店内のサイネージから店舗運営までAIにお任せ!常識を超えるコンビニ「ローソン」:読んで分かる「カンブリア宮殿」
12月25日(木)に放送した「カンブリア宮殿」のテーマは、「常識を超えるコンビニ”ローソン”」。
【動画】ローソンが切り開く 新たなコンビニの舞台裏
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コンビニスイーツでおなじみの「プレミアムロールケーキ」が重さ50%の増量で、クリームがこれでもかと山盛りに。「盛りすぎチャレンジ」というキャンペーンで、値段は据え置き。この日は入荷からわずか1時間で完売という人気ぶりだった。
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ロールケーキだけではない。カツカレーは通常はカツが1枚のところを2枚に。普段から大盛りの焼きそばは期間中、ほぼ3人前の650gになる。
こんな常識はずれのキャンペーンを仕掛けるのがローソン。2025年には1号店の出店から50年を迎えた。「盛りすぎチャレンジ」は全国で展開。過去5回の実施期間中、客が1日平均5%も増えたという。
社長・竹増貞信(56)のカンブリア宮殿への登場は2020年3月以来5年ぶり。前回、「セブン-イレブン」について聞かれると、「私は『セブン-イレブン』にほとんど行きません。何をしているのかも気にしていないのが実態」と、王者セブンの背中は追わないと明言していた。
それから5年、竹増率いるローソンは売り上げが過去最高となるなど業績は好調だ。1日の売り上げを示す「日販」でも初めて60万円を突破、「ファミリーマート」を抜いてコンビニ大手3社で2位に躍り出た。
さらに2024年は「KDDI」と資本業務提携することを発表。「三菱商事」とともに「KDDI」がローソンの経営パートナーになった。
「リアルのお店にテクノロジーを入れる『リアル×テック コンビニエンス』。ローソンはこれをつくっていこうと」(竹増)
〇新たなコンビニのかたち1~近未来型で購買意欲アップ
2025年春に開業した東京・港区の「高輪ゲートウェイシティ」に、テック技術を満載したローソン高輪ゲートウェイシティ店が入っている。
店内は至るところにモニターがついていて近未来的な雰囲気。ローソン仕様のロボットが自動で掃除。レジで接客するのは人が遠隔で操作するアバター店員だ。
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バックヤードで働いているのは飲み物の品出しを自動で行うロボット。人が「何を何本補充して」と指示するのではなく、AIが必要な本数を自分で判断して補充しているという。
「例えば朝に2 リットルの水がすごく売れると、ロボットが優先的に品出ししてくれます。お茶は今は少ないが、この時間はあまり売れていないので、優先順位を下げて品出しをする。この時間に売れるものをどんどん品出ししてくれます」(佐藤師浩店長)
曜日や時間ごとの販売実績をもとに客のニーズにあった効率の良い品出しを、ロボットが計算して行っているのだ。
「すごく頭がいいです。私より全然いいです(笑)」(佐藤店長)
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さらに売り上げアップに大きく貢献しているというのが「デジタルサイネージ」。商品棚の上と後方の天井にあるカメラで客の動きを認識。客が手に取る商品によってサイネージの内容を変えているのだ。
実際におにぎりを手に取ってみると、あと一品プラスの購入を進めてきた。「おにぎりには味噌󠄀汁」「野菜が足りないからスムージーは?」といった具合だ。
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「合わせ買い」を勧めるサイネージの効果で一人あたりの購入点数が他の店より多いという。
まだ実験段階だが、客のデータを収集しつつ、もっと進化させていくという。
〇新たなコンビニのかたち2~発注・値引きシステムに革命
2025年11月、ハワイに竹増の姿があった。バスから降りてきたのはローソンのオーナーたちだ。オーナーとなって10年が過ぎ、再契約すると、ローソンからハワイ旅行がプレゼントされる。夕暮れ時にはクルーズ船でパーティーを楽しむ。
参加した千葉県で12店舗を経営するオーナーの宮内とも美は、店を5日間留守にしても「今はもうAIにお任せができるので、『じゃあ、あとはよろしくお願いします』と言って」と言う。
千葉・成田市のローソン成田駅東口店。宮内の店はどこも売り上げ好調だという。その秘密が黄色い値引きシール。おにぎりや弁当には値引きシールがいっぱい貼ってある。
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では値引きするかどうかどうやって判断しているのか。
ローソンでは「AI.CO(アイコ)」と呼ばれるAIが在庫や販売実績などから売れ行きを予測している。2024年に全店に導入。値引きする商品と値引き額を算出しているのだ。
「AIはその時の在庫や売れ方に合わせて、値引き額を変えてくれる。本当に革命的だと思います」(宮内)
おにぎりやパンなどの発注もAIを活用。販売実績のほか、天候など100以上の要因をAIが分析して発注しているという。
値引きで客は喜び、発注が効率的になったうえ廃棄ロスも減る。AIで店の売り上げはアップした。
「毎日、発注のことを考えて、プラス他の業務もやらなきゃいけなかったので、結構な割合を占めていた発注業務の負担が減るというのは、それだけで他の仕事もできるようになりますし、負担は減ったと思います」(宮内)
【動画】ローソンが切り開く 新たなコンビニの舞台裏

