【三谷幸喜】ヒット連発の背景にある「当て書き」の極意…名作ドラマ秘話明かす:カンブリア宮殿

8月27日(木)に放送した「カンブリア宮殿 1000回SP」(MC:金原ひとみ、ヒャダイン毎週木曜夜11時06分)のスペシャルゲストは、脚本家・三谷幸喜(65)。
ヒットメーカーの発想術とは――? 三谷流・創作術の極意に迫った。
【動画】三谷幸喜 ヒット連発の背景にある「当て書き」の極意…名作ドラマ秘話明かす
本業は…あくまで脚本家

この日、都内のスタジオで、ある舞台の稽古が行われていた。作・演出を手がけるのは、脚本家・三谷幸喜。手掛けるジャンルは幅広く、伝統芸能の歌舞伎や文楽の作・演出にも挑戦している。65歳になった今も、創作への意欲は衰えを知らない。
三谷は、1983年に伝説の劇団「東京サンシャインボーイズ」を立ち上げ、演劇界に旋風を巻き起こすと、『振り返れば奴がいる』『王様のレストラン』『合い言葉は勇気』など、テレビドラマの脚本でヒットを連発。大河ドラマも3本手がけた。
後に映画にも進出し、脚本だけでなく監督として10本の作品を世に送り出した。

この夏、三谷が手がける舞台『ショーガール~きみは最高~』『アメリカン・ドリーム』三谷文楽『人形ぎらい』の3作品が連続で上演。その1つ『アメリカン・ドリーム』の舞台は1940年代後半、ハリウッドで共産主義者を排除する「赤狩り」を描いた物語だ。
三谷がかねてから温めていたテーマであり、新たな挑戦でもあるという。

「“赤狩り”の頃のハリウッドに興味があった。今の時代はだんだん言いたいことが言えない風潮になってきている。“赤狩り”という言論弾圧の時代のものをいま描くことも、1つのテーマとしてありなのではないか」(三谷 以下同)。
三谷は舞台演出もするが、本業はあくまで「脚本家」だという。
「本業はシナリオを書くこと。演出家という意識はあまりない。人がいないから、自分の書いたものを自分で演出している。
本業ではないところで働いている姿を見られるのが恥ずかしい。今(VTRを)見ても、すごく嫌だった。ものすごく考え込んでいる感じになっていた…もう恥ずかしくてしかたがない(笑)」。
映画も10本撮っているが、「自分が映画監督だという認識はあまりない。脚本家が映画を撮らせてもらっているというイメージ。本業の映画監督に申し訳ないという思いは常にある」と控えめに語る。
三谷の出発点は「舞台」。「自分のやりたいことを一番いいかたちで、いい俳優といいスタッフでイメージしたとおりにつくれるのは、やはり舞台」と真意を明かした。
脚本は…俳優へのラブレター

三谷の脚本作りの特徴は、俳優を決めてから書き始める「当て書き」だ。
「俳優が決まらないと書けない。“この人で何がやりたいか”から考える。例えば、大泉洋さんが決まったら、何を言ったら面白いだろうか、どんな顔をしてほしいかというところからストーリーが決まっていく。
なぜか分からないが、佐藤浩市さんが窓の外でトランポリンで上がったり下がったりする姿が面白いなと思った。その前後を創っていってできたのが、映画『ザ・マジックアワー』。自分の中には“この人で何かやりたい”という一瞬の映像みたいなものがある。そこから話を創るという感じでやっている」。
「俳優が“この役をやってみたい”と思ってくれないと意味がない」と話す三谷。
「ラブレターのつもりで“私はあなたがこんなに好きなんだよ”と、全部詰め込んだ脚本を書いて渡す」と語り、情熱的な一面をのぞかせた。

ここでヒャダインが「三谷さんにはいろんな側面があるが、“豪族の息子”というイメージがある。自分が見たいものをわがままリクエストして、それを自身で創り上げているのでは?」と投げかけると、「あぁ…」とつぶやく三谷。
「子供の時、おもちゃの兵隊や小さいフィギュアが大好きで自分で物語を創っていた。そこから今まで、自分の居場所があまり変わっていない。おもちゃのフィギュアの兵隊たちが今は一流の俳優たちになったが、その人たちを使って自分の好きな世界を創っている。それが多分、僕のモチベーション。
ただ、その話を俳優にすると、だいたいみんな怒る。『俺たちはおもちゃじゃないんだ、おまえの』と言われる(笑)」。
ヒャダインにそんな本音を明かし、スタジオが笑いに包まれる場面も。

番組では、小池栄子、大泉洋、劇作家・野田秀樹、数々の作品でタッグを組んだフジテレビ・石原 隆氏の証言から三谷の創作術をひも解くほか、名作ドラマ『振り返れば奴がいる』『古畑任三郎』に関する秘話も。
さらに、チャレンジ精神旺盛な三谷が、人知れず抱えている葛藤を打ち明ける――。
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