【官民1兆円投資へ】オールジャパンで中国・韓国勢に挑む「造船大国復活」の全貌:ガイアの夜明け


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7月10日(金)に放送した「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「造船大国ニッポン復活へ~数百億円のメード・イン・ジャパンで挑む~」。

かつて造船業界で世界のトップシェアを誇っていた日本。しかしその後、中国勢や韓国勢が巨大造船所を稼働させ、低価格・大量生産を売りに世界を席巻。2024年の建造量シェアは、中国が48%、韓国が25%、日本は11%と劣勢に。
貿易の99%以上を海運に頼る島国・日本にとって、このままでは経済安全保障にも大きな影響を及ぼすことが懸念されてきた。

そこで政府は2025年、官民で造船業に1兆円以上を投資する国家プロジェクトを決定。2035年に建造量を2024年比で倍増させることを目指す。
一度失墜した日本の造船業界は本当に復活できるのか――。反転攻勢をかける日本の造船業界を追った。

【動画】官民1兆円投資へ オールジャパンで中国・韓国勢に挑む「造船大国復活」の全貌

造船大国ニッポン復活へ!迫られる増産計画の行方


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海洋国家・日本の底力が今、見直されている。
「ジャパン マリンユナイテッド磯子工場」(横浜市)では、護衛艦や特殊な船を造っている。工場には、海上自衛隊から預かった護衛艦も。
「新造と修理の事業をうまく回し、この事業所を運営している」(ジャパン マリンユナイテッド 艦船事業本部長 江藤 淳さん)

4月に防衛装備品の輸出制限が撤廃され、江藤さんはビジネスの拡大に期待を寄せている。
「将来的に諸外国に装備移転という話が出てきたならば、我々も技術を持って積極的にやっていきたい」

護衛艦だけでなく、日本の造船業界全体が今、大きな転換点を迎えている。

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アメリカの船の建造量は、世界のわずか0.2%と激減。日米政府は、造船分野での協力を進めることになった。
背景にあるのは、造船を国家戦略とする中国の存在。今や中国は、世界の建造量のほぼ半分を占めており、新規の受注では8割以上を握っている。

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そこで日本は、造船業界の大型再編に打って出た。
1月、国内トップの「今治造船」が2位の「ジャパン マリンユナイテッド」を子会社化。この再編で世界第4位の巨大グループが誕生した。中国・韓国勢に対抗する構えだ。

世界で勝つためのオールジャパン体制――。「今治造船」の檜垣幸人社長は、「韓国・中国は、どんどん生産規模を拡大している。自分たちが生き残るために、新しい需要を取り込まないといけない。そういう時期にちょうどきた。日本の造船業界が生き残る最後のチャンス」と話す。

かつて日本の造船業は、経済成長を支える基幹産業だった。1980年代まで、世界シェアの約5割を握っていた日本だが、2000年代に入ると勢いが失速。
2025年11月、政府は造船業に官民合わせて1兆円以上を投資する方針を決定。2035年までに建造量を倍増する計画だ。

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今治造船グループの中核工場の一つ「多度津造船」(香川・多度津町)。
ここでは、全長約200m、7000台の自動車が積める自動車専用運搬船を年間3隻建造している。燃料にLNG(液化天然ガス)を使う船で、重油だけで航行する従来の船に比べ、CO2の排出量を約30%削減できるという。
価格は100億円以上。世界的な自動車輸送の拡大と脱炭素化を追い風に、需要は急増。
多度津造船の従業員は約1000人。国の倍増計画を受けて増産が迫られる中、その現場は課題が山積みだった。そのひとつが人手不足。

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積み荷の自動車を載せる床の製造では、タイヤを傷つけぬよう、一つ一つの穴を職人技で滑らかに仕上げていく。
「1隻で大体7万3000個あるが、手作業。このあたりも自動化できたらいいが、なかなか自動化はすんなりいかない」(「多度津造船」諸石和利 工場長)

ライバルの中国勢は、圧倒的な製造力を誇る。10年以上前から大型溶接ロボットなどを導入し、生産効率を高めてきた。それに対し、日本の造船所の多くはいまだ自動化が進まず、熟練職人の技と経験が頼りだ。

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加えて増産へのネックとなっているのが、船体の組み立て作業。
「プロペラは非常に難しいので、専門メーカーから購入している」(諸石さん)
大きなプロペラを船に取り付けるのが一苦労。約10人がかりで8時間を要した。

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さらに大変なのは、巨大なメインエンジン。「LNG燃料エンジン」の重さは370tもあり、大型クレーン2基で吊り上げる。
わずかな誤差が命取りとなる繊細な作業――。船内への設置は、気を張り詰めたまま3時間を要した。それでも船の完成は、まだまだ先だ。

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敷地が狭く、ドックが1つしかない多度津造船。生産効率を上げるため、建造中の船の後ろの隙間で次の船の一部を造っている。
諸石さんはさらなる増産に向け、このドックにテコ入れをしようと考えていた。
自分たちの工場をどう変えていくのか――。

中国・韓国勢に挑む!オールジャパンの「次世代燃料船」


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一方、世界最多の貨物船を所有し、海上輸送の約2割を担う海運大国・ギリシャ。
6月、世界最大級の船舶関連の展示「ポシドニア2026」が開かれ、世界中から2000社以上が集結した。
中国・韓国勢を相手に巻き返しを図る日本ブースでは、CO2排出量を約9割削減する次世代の環境船「アンモニア燃料船」をアピール。この日本の切り札を売り込んでいたのが、「日本郵船」次世代燃料ビジネスグループ長の六呂田高広さんだ。

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造船大国復活への切り札として開発が急がれるアンモニア燃料船は、今治造船グループ「ジャパン マリンユナイテッド 有明事業所」(熊本・有明)で開発が進められている。

「日本の造船は世界一だったが、今は大きくシェアを落として、中国・韓国に差を開けられている。新しい技術で、このエネルギー転換の時代で挽回する。日本の造船所やエンジン・舶用機器メーカー、海運会社がタッグを組んで開発している。今をおいて他に、二度とこんなチャンスはない」(六呂田さん)

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「アンモニア燃料船プロジェクト」は、日本郵船を中心に、国内の造船所やエンジン・部品メーカーなどが、オールジャパンで共同開発。その一つが「ジャパンエンジンコーポレーション」(兵庫・明石市)だ。
世界トップ3の大型船舶用エンジンメーカーで、開発から設計・製造まで一貫してできる国内唯一の企業。アンモニア燃料エンジンもここで開発しているが、部品の数は約6万3000点。通常の1.5倍以上に上るという。

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2025年10月、ジャパンエンジンが4年がかりで開発したアンモニア燃料エンジンがいよいよ有明の造船所に運ばれ、船の内部に組み込まれた。
2026年6月、番組は建造作業が佳境に入ったアンモニア燃料船の内部も取材。さらに、今治造船グループが製造する船を海外に売り込むため、2021年に設立された「日本シップヤード」(東京・有楽町)にも密着した。1隻数百億円する船を複数隻売り込む巨額案件。ライバルの中国・韓国勢も攻勢をかけるなか、激しい情報戦が繰り広げられることに――。

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日本の造船業界は、再び世界で存在感を示せるのか――。

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