“50%増量”で売り切れも~売り上げ好調の舞台裏
コンビニスイーツでおなじみの「プレミアムロールケーキ」が重さ50%の増量で、クリームがこれでもかと山盛りに。「盛りすぎチャレンジ」というキャンペーンで、値段は据え置き。この日は入荷からわずか1時間で完売という人気ぶりだった。

ロールケーキだけではない。カツカレーは通常はカツが1枚のところを2枚に。普段から大盛りの焼きそばは期間中、ほぼ3人前の650gになる。
こんな常識はずれのキャンペーンを仕掛けるのがローソン。2025年には1号店の出店から50年を迎えた。「盛りすぎチャレンジ」は全国で展開。過去5回の実施期間中、客が1日平均5%も増えたという。
社長・竹増貞信(56)のカンブリア宮殿への登場は2020年3月以来5年ぶり。前回、「セブン-イレブン」について聞かれると、「私は『セブン-イレブン』にほとんど行きません。何をしているのかも気にしていないのが実態」と、王者セブンの背中は追わないと明言していた。
それから5年、竹増率いるローソンは売り上げが過去最高となるなど業績は好調だ。1日の売り上げを示す「日販」でも初めて60万円を突破、「ファミリーマート」を抜いてコンビニ大手3社で2位に躍り出た。
さらに2024年は「KDDI」と資本業務提携することを発表。「三菱商事」とともに「KDDI」がローソンの経営パートナーになった。
「リアルのお店にテクノロジーを入れる『リアル×テック コンビニエンス』。ローソンはこれをつくっていこうと」(竹増)
近未来型店舗を体験~発注・値引きが大きく進化
〇新たなコンビニのかたち1~近未来型で購買意欲アップ
2025年春に開業した東京・港区の「高輪ゲートウェイシティ」に、テック技術を満載したローソン高輪ゲートウェイシティ店が入っている。
店内は至るところにモニターがついていて近未来的な雰囲気。ローソン仕様のロボットが自動で掃除。レジで接客するのは人が遠隔で操作するアバター店員だ。

バックヤードで働いているのは飲み物の品出しを自動で行うロボット。人が「何を何本補充して」と指示するのではなく、AIが必要な本数を自分で判断して補充しているという。
「例えば朝に2 リットルの水がすごく売れると、ロボットが優先的に品出ししてくれます。お茶は今は少ないが、この時間はあまり売れていないので、優先順位を下げて品出しをする。この時間に売れるものをどんどん品出ししてくれます」(佐藤師浩店長)
曜日や時間ごとの販売実績をもとに客のニーズにあった効率の良い品出しを、ロボットが計算して行っているのだ。
「すごく頭がいいです。私より全然いいです(笑)」(佐藤店長)

さらに売り上げアップに大きく貢献しているというのが「デジタルサイネージ」。商品棚の上と後方の天井にあるカメラで客の動きを認識。客が手に取る商品によってサイネージの内容を変えているのだ。
実際におにぎりを手に取ってみると、あと一品プラスの購入を進めてきた。「おにぎりには味噌󠄀汁」「野菜が足りないからスムージーは?」といった具合だ。

