VHSが見られなくなる?「2025年問題」でダビング依頼が殺到!MIXIが仕掛ける世界2700万人が利用するアプリとは?:ガイアの夜明け


ガイアの夜明け
10月3日(金)に放送した「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「“家族の思い出”争奪戦」。
私たちの貴重な思い出が詰まったVHSテープや8mm フィルム。これらが2025 年を境に見られなくなる可能性が高まる「2025 年問題」。ユネスコが警鐘を鳴らしたこの問題を受け、家族の思い出をデジタル化しようとする人々が急増。しかし、デジタル化された膨大な「思い出データ」は、どこに保存すべきなのか? GoogleやAmazon といった海外の巨大IT企業がクラウド市場を席巻する一方、国内SNSサービスのパイオニア「MIXI」が作り出した独自サービスが人気を博していた。「家族の思い出」を残したい人々と、それをビジネスチャンスと捉える企業の挑戦、さらには「思い出」を未来へつなぐための最新技術を取材。視聴者自身の「思い出の残し方」を改めて問い直す。

【動画】VHSが見られなくなる?「2025年問題」でダビング依頼が殺到!MIXIが仕掛ける世界2700万人が利用するアプリとは?

まもなくタイムリミット!? “家族の思い出”を救え!


ガイアの夜明け
今年に入り、売り上げが急増している「パレットプラザ 蒲田店」(東京・大田区)。
写真のプリントや撮影がメインのチェーン店(全国162店舗)だが、客が取り出したのは、最近あまり見かけないVHSテープ。これをDVDにダビングして欲しいという注文が殺到しているというのだ。
料金は1本あたり2200円(9本まで)となかなかの値段だが、店員に聞くと「月に300本はくる」そうで、注文数は去年の3倍以上に上る。

ガイアの夜明け
発端は、ユネスコが発表した警告「マグネティック・テープ・アラート」で、磁気テープの劣化により、2025年頃を境にVHSなどが見られなくなる可能性が高まるという。

ガイアの夜明け
30年以上前の思い出のテープを7本持ち込んだ田中惇子さんは、9月上旬、「パレットプラザ」で出来上がったDVDを受け取った。
早速、家族が集まり鑑賞会がスタート。過去のカラオケ大会や七五三の時の様子がテレビ画面に映し出され、田中さんの母親は「子どもが小さい時や田舎の様子、こういうこともやったなと思い出した」と懐かしむ。田中さんも「子どもたちと一緒に映像を見ることができて、いい思い出になった」と笑顔に。

ガイアの夜明け
「パレットプラザ」と提携しているダビング工場「カラーズ」(名古屋市)には、毎日、全国各地から大量のVHSテープが運ばれてくる。生産管理部長の山田裕一郎さんは、「今までにないくらいの量が来た。特に3〜4月は1カ月で6万本(ダビングした)」と話す。
この工場には、ビデオデッキが150台、8ミリビデオなどのカメラが80台、フィルム用の映写機が12台あるが、多くのダビング機器がフル回転していた。
ここ数年、このようなダビング業者が増えているという。

MIXIの挑戦!日本発の人気アプリ「みてね」の実力は?


一方、“家族の思い出”を手軽に残せるサービスがある。
東京・練馬区に住む飯田さん一家。去年11月に長女・瑚采(こと)ちゃんが生まれ、飯田さんは毎日写真を撮るのを楽しみにしている。

ガイアの夜明け
飯田さんが愛用しているのが「みてね」というアプリで、撮った写真をアップすると、写真が月ごとに自動で整理され、アプリに招待した家族や親戚とすぐに共有できる。閲覧履歴が残り、アプリ内でコメントのやり取りも可能。
飯田さんは、「一気にみんなに見せられる。家族LINEは自分の家族と義理の家族に分かれているので、(義理の家族は)私に『送って』とは言いづらいだろうし…。そういうことがないので良い」と話す。
「みてね」は、写真が無料で載せ放題。動画のアップも2分まで無料だ。

ガイアの夜明け
2015年にサービスを開始した「みてね」は、家族に特化した使い勝手の良さで、累計利用者数は世界で約2700万人。2023年には、子どもが生まれた家庭の約6割が利用している。
このサービスをつくったのは、1997年に創業した「MIXI(ミクシィ)」(東京・渋谷区)。MIXIは、2004年に日本で最初のSNSサービス「mixi」の運営を開始。創業者の笠原健治さん(49)が28歳の時に立ち上げた会社だ。
今では、スマホゲーム「モンスターストライク」やAIロボットの開発など、次々と事業を拡大し、売上高は1548億円(2025年3月期)。笠原さんは、「みてね」を次なる事業の柱にしようと考えていた。

