ドーナツだけでなく空間もデザイン!ドーナツブームをけん引する「アイムドーナツ?」:読んで分かる「カンブリア宮殿」
10月30日(木)に放送した「カンブリア宮殿」のテーマは、「ヒット連発の舞台裏”アイムドーナツ?”」。
【動画】常識を覆す驚きの発想力! ヒット連発の舞台裏
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東京・表参道界隈(かいわい)で最近よく見かける「?」のマークが入った紙袋。中に入っているのは「アイムドーナツ?」。SNSでドーナツや店の様子がアップされ、人気はどんどん広がっている。
「アイムドーナツ?渋谷」の店内ではカラフルなドーナツがそろってお出迎え。客は競い合うように次々とトレーへ載せていく。あっという間にケースが空っぽになった。
一番人気の「生ドーナツ プレーン」(237円)はトロッととろけるような食感。まるでクリームのような食感から生ドーナツと名付けられた。油で揚げてあるのを感じさせない軽い食感だという。
厨房(ちゅうぼう)をのぞくと、その生地はバターと卵をたっぷり使い、かぼちゃも練り込んである。
生ドーナツの生地はブリオッシュというフランスの代表的なパンがベースだという。その生地を高温の油で揚げると、これまでのドーナツにはない生のような食感が生まれる。
仕上げにきび砂糖をまぶして完成。「これ、本当にドーナツなの?」と首をかしげたくなる食感から、店名に「?」を付けた。
種類も豊富で、ラズベリー、カスタード、ピスタチオなど、どれも中に手づくりのクリームがびっしり詰まっている。
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2022年の1号店からわずか3年で国内外13店舗に拡大。2025年4月にはニューヨークにも進出と、快進撃を続けている。
〇ヒットの秘密1~写真を撮りたくなるデザイン
横浜市みなとみらいにオープンした新たな商業施設「横浜ティンバーワーフ」に「アイムドーナツ?横浜臨港パーク」が出店した。
オープン間近の店内では「アイムドーナツ?」を運営するpeace put(ピース・プット)社長・平子良太(42)が「お客さんが写真を撮るので、背景に余計なものが写らないように」と、陳列台の配置に気を配っていた。商品づくりから店舗のデザインまで、すべてを自ら行う。
「お店をつくるのが好きです。建物を見てからデザインを決めるので、毎回デザインが変わる」(平子)
オープンは2025年10月17日。店内では平子がこだわっていた陳列台にいろいろなドーナツが並んでいた。客たちが一斉にカメラを向け、まるで写真撮影会のようだ。買ったばかりの商品をさっそく撮影、その場でSNSにアップする客もいた。
平子は店ごとに雰囲気を変える。
2025年9月、京都市にオープンした「アイムドーナツ?京都」は宇宙をイメージした近未来的なデザインに。その店限定のドーナツも用意する。京都店の宇宙のイメージに合わせて青と白のチョコでコーティングした「スペイシーブルー」(367円)。味はもちろん、見た目でも客を楽しませる平子流の演出だ。
「『映える』という言葉はあまり好きではなくて、ただおいしそうに見せたいだけです。選ばれないと、食べてもらえないと味は分からない。毎日がオーディションのような感じです」(平子)
【動画】常識を覆す驚きの発想力! ヒット連発の舞台裏

SNSで話題!驚きの新食感~「生ドーナツ」拡大中
東京・表参道界隈(かいわい)で最近よく見かける「?」のマークが入った紙袋。中に入っているのは「アイムドーナツ?」。SNSでドーナツや店の様子がアップされ、人気はどんどん広がっている。
「アイムドーナツ?渋谷」の店内ではカラフルなドーナツがそろってお出迎え。客は競い合うように次々とトレーへ載せていく。あっという間にケースが空っぽになった。
一番人気の「生ドーナツ プレーン」(237円)はトロッととろけるような食感。まるでクリームのような食感から生ドーナツと名付けられた。油で揚げてあるのを感じさせない軽い食感だという。
厨房(ちゅうぼう)をのぞくと、その生地はバターと卵をたっぷり使い、かぼちゃも練り込んである。
生ドーナツの生地はブリオッシュというフランスの代表的なパンがベースだという。その生地を高温の油で揚げると、これまでのドーナツにはない生のような食感が生まれる。
仕上げにきび砂糖をまぶして完成。「これ、本当にドーナツなの?」と首をかしげたくなる食感から、店名に「?」を付けた。
種類も豊富で、ラズベリー、カスタード、ピスタチオなど、どれも中に手づくりのクリームがびっしり詰まっている。