「合わせ買い」を勧めるサイネージの効果で一人あたりの購入点数が他の店より多いという。
まだ実験段階だが、客のデータを収集しつつ、もっと進化させていくという。
〇新たなコンビニのかたち2~発注・値引きシステムに革命
2025年11月、ハワイに竹増の姿があった。バスから降りてきたのはローソンのオーナーたちだ。オーナーとなって10年が過ぎ、再契約すると、ローソンからハワイ旅行がプレゼントされる。夕暮れ時にはクルーズ船でパーティーを楽しむ。
参加した千葉県で12店舗を経営するオーナーの宮内とも美は、店を5日間留守にしても「今はもうAIにお任せができるので、『じゃあ、あとはよろしくお願いします』と言って」と言う。
千葉・成田市のローソン成田駅東口店。宮内の店はどこも売り上げ好調だという。その秘密が黄色い値引きシール。おにぎりや弁当には値引きシールがいっぱい貼ってある。

では値引きするかどうかどうやって判断しているのか。
ローソンでは「AI.CO(アイコ)」と呼ばれるAIが在庫や販売実績などから売れ行きを予測している。2024年に全店に導入。値引きする商品と値引き額を算出しているのだ。
「AIはその時の在庫や売れ方に合わせて、値引き額を変えてくれる。本当に革命的だと思います」(宮内)
おにぎりやパンなどの発注もAIを活用。販売実績のほか、天候など100以上の要因をAIが分析して発注しているという。
値引きで客は喜び、発注が効率的になったうえ廃棄ロスも減る。AIで店の売り上げはアップした。
「毎日、発注のことを考えて、プラス他の業務もやらなきゃいけなかったので、結構な割合を占めていた発注業務の負担が減るというのは、それだけで他の仕事もできるようになりますし、負担は減ったと思います」(宮内)
大雪に対応した新店舗~北海道・稚内に出店の理由
北海道の旭川にある物流倉庫から午前10時、1台のトラックが出発した。雪混じりの雨の中を走り、日が暮れ始めた夕方4時、旭川から250キロも離れた稚内市のローソン稚内栄五丁目店に到着した。

大手コンビニ3社で稚内に出店しているのはローソンだけ。これまで拠点から遠いために出店を控えていたが、2023年に初出店。現在7店舗まで増やしている。
旭川の拠点から250キロといえば東京から浜松の距離。冬場は大雪で物流がストップする心配もある。だから店には大雪に備えたさまざまな工夫がされている。
「冷凍のストッカー(貯蔵庫)は通常の店舗で1台ですが、私どもの店舗では2台あります。暴風雪で物流が止まった時の保険になります」(稚内栄五丁目店担当ストアコンサルタント・五十嵐大輔)
炊き立てご飯の弁当やおにぎりを提供する「まちかど厨房」でも、通常、他の地域では炊飯器は1台だが、稚内の店では2台目も稼働。大雪や災害などで物流がストップしても、店内で調理して温かい商品を提供できるようになっている。
こうした工夫もあって稚内のローソンは売り上げ好調。客単価は全国平均で827円のところ、稚内7店舗では1100円超と、約300円も高い(2025年11月)。
充実した「無印良品」のコーナーも売り上げ増の要因に。客からは「品ぞろえもいいですし、化粧品が多いので化粧水を日常的に買っています」「気軽に買えるようになった。ガソリン代をかけて市外に行く必要がない」と好評だ。
若者ならではの「PayPayにチャージできるところがここくらいしかないので助かっています」というニーズも。24時間使えるATMも重宝されていた。
大手コンビニとしての豊富な品ぞろえやサービスが稚内の人たちに刺さっているのだ。
「僕らの企業理念は『みんなと暮らすマチを幸せにする』。それがローソンです。いろいろ考えて、いろいろチャレンジして、いろいろ工夫することが街の幸せにつながるのであれば、大いにチャレンジすべきです」(竹増)
商品&空間づくりに一工夫~人口の少ない地域にも出店
山深い人口約2500人の和歌山・田辺市龍神村でもローソンがチャレンジをしていた。
スーパーの跡地にポツンと立つローソン龍神村西店。2024年に出店した村で唯一のコンビニだ。

