【60代の就活】セカンドキャリアを成功に導く&面接の秘訣をキャリアコンサルタントが解説


60就活

50代に入り、「人生100年時代」の折り返し地点に立つ中で「セカンドキャリア」への不安を抱く方も多いのでは!?

今回は『定年後の働き方で知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)の監修を担当したキャリアコンサルタントの西村栄子さんを取材。定年前の準備や心構え、転職活動から実際の働き方まで、50代記者のリアルな悩みを織り交ぜながら話を聞く。


【動画】「ご飯にマヨネーズ15gをかけるだけ」で血糖値スパイクが抑えられる?&名医イチオシの高血圧対策も!

セカンドキャリア成功の鍵は「早期準備」と「柔軟な生き方」


――本書では、「60歳からの就活」について、とてもリアルに分かりやすく解説しています。私自身50代に入り、セカンドキャリアは決して他人事ではなく、「まだまだ働きたい!」と今後の生き方について悩みを抱える一人です。まずは50代の心構え、心の準備から教えてください。

「とにかく“準備は早めに”ということです。定年になってからバタバタと準備するのではなく、早い企業では40代からセカンドキャリア研修を取り入れているところもあります。

“定年後は悠々自適に過ごそう”という時代もありましたが、今はセカンドキャリアについて、もっと具体的に考えていかなければなりません。ただ先輩の真似をすればいいという時代ではないので、今後どう生きるかを自分でしっかりと考えていく必要があります。
いずれ必ず訪れるセカンドキャリアに向けて、早めに意識を持って準備し、何より“自分の世界を広げておくこと”が大切です」

――培ったキャリアを生かして別のところで働くか、まったく別の新しいことにチャレンジするか……大きく分けて2パターンあると思いますが、実に悩ましい選択です。

「2択で悩みやすいとは思いますが、大切なのは“自分が何をしているときに一番やりがいを感じるか”を知ることです。
キャリア診断のフレームワーク(※RIASECなど)でも分かりますが、人の価値観や根っこにある部分は、業界や職種を変えても意外と変わりません。

例えば、私自身も金融機関やライター、ホテルのブライダル、旅行業界など、さまざまな転職を経験しましたが、振り返ると“人と関わり、誰かの役に立つこと”という根っこのやりがいはすべて共通していました。

定年前に、自分はどんな目的ややりがいを持って働くと、生き生き輝くことができるのかをしっかり棚卸ししておくこと。それが次の選択で“こんなはずじゃなかった”と後悔しないための鍵になります」

※個人の興味やパーソナリティーと職業適性を6つに分類するキャリア選択理論

――本書でも詳しく書かれていますが、定年後のお金は、いくらくらいあれば安心なのでしょう。

「『〇〇万円あれば安心です』と言いたいところですが、生活スタイルによって違ってくるので、十人十色です。同じ給与でも資産運用の有無、定年後にどう過ごしたいか(実家に戻るのか、何かを始めるのか)、独身なのか家族がいるのか、万一の医療・介護への備えなどによって大きく変わります。

私が行っている研修では、 家電の買い替え費用(※定年後から平均寿命までに平均で約400万円かかるというデータも)や家族の病歴なども踏まえて、1円単位で収支を出してもらうようにしています。
今後自分自身がどうしたいかという原点に立ち返り、自分のライフプランに合わせた資金計算をする必要があります」

――「人生100年時代」と言われて久しいですが、60代になっても「働くこと」や「社会とつながり続けること」の最大のメリットは?

“自分は社会から必要とされている、そういう場所がある”という実感が得られることです。何もせずにいると、時間はあっという間に過ぎてしまい、社会とのつながりが薄れてしまいます。月数万円でも、パートやアルバイトで1,000円、2,000円と自分で稼ぐことは、お財布の減りを抑えるだけでなく、生きている実感や安心感、楽しさをもたらしてくれます」

――個人的な感覚ではありますが、60代はまだがむしゃらに働こうと思えば働けてしまう年代