【安いニッポン】からの脱却 富裕層はプライベートジェットで地方へ!280万円ツアーで挑む:ガイアの夜明け


【安いニッポン】からの脱却 富裕層はプライベートジェットで地方へ!280万円ツアーで挑む:ガイアの夜明け
12月5日(金)に放送した「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「‟安いニッポン”高く売る!」。

【動画】“安いニッポン”からの脱却 富裕層はプライベートジェットで地方へ!280万円ツアーで挑む

歴史的な円安ドル高の日本。日本人の給料は海外に大きく見劣りし、海外旅行では極端に割高に思える。
一方、海外の人たちにとっては、日本円で買い物をすると割安に。日本に来る外国人観光客、インバウンドは空前の活況を呈しており、2024年の訪日外国人は3687万人と過去最多を記録した。
しかし、“安いニッポン”を売っている現状に甘んじていて良いのだろうか? 今こそ「日本を高く売る」べきと、新たな動きが始まっていた。
“安いニッポンを高く売る!”日本の新たな活路を拓こうとする挑戦者たちを追う。

プライベートジェット×地方都市…知られざる観光資源をお金に変える!


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東京・銀座にある「東京相撲祭」。中には本格的な土俵があり、相撲を取るのは元力士。歓声とともに小さな座布団が飛び交い、外国人観光客も大喜びだ。
みんなで土俵に上がって相撲体験ができ、料金は2時間で1万2000円から。希望者はコスプレをして力士に挑むこともでき、連日盛況となっている。

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月に2000人が訪れるこの人気スポットの集客に一役買っているのが、「ジャパンチケット」(東京・恵比寿)の執行役員・宮崎有生さん(41)。
宮崎さんが手がけるのは、三味線教室からかわいいキャラ弁の作り方まで、日本ならではの体験を発掘し、海外サイトで予約・販売できるようにすること。
ジャパンチケットは富士山の入山予約を初めてチケット化するなど、インバウンド客にとっては縁の下の力持ち的な存在だ。
従業員数はグループ全体で約185人。インバウンドの増加で業績は右肩上がりだが、宮崎さんは観光業界の現状に疑問を感じていた。

「急に客数が増えたので、オーバーツーリズムや価格競争に陥ってしまい、事業者がなかなかもうからない。そういう課題を強く感じている。1人1万円を払って参加する100人を呼ぶよりも、100万円を落とす人を1人連れてくる方がよりハイタッチなきめ細かいサービスができ、事業者の収益性も上がる」。

宮崎さんは、歴史的な円安を追い風にしたインバウンドブームにより、日本のモノやサービスが安く買われてしまう流れを変えたいと考えていた。

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7月、とかち帯広空港(北海道)。宮崎さんが新たなビジネスに乗り出していた。
この日は海外からの客を出迎えるため、高級温泉旅館「十勝川温泉 三余庵」へ。
客は、台湾からやって来たアマンダさん親子と香港の人気インフルエンサー・ジアンさん兄妹で、ジアンさんのフォロワーは約50万人いる。
宮崎さんが仕掛けたのは、かつてない体験ができる超高級ツアーで、富裕層がターゲットだ。

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まず案内したのが、十勝平野を一望できるナイタイ高原牧場。東京ドーム358個分の高原を望むテラスを貸し切った。ここで提供されるのは、カニやホタテなど北海道が誇る海産物。雄大な十勝平野の絶景を独り占めできるバーベキューは、北海道ならではの醍醐味だ。

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続いて案内したのは、帯広の酒蔵「上川大雪酒造 碧雲蔵」。十勝の天然水と米で作った日本酒が売り。日本酒の製造工程を見学した後はスパークリングの日本酒が振る舞われ、その酒に合うよう考案した料理を酒蔵で楽しむ。
宮崎さんは、日本酒の奥深さを味わえる特別な体験を用意した。

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帯広での予定を終えた一行は、ハイヤーで空港へ。次の目的地・知床にプライベートジェットで向かう。面倒な搭乗手続きもなく、すぐさま機内へ。
「下道だと10時間ぐらいかかるところを1時間で都市間をつなぐのは、非常に価値がある。円滑な移動体験と現地の高付加価値体験をセットにした」(宮崎さん)。

ツアーの公式価格は、1人280万円。帯広、知床、札幌を横断する約600km、3泊4日の旅で、通常の飛行機や電車だけでは決して成立しないプランだ。

人気の世界遺産・知床では、一棟貸しコテージで過ごした後、札幌にひとっ飛び。空港内では、迎えのハイヤーが待っていた。
最後の食事は、札幌が誇る名店「日本料理 まつ久ら」を貸し切りに。店主が客の目の前で料理する“サケの藁焼き”が売りで、その職人技に客はくぎ付け。
参加者のアマンダさんは「こうした特別な体験を自分たちで探すのはかなり時間がかかるし、コネクションがないとそもそも体験できない」と感想を。
インフルエンサーのジアンさんは、帰国後に旅の思い出を投稿。そこには「私も予約したい」という書き込みも。

「(日本への旅行は)1、2、3回目ぐらいは富士山や北海道のスキー、京都などだが、リピートが増えてくるにつれて、知られていないエリアに興味関心が向く」。
宮崎さんは、付加価値の高い富裕層向けのツアーを全国に広げようとしていた。

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10月、宮崎さんは広島県へ。向かったのは、瀬戸内海に浮かぶ無人島・大黒神島。果たしてどんなツアーを考えたのか――。

インバウンドに活路…衰退する漁港を今こそ「マグロ漁」で守る!