2022年の1号店からわずか3年で国内外13店舗に拡大。2025年4月にはニューヨークにも進出と、快進撃を続けている。
〇ヒットの秘密1~写真を撮りたくなるデザイン
横浜市みなとみらいにオープンした新たな商業施設「横浜ティンバーワーフ」に「アイムドーナツ?横浜臨港パーク」が出店した。
オープン間近の店内では「アイムドーナツ?」を運営するpeace put(ピース・プット)社長・平子良太(42)が「お客さんが写真を撮るので、背景に余計なものが写らないように」と、陳列台の配置に気を配っていた。商品づくりから店舗のデザインまで、すべてを自ら行う。
「お店をつくるのが好きです。建物を見てからデザインを決めるので、毎回デザインが変わる」(平子)
オープンは2025年10月17日。店内では平子がこだわっていた陳列台にいろいろなドーナツが並んでいた。客たちが一斉にカメラを向け、まるで写真撮影会のようだ。買ったばかりの商品をさっそく撮影、その場でSNSにアップする客もいた。
平子は店ごとに雰囲気を変える。
2025年9月、京都市にオープンした「アイムドーナツ?京都」は宇宙をイメージした近未来的なデザインに。その店限定のドーナツも用意する。京都店の宇宙のイメージに合わせて青と白のチョコでコーティングした「スペイシーブルー」(367円)。味はもちろん、見た目でも客を楽しませる平子流の演出だ。
「『映える』という言葉はあまり好きではなくて、ただおいしそうに見せたいだけです。選ばれないと、食べてもらえないと味は分からない。毎日がオーディションのような感じです」(平子)
「生ドーナツ」誕生秘話~常に“新しさ”を生み出す
〇ヒットの秘密2~パンから生まれた驚きの新食感
生ドーナツが生まれたのは福岡市にある「アマムダコタン」という2018年に平子がつくった小さなベーカリー。天井にあるドライフラワーのオブジェも平子がデザインした。
店内にはさまざまなパンが並んでいる。毎日約120種類ものパンを手づくりしている。
この店はかつて、ブリオッシュに生クリームを挟んだイタリアのスイーツ、マリトッツォのブームの火付け役となった。

コロナ禍の2020年に平子がマリトッツォをこの店で出すと、全国で大ブームに。後を追うように、大手コンビニなどからも次々と発売された。
「僕はブリオッシュが大好きで、ブリオッシュを使いたいと思いました」(平子)
ブリオッシュの生地でオリジナル商品をつくれないかと考え続けていた平子。「アマムダコタン」の厨房にいたスタッフから「焼くのではなくて揚げてみたらどうか」と言われ、揚げてみたら皆、あまりのおいしさに驚いた。こうして生ドーナツは誕生した。

当初、生ドーナツはこの店の一商品だったが、平子は専門のブランドを立ち上げることに決めた。2022年、都内に1号店を出店すると、たちまち人気店となった。
「ブランドとして出店したのが大事だったのかなと。パン店の一商品のドーナツがどんなにおいしくても、あのまま続けていたらこんなに世の中に広がっていなかった」(平子)
〇ヒットの秘密3~人気商品の改良も恐れない
「アイムドーナツ?横浜臨港パーク」での平子の新たな挑戦は「生ナポリドーナツ」という新商品。ブリオッシュの生地を金網に乗せて、油で揚げずピザ用の窯で焼く。ピザといえばナポリ。だから「生ナポリドーナツ」というわけだ。この店の限定商品として発売された。

生ドーナツの進化はこれだけではない。かぼちゃなど旬の野菜を合わせてみたり、肝心のブリオッシュの生地そのものの改良もためらわずに行ったりしている。
「みんなが好きだと言って評価されている生ドーナツにメスを入れて変えるのは怖いこと。それでも変えていくのはとても大事なことです」(平子)
変化を恐れず、味を絶えず進化させ続ける平子。その信念が行列を生み続けているのだ。
「『今の自分たちよりいいものを』というのは店舗・商品をつくる時に思っている。常に新しいものを生み出すという気持ちでやっています」(平子)
7坪のパスタ店からスタート~ヒット連発の平子流経営術
平子のキャリアは料理人からスタートした。今もメニュー開発のほとんどを担い、厨房に立つことをやめていない。
高校卒業後、料理の道へ進む。厳しい修業を経て28歳で独立。2012年、福岡に小さなパスタ専門店、「ヒラコンシェ」を開店した。
「7坪の小さな店を50万円でつくり、一人でひいひい言いながらやっていました」(平子)
「ヒラコンシェ」はすでに閉店したが、福岡の中心部には平子の味を受け継ぐ店「シェゲン」がある。シェフは「ヒラコンシェ」の元スタッフ、梅田元さんだ。
平子のもとでつくった手づくりパスタは、大人気だった。しかし、やりたいことがあふれていた平子は、店を梅田さんに任せることにした。
「昔からのお客さんに、『味が変わらない』『平子さんと同じ味だ』と言ってもらえてうれしいです」(梅田さん)
平子が次にのめり込んだのはパンづくり。「パンストック」という福岡の人気ベーカリーの門を叩く。平子はこの店のパンが大好きで、中でもブリオッシュに心を奪われた。
オーナーの平山哲生さんは平子の第一印象を「何を言っているか分からなかった(笑)。自分の頭で考えて話しているから他の人には理解できない。そういう人が第一人者になって新しい何かをつくって、違う未来やわくわくするものをつくってくれると思う」と語る。
一方、平子は平山さんについて「ブリオッシュを教えてもらわなかったら商品たちは生まれてこなかった。ずっと感謝しています」と言う。
パンづくりを学んだ平子は2018年にベーカリーの「アマムダコタン」を開店。その4年後、「アイムドーナツ?」の1号店を東京・中目黒にオープンした。
peace putは今や約200人の社員を抱える企業に成長した。この間、平子がずっと取り組んできたのが働きやすい職場づくりだ。
「料理はきれいごとではなく、やることも大変なので、自分自身もそこから逃げたりしました。単純にきついんです」(平子)
平子は「きつい」といわれる飲食業界の働き方改革を進めている。
「アマムダコタン表参道」では、毎日120種類ものパンを生地から具材まで手づくりしている。その厨房では大勢のスタッフが目まぐるしく動いていた。
入社1年目の舟木明日香も2つのフライパンで同時に調理し、その合間にはまな板で別の作業も行う。「時間もぎりぎりなので、次に何をするか頭の中で考えています」と言う。