客がひっきりなしにやってくる繁盛店になった理由は、その豊富な品ぞろえにある。
通常のコンビニ商品はもちろん、全国から取りそろえた魚や肉もあるスーパー顔負けのラインナップ。客は「すごく助かっています。生活の一部になっていて、なくなったら困る」と言う。
外せないのがとれたての地元農産品のコーナー。冬場の時期はホウレンソウやみかんが旬。近隣の農家が毎日届けてくれる。
ローソンでは現在、画一的ではない地域に合わせた店づくりを進めている。
野菜コーナーで特に売れていたのが龍神村の名産品「龍神マッシュ」という生しいたけ。大きいうえに水分をたっぷり含んでおり、肉厚感が病みつきになるのだとか。並べる先から売り切れてしまう人気商品だ。
「龍神マッシュ」を作っている代表の伊藤委代子さんは、ローソンに出荷するようになって生産が追いつかないという。
「『もっと早くたくさん出してください』という声を聞くので、売れているんだなと。ローソンに龍神しいたけを置いてるというだけでも、ちょっとうれしくなります」(伊藤さん)
また、この店の名物が居酒屋の小上がりのような「イートインスペース」。

休憩や食事はもちろん、おしゃべりだけの利用もOK。地元の交流の場として人気スポットになっている。
客も農家も巻き込んで、地域の活性化に一役も二役も買っているのだ。
街ごと元気にする大構想~コンビニの新たな役割
「ローソンが街をまるごと再生する」というビッグプロジェクトが動き出している。
竹増が案内してくれたのはフェンスに囲まれた空き地。ここにローソンが出店し、買い物の場を提供するだけでなく、カフェスペースを併設し、地域住民の交流の場にしてこのエリアを活性化させようというのだ。
「ハッピー・ローソンタウン」というこのプロジェクトでは、野菜を育てる農地を作ったり、商品をドローンで配送したり、ローソンを中心に街全体を活性化させるという。
舞台は大阪・池田市の高台にある伏尾台地区。1970年代に開発されたニュータウンだが、高齢化率は4割を超える。
「いろんなパートナーといろんな形で小さく深く入って、つながって、みんなが『ああ、そういえばなんか温かく暮らしているよね』というような街づくりができたらなと思っています」(竹増)
この日、竹増が池田市役所に。制度などの面で行政にも協力を要請していた。瀧澤智子市長も、地域活性化の起爆剤として期待を寄せている。
「このような場所が誕生することで、歩いてふらっと気軽に行けるものができることで、地域の皆さん同士のコミュニケーションなども深まるんじゃないかなと」(瀧澤市長)
2025年12月、ローソンと池田市、「KDDI」が正式に連携することが発表された。いよいよローソンによる街づくりが本格化していくことになる。

「ローソンは日常生活において選ばれているお店。本当に強いと思っているんです。私どももしっかりと通信という部分で、相乗効果を担えないかなと思っています」(「KDDI」松田浩路社長)
~村上龍の編集後記~
山梨県南都留郡に「道志村」はある。息子とキャンプをしていたが、そこに「コンニャク作り」の名人がいた。わたしは彼のことを「コンジー」と名付け、次作で「ゴンジー・トロイメライ」で主役にした。そんな小さな村に、コンビニができたという。周囲には店がない。ローソンは、2023年度、全国に「エリアカンパニー制度」を敷く。各カンパニーに権限を委譲し、500メートル四方の人口、75歳以上の高齢者比率などを把握する。地域共生を現実にして、売上を伸ばした。竹増さんは、プランター菜園で自ら野菜を作っている。
<出演者略歴>
竹増貞信(たけます・さだのぶ)1969年、大阪府生まれ。1993年、三菱商事入社。2014年、三菱商事退社後ローソン副社長就任。2016年、ローソン社長就任。
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