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本州最北端の町、青森・大間町(人口約4600人)。基幹産業は漁業で、大間のマグロは日本が誇る最高級のブランドだ。
過去の初競りでは、3億円以上で落札されたことも。漁師にとっては一攫千金が狙える、まさに“黒いダイヤ”だ。

しかし1995年以降、世界でクロマグロは乱獲や気候変動などによりその数が激減。
2015年、水産庁が漁獲規制を導入した結果、大間では漁師ごとに漁獲量が制限され、30kg未満のマグロは獲ることが難しくなった。
漁師の伊藤憲也さんは「値段がつくマグロを獲らないと生計が立たない。夏場の安い時は、漁を休んで違う商売をしている」と話す。

マグロが釣れても稼げない時代、1994年には900人以上いた大間漁協の組合員数は、2024年には3分の2ほどに。そんな町の基幹産業の衰退に危機感を抱いたのが、「しもきたツーリズム」(青森・むつ市)の萬谷昂大さん(33)だ。

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大間町出身の萬谷さん。祖父は今も現役のマグロ漁師で、子どもの頃からその姿を見て育った。大学を卒業後は旅行代理店に就職したが、寂れていく地元を憂い、2020年にUターン。現在は、下北半島全体の観光振興に携わっている。
「町が廃れていく様子は、できれば見たくない。観光などの切り口で収入が得られて、漁師をやっていけるとなればいい」。
観光の力でマグロの町を救えないか──。萬谷さんは、画期的なプランを仕掛けていた。

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午前5時。去年、萬谷さんが始めた「大間のマグロ漁」を体験するツアーに参加するため、千葉県から観光客がやって来た。萬谷さんが、伊藤さんら3人に漁師に頼み込んで実現させたツアーだ。
「大間マグロ一本釣り体験」のツアー料金は33万円(4人まで)と高額だが、マグロが釣れたら1匹丸ごと解体・冷凍した上で受け取ることができる。実際、PR用に行ったツアーでは、約100kgのマグロが釣れた。
遊漁船の漁獲量は商業漁業とは別枠のため、漁師にとっては新たな収入源になる。

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しかし、相手は大自然。この日は釣れなかったが、よく見ると、えさの魚にうっすらとマグロの歯形が……。このスリルが一本釣りツアーの醍醐味だ。
「興味を持っている人が一定数いるはず。大間でこういう特別な体験できることを知らせていきたい」(萬谷さん)。
萬谷さんは、マグロの一本釣りを生かしたツアーでインバウンドの市場を狙い、地域活性化の起爆剤にしたいと考えていた。

7月中旬、萬谷さんは旅行会社と商談するため、アメリカ・ロサンゼルスへ。
ターゲットは、富裕層が多いアメリカやフランスなどの欧米諸国。まずは、世界屈指のセレブ街を抱えるロサンゼルスで売り込む。

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商談相手は大手旅行会社「日本旅行」の現地法人で、ここの強みは、大都市だけでなく、北海道など地方への送客だ。
萬谷さんは下北エリアを中心に東北を周遊するグルメツアーを用意し、全米営業部長の佐藤裕生さんに提案。目玉となる「一本釣り体験」の話をすると、佐藤さんが興味を示した。

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ツアーは、4泊5日で1人約87万円(2人1組の場合)。仙台や青森市など、東北の主要な観光地を含めることで、下北半島の知名度の低さを払拭する作戦だ。
このツアー内容に、佐藤さんの反応は上々で、客に提案してくれることになった。

次の商談相手は、富裕層向けのツアー販売を得意とする旅行代理店の担当者。興味は示してくれたものの、マグロが釣れなかった場合の客の満足度が気になる様子だった。
宿泊先に戻った萬谷さんは、今回の営業で感じた課題と向き合う。頭をよぎるのは、大間の漁師たちの姿……試行錯誤が続いた。

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10月6日、新青森駅。萬谷さんは通訳案内士の川畑一美さんと、新たに企画した周遊ツアーの最初の客を出迎えた。参加したのは、フランス人観光客のクレアさんとマチルダさん。2人は和食が好きでマグロなど青森の食に興味を持ち、参加を決めたという。
2泊3日しか滞在できない2人のために青森を中心としたプランに組み替えたが、この場合の公式価格は65万円(2人1組の場合)。
「最初はインパクトのあるものを見せたかった」という萬谷さん。果たして、周遊ツアーの内容とは? 目玉のマグロ釣り体験で、見事、大間のマグロは釣れるのか――。

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