新人でも手際よくできる理由を、島かをる店長は「平子さんがタイムスケジュールを書いて、それぞれが役割分担して工程通りに調理します」と説明する。
壁には平子がつくった一枚の「調理の工程表」が貼られている。工程は10分刻み。コンロの左・中央・右で、何を調理するか、すべて指定してある。スタッフが効率よく働けるよう、平子が考え抜いた。
調理スタッフの出勤は朝6時。45分の休憩を挟んで8時間で勤務が終了する。
「なるべく給料を上げたいから生産性を上げてもらう必要がある。でも、定時に帰ってほしいので調理の工程表をつくった。働く人にも経営側にもウィンウィンです」(平子)
さらに、社員に新作を考案するチャンスを与えることで、スタッフの意欲を高めている。
「アイムドーナツ?渋谷」の野村千里製造長が試作していたのは「米粉のオールドファッション」。「商品開発をやっていて楽しさを感じます」と言う。
前出の島店長も「『アイムドーナツ?』ができた時もびっくりしましたが、成長速度に驚いています。楽しいです」と話している。
ハンバーガーで新たな挑戦~ワンコインの本格バーガー
2025年10月11日、平子が東京・渋谷区に新業態のハンバーガーショップ「ネオナイスバーガー」をオープンさせた。構想から出店まで5年をかけたという。

朝10時オープン。ハンバーガーでは珍しいオープンキッチンで、つくる過程を見せることにこだわっている。
オーブンはこの店のために特注したもの。高温・短時間で一気に焼き上げる。表面は香ばしく、中はふんわり軽い、今までのバーガーにはない新しい食感のバンズだ。もちろんすべて手づくり。パテからソースまで味にこだわった。
ソテーしたブラウンマッシュルームをベシャメルソースと合わせてパテに乗せた平子のオリジナルメニュー「ブラウンマッシュルームバーガー」など、メニューは13種類だ。
フライドポテトのジャガイモまで客の目の前でカット。手づくりだけでなく、つくりたてにもこだわっている。
気になる値段は、一番ベーシックな「ネオハンバーガー」が450円。こだわりのフライドポテトは400円。セットメニューは950円(ネオハンバーガーセット)からとなっている。

「『これ以上高いとファストフードとは呼べない』とならないぐらいまで価格を下げました。本当に利益が出るか分かりませんが、ぎりぎりのぎりぎりまで下げました」(平子)
※価格は放送時の金額です。
~村上龍の編集後記~
2012年にパスタ食堂「ヒラコンシェ」をオープンした。その肩書きはシェフだ。2018年に「アマムダコタン」というパン屋を出す。肩書きはパン職人。2022年に「I’m donut?」が出て人気店となる。肩書きは、ベイカリー製造となるのだろうか。2025年10月からハンバーガーも始める。ふと、この人は「アーティスト」ではないかと思った。アーティストには区分がない。自称もしない。肩書きはないに等しい。「アマムダコタン」という店名はアイヌ語をとり入れた。「コテジャルダン」というドライフラワーの店もある。
<出演者略歴>
平子良太(ひらこ・りょうた)1983年、長崎県生まれ。高校卒業後、イタリアンの店などで修業。2012年、「パスタ食堂ヒラコンシェ」開店。2018年、「アマムダコタン」開店。2022年、「アイムドーナツ?」開店。
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