【1万店割れ】町から消える書店…起死回生を狙う「丸善ジュンク堂書店」の超進化:ガイアの夜明け

ガイアの夜明け
9月11日(金)に放送した「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「書店サバイバル~売れない時代に本を売る~」。

【動画】1万店割れ 町から消える書店…起死回生を狙う「丸善ジュンク堂書店」の超進化

町の書店が、今、急速に姿を消している。2003年に2万店以上あった書店は、2025年度末に9993店となり(出所:一般社団法人 日本出版インフラセンター)、ついに1万の大台を割り込んだ。全国の約28%の自治体では、すでに書店が一つもない状況だ。
本が売れない時代に書店はやっていけるのか――。変化を迫られる大手書店の現場に密着し、時代を生き抜くための“サバイバル戦略”を追った。

メガ書店の生き残り戦略とは?


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全国の書店が激減している背景には、インターネットの浸透により本を読む時間や習慣が減ったこと、オンライン書店や電子書籍など、本を買う方法が多様化したことなどが挙げられる。
そんな中、7月17日、北海道・旭川駅に直結するショッピングモールに、50年の歴史を持つジュンク堂書店の新店がオープンした。
丸善ジュンク堂書店の西川仁社長(60)は、開店直前に売り場を見て回る。新店舗が開業する時は全国どこにでも駆けつけ、細かい指示を出すのだ。

2015年、書店業界で売上高14位(当時)の丸善書店が赤字に陥っていた業界6位(当時)のジュンク堂書店を吸収合併。業界第3位の丸善ジュンク堂書店が誕生し、2024年4月、西川さんが社長に就任した。

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4月。丸善ジュンク堂書店、全国115店舗の店長が一堂に会する会議が開かれた。
「最終年度の営業利益目標は、対外的には初年度(2025年1月期)から見ると3倍程度だが、社内目標としては4倍を目指していきたい」(西川さん)。

2026年1月期の売り上げは「大阪・関西万博」の公式グッズ販売を手がけたことで一時的に跳ね上がったが、2015年の合併以来、基本的には売上高の減少傾向が続いている。
西川さんは、この流れを一気に逆転させ、2029年1月期の営業利益を2025年1月期の4倍にするという丸善ジュンク堂書店(単体)の社内目標を掲げた。
そしてその一手として、今、新たな試みが始まろうとしていた。

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ショッピングセンター内にある丸善 ユニモちはら台店(千葉・市原市)。
大型書店のビジネスは薄利多売が基本。この店では常に約16万冊の本を取りそろえ、平日は毎日約1500冊の新たな本を仕入れている。
書店員は新しい本を並べていく一方で、棚に置かれていた本を取り出し、そのデータを確認する。
「売れているか売れていないかをデータで確かめて、今年は動いてないので(このコミックは)返品する。スペースが空くので新しい本を入れる。こういった作業を延々と続ける」(コミック担当・久保木健夫さん)。
本の返品…それは大型書店にとって、仕入れと同じく日常的な業務になっていた。

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出版社が発行した本は、一般的に取次を経て書店に並ぶが、書店は定められた期間内であれば、売れ残った本を返品できる「委託販売制度」という仕組みがある。
在庫を抱えるリスクを最小限にし、常に新刊や話題書を置けるようにするためだ。
この制度があることで、書籍の返品率は約3割、雑誌の返品率は4割を超える(出所:出版科学研究所)。
書店ではこの膨大な返品作業に人手と時間が取られ、本を売るための工夫には十分に手が回っていないのが現状だ。西川さんは、こうした現場の課題を解決しようとしていた。

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この日、西川さんは、丸紅、講談社、集英社、小学館が2022年に共同で設立したパブテックスの渡辺順社長と打ち合わせ。パブテックスが独自に開発した書店改革の切り札が、出版物専用の「RFIDタグ」だ。しおりのような形状で、中には小さなICチップが組み込まれている。
膨大な数の本の1冊1冊を個別に管理するもので、今、新刊コミックを中心に導入が進んでいる。このタグがあれば、重ねた本も一発でデータが読み取れるのだ。
丸善ジュンク堂書店は、2027年1月までに約50店舗にRFIDタグの導入を予定している。

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RFIDタグを導入した丸善 ユニモちはら台店。実はこのタグ、売り上げにも貢献するという。「実際に我々が思っていた売れ方が本当に正解だったのか、今後検証できる」(店長の佐野圭一さん)。
店では入り口に近い一押しスペースの効果を正確な数字で把握できていなかったが、早速検証することに。
このスペースに、上の階で上映中の映画の原作になったコミック2作品を並べていく。並べ終えたら本のタグをリーダーで読み取り、このスペースに置いた本だと登録する。
2つの本が入り口のスペースとコミックコーナーのどちらで多く売れるか、比べるのだ。

タグ導入から2週間後、番組が再び店を訪ねると「予想をはるかに上回る結果が出てしまいまして…」と佐野さん。一体、何が起きたのか――。

「書店に来て本を買ってもらう」ためにすべきこと


一方、ジュンク堂書店 池袋本店(東京・豊島区)でも驚くべき現象が起きていた。
今年の夏、昭和62年に発行された3巻完結の少女漫画「笑う大天使」(川原泉・著)が、突然売れ出したのだ。
お嬢様学校に通う高校生3人組が騒動を巻き起こす、コメディタッチの少女漫画。
2025年は池袋本店で1冊しか売れなかったが、今年の夏の38日間だけで120冊も売れた。

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突然の売り上げアップに貢献したのが、作品の名場面をモチーフにしたステッカーやメモ帳など、11品目のグッズ。丸善ジュンク堂書店が開発したここでしか買えないオリジナルグッズで、期間限定で販売した(※現在はジュンク堂書店 池袋本店では販売していません)。
こうしたグッズの人気が、コミック本の販売増加につながっていた。

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仕掛け人は、会社のコミックIP開発担当に抜てきされた八木泉さん。
IPとは、知的財産を意味する「Intellectual Property」の頭文字。漫画やアニメなどのコンテンツを生かしたグッズのことを「IPグッズ」という。
丸善ジュンク堂書店では、著者や出版社からライセンスを取得し、自社で企画するIPグッズの制作に力を入れていた。
「グッズを買うことで、もう1回、紙(の本)を買おうと思う人や、電子(書籍)で買っていたけど、紙(の本)で買う人に増えてもらう。紙をめくって読む良さを、もう一度たくさんの人に知ってほしい」(八木さん)。

名作に再び光を当てるIPグッズ戦略。この後、世界を相手にした大勝負が待っていた――。

このほか番組では、ジュンク堂書店 那覇店(沖縄・那覇市)で開催されたユニークな取り組みも紹介する。

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