民からは厳しい意見が飛びかった。

ガイアの夜明け
後日、佐藤さんの姿が沖縄本島・南部の糸満市にあった。専用バス「ジャングリア エクスプレス」を走らせる計画を進めていたのだ。那覇空港から1日12往復、周辺のホテルなどからも直通バスを運行させ、マイカー、レンタカーの利用者数を抑えたいという。

続いて向かったのは、ジャングリアから車で5分ほどの場所にある湧川区(今帰仁村)の建設会社。空いている敷地を駐車場にしてもらい、ここからジャングリアへバスでピストン輸送したいと考えていた。ジャングリアの駐車場よりも安くし、ここに車を誘導、渋滞を緩和する狙いだ。

ガイアの夜明け
さらに佐藤さん、渋滞緩和に向けた斬新な仕組みを考えていた――。

ジャングリアの風に乗れ!夫婦で描いたアセロラの夢


ガイアの夜明け
「ジャングリア沖縄」の誕生で、初年度の経済効果は約6500億円(関西大学 宮本勝浩名誉教授 大阪府立大学 王秀芳客員研究員による試算)に上ると見込まれている。これは、地元にとっても大きなチャンス。

ガイアの夜明け
ジャングリアの西側に位置する本部町。ジャングリア開業を追い風にしようと奮闘するのが、アセロラの生産・加工販売を手がける「アセローラフレッシュ」社長の並里康次郎さんだ。並里さんは、観光客向けに新店舗をオープンしようと動いていた。
「沖縄美ら海水族館」に来た観光客の多くは、海沿いの国道を通って那覇方面に戻っていく。 並里さんは水族館とジャングリアで往来が増えそうな県道沿いに店を出すことにした。

ガイアの夜明け
店の名物は、自慢のアセロラを使った「アセローラフローズン」。ビタミンCとポリフェノールが豊富で、爽やかな酸味が特徴だ。ビールとアセロラを合わせた「アセローラビア」も。

ガイアの夜明け
満を持しての新店オープン。誰よりも張り切っているのが、会社の創業者で、並里社長の母でもある哲子さん(67)。哲子さんは、ブラジル生まれの日系2世。琉球大学農学部で本部町出身の夫・康文さんと出会い、結婚。夫婦で「アセローラフレッシュ」を立ち上げた。
「主人の学生時代の夢。自分の故郷に、サトウキビにかわる新しい産業をつくりたい」(哲子さん)。
重労働の割に収入が低いサトウキビ。一方アセロラは春から秋にかけて何度も実をつけるなど、効率のよい農産物。哲子さんたちはその可能性を説いて回り、協力農家を増やしていった。
しかし、志をともにしてきた夫は、16年前に道半ばで他界。哲子さんも去年、脳卒中で倒れ、体が不自由に。そんな中、沖縄産のアセロラを一人でも多くの人に知ってもらう千載一遇のチャンスが訪れたのだ。「ジャングリアの勢いに乗って、私たちも世界に羽ばたく」(哲子さん)。

ガイアの夜明け
7月19日、完成した新店舗を訪れた哲子さんの目に涙が…。突然の涙のワケとは――。
さらに番組では、「ジャングリア沖縄」プレオープンの様子も伝える。

この放送が見たい方は「テレ東BIZ」へ!
※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。
x
x