ガイアの夜明け
「ニーズは万国共通だと思っていて、子どもが生まれてうれしいのは、どの国においても同じ」(笠原さん)。「みてね」は、175の国と地域で利用されている。

ガイアの夜明け
多くの人は、“思い出”をどこに、どのように残しているのか。街で話を聞くと、ほとんどの人が海外企業のクラウドサービスを頼っていた。
例えば「Amazon Photos」は、「Amazon Prime」の会員なら、写真の保存が無制限で無料。「Googleドライブ」は、最大15ギガまで無料と容量が武器だ。
「Apple」はiPhoneユーザーであれば、「iCloud」に自動でバックアップされるのが強み。それ以外にも、各社さまざまな有料プランをそろえている。

ガイアの夜明け
こうしたサービスを可能にしているのが、大量のデータを保管する巨大なデータセンターだ。法人での利用も含めると、「Amazon」「Microsoft」「Google」など、海外の巨大IT企業が6割以上のシェアを占めている(2025年第2四半期)。

しかし、クラウド市場に詳しい「三菱総合研究所」主席研究員の西角直樹さんは、この激しい競争の中で、MIXIにも商機があると語る。
「みてねと似たようなサービスはいろいろあるが使い勝手の良さがユーザーの支持を得ているように思う。規模だけではなく、違う領域で勝負をしていく。自分たちなりの付加価値の高いサービスを生み出して、海外に輸出すればいい」(西角さん)。

ガイアの夜明け
それでは、基本無料の「みてね」は、どんな付加価値をつけて収益を上げているのか。
アプリ画面の下にある「ストア」ボタンを押すと、子どもの写真をベースにつくったオリジナル商品がずらり。写真の保存を無料にしてユーザーを増やし、グッズ販売で収益化を図っていた。
例えば、フォトブックや動画をまとめたDVDなど、MIXIは「リアルな商品」を増やすことに、大きな商機があると考えている。
「手元にある安心感や存在感、閲覧のしやすさ。おじいちゃん、おばあちゃんが買っているケースもある。デジタルのサービスとアナログのフォトグッズの2本柱でいく」(笠原さん)。

だが今のところ、「みてね」の売り上げはMIXI全体の約15%。これを伸ばしていくことが、今後の課題だ。この課題解決の鍵を握るのが、総勢12人の「フォトグッズ開発チーム」を率いる開発責任者の稲場竜一さん(39)。9歳の息子をもつ父親でもある。

ガイアの夜明け
稲場さんは大学卒業後、同級生数人とアプリ開発の会社を設立。家族写真を使ったフォトグッズを次々と開発してきた。それらが笠原さんの目に留まり、6年前に「MIXIグループ」へ。
数々のアイデアのきっかけは家庭の中にあり、家庭の何気ない日常の中からヒントを得て
思いついたらサンプルをつくるのが稲場さん流。「みてね」のフォトグッズのほとんどが、稲場さんのアイデアから生まれている。

「『みてね』の中にある子どもの成長や家族のつながりなどは、コンテンツとしてまだまだ広がりがあると思うし、それらの形をさらに変えていくのは、とても面白い。可能性があると思っている」(稲場さん)。
「みてね」の収益向上のため、稲場さんは新たな商品開発に乗り出していた。今、空前のブームになっている“あのグッズ”をつくるというが、果たして――。

「思い出」を新たな形で残す!語り掛けるAI故人


ガイアの夜明け
一方、“家族の思い出”をつくり出す、かつてないサービスも。
2024年12月、静岡・三島市で変わった葬儀が行われた。98歳で亡くなった村川茂夫さんの葬儀で、祭壇のモニターに映し出されたのは、茂夫さんの「AIアバター」。茂夫さんの写真や音声をもとにAI映像を制作し、メッセージを伝える。

「皆さん、今日は私のために集まってくれて、本当にありがとう。みんなが私を思い出して送ってくれること、心からうれしく思います」。(AIアバターのメッセージ)

ガイアの夜明け
業界でいち早くこのサービスを導入したのが、「アルファクラブ武蔵野」(さいたま市)。
冠婚葬祭事業をメインに展開する、年商195億円の企業だ。
サービスの仕掛け人は、取締役の小川 誠さん。IT企業から3年前に転職し、冠婚葬祭ビジネスにAIを取り入れた。

「儀式屋として、どうお客様に感動をお届けするか。AIやデジタルを使って感動を提供できる。どんなに葬儀がコンパクトになったとしても、お客様に涙していただくという使命の中、サービスをリリースした」(小川さん)。

料金は、1分半までの動画で約10万円。それでも、今年のお盆は400件もの発注が来たという。番組では、AI映像の制作現場に潜入した。

この放送が見たい方は「テレ東BIZ」へ!
※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。
x
x