カシオ【集音機能付きイヤホン】煩わしさを克服!ベテラン社員が挑む:ガイアの夜明け


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6月5日(金)に放送した「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「カシオ 新市場を創る!」。

【動画】カシオ【集音機能付きイヤホン】煩わしさを克服!ベテラン社員が挑む

日本に電卓を広め、デジタルカメラや電子楽器、腕時計の「G-SHOCK」など、数々のヒット商品を生み出してきた「カシオ計算機」。しかし今、カシオの売り上げはピーク時と比べると半分以下にまで落ち込んでいる。

そんな状況に危機感を持って立ち上がったのが、多様な経歴を持つ50代後半以降のベテラン社員たち。デジカメや電子辞書など、開発に携わった事業からの撤退や縮小が相次ぎ、じくじたる思いを胸に秘めている。
彼らが新たに取り組むのは、かつてない「集音機能付きイヤホン」の開発。軽度から中程度の「聞こえにくさ」を感じる人たちをターゲットにした製品だ。
番組は、世界初の商品を生み出し続けてきた技術と志を継承し、新市場の開拓に打って出る中高年社員たちの思い、その闘いの日々を追った。

世の中になかった集音器開発への挑戦


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創業80年の電気機器メーカー「カシオ計算機」(東京・渋谷区)。
開発拠点の「カシオ計算機 羽村技術センター」(東京・羽村市)では、14年前のアイデアで、3年前にGOサインが出た「極秘プロジェクト」が進んでいた。
反転攻勢を狙ってメンバーたちが開発していたのは、集音器「earU(イアユー)」。
机の上には、おびただしい数の試作品が並ぶ。

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「earU」は、周囲の音を集めて大きく聞こえるように変換する集音器。さらに、ワイヤレスイヤホンの機能も備えている。
開発メンバーの中心は、新規事業部の田村公夫さん(58)ら、50代後半から60代のベテラン社員たち。彼らにとってもカシオにとっても、初めての分野に挑んでいた。

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カシオの売り上げがピークだったのは、2007年度の6230億円。しかし2010年代に入ると、半導体、プリンター、コンパクトデジカメと、カシオは事業から撤退。
今、売り上げは半分以下に落ち込んでいる。
どうすれば、次の柱となる製品を生み出せるのか。社員たちが立ち返るのは「創造 貢献」――カシオの経営理念だ。
「新しいものを生み出して、世の中が変わる。我々にも受け継がれている」(田村さん)。

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東京・世田谷区にある「樫尾俊雄発明記念館」。カシオ計算機を創業した樫尾4兄弟の次男、発明家・樫尾俊雄さんの家は記念館になっており、世界初の製品が並んでいる。
1957年に発売された世界初の「小型純電気式計算機」は、14桁、10兆台までの計算が可能で、企業や研究機関に広く導入された。
1983年に発売されたのは、厚さ0.8ミリ、世界最薄(当時)の「カード型電卓」で、たちまち人気に。

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そんなカシオ計算機の名を世界にとどろかせたのが、1983年に発売した「G-SHOCK」。落としても、壊れにくくてかっこいい…時計の常識を変え、世界累計出荷台数は1億6000万を超えた。
1994年には、初心者が手軽に弾けるよう工夫した「鍵盤が光るキーボード」、1995年には、世界で初めて、カラー液晶モニターを搭載した消費者向けのデジタルカメラを発売。

ところが、2008年にiPhoneが日本で発売されると、カシオを激しく揺さぶった。
スマートフォンが一気に普及し、アプリの時代に突入。スマホにカメラや計算機などが組み込まれたことで、カシオの製品はそのあおりを受けた。

2018年、カシオはコンパクトデジカメ事業から撤退。2025年、電子辞書の新規開発も中止に。この状況に危機感を持ったベテランが、3年前に、集音器の開発という新たな挑戦を始めたのだ。

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この日、新規事業部の江橋康之さん(57)が聞き取りづらさを体感するために着けたのは、ドラマーなどが演奏中に使う耳栓。耳に着けると周囲の音が小さくなり、4分の1程度の音量に聞こえるという。しかし、この耳栓の上から開発中の集音器を装着すると、「(聞こえが)良くなった」と江橋さん。

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カシオの調査(45~69歳の約5万3000人が対象)によると、聞き取りづらさを感じる人は、推計約1470万人。しかも、その約85%は補聴器などを使用していないという(2022年 日本補聴器工業会調べ)。
「(補聴器は)煩わしさがある、着けているのを人に見られたくない。『着けたくない』を解消すれば、困っている人がたくさんいるところにアプローチできる」(田村さん)。

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そこで田村さんたちが目指したのが、集音器を1日中着けていられる着け心地。
耳の大きさや厚さは人によって異なるため、やわらかい部分をつくり、挟んでも痛くなりにくいような工夫をした。

集音器として世界初の試みが、耳の穴を塞がない「開放型」であること。
一般的な補聴器や集音器は「密閉式」と呼ばれる耳の穴に直接入れるタイプが主流だが、長時間着けていると疲れてしまい、煩わしくなるのが課題だった。
「(耳の穴に入れると)かゆみや違和感などの煩わしさがある。『ちょっと聞こえに不安がある』と思ったら、手軽に着けられてかっこいい、恥ずかしくもないという世の中になるといい」(田村さん)。

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1993年にカシオに入社した田村さんは、主に開発推進を担い、約200の製品を世に送り出してきた。キャリアの中で最も長く携わったのがコンパクトデジタルカメラだが、スマホのカメラとの闘いに破れた。
「最後まであがいたが、スマートフォンの波に飲まれてしまった。我々が事業を止めることを食い止められなかった。力不足というより他はない」。
田村さんたちは忘れられない悔しさを、今回の挑戦につなげようとしていた。

課題を克服し、新市場を創造できるか

1月下旬、試作品の実力を試す日がやって来た。10年以上高音難聴に悩まされ、普段から補聴器を使っている女性にモニターとして協力してもらうが、そこで大きな課題が浮上。さらにカシオに、思わぬライバルが現れる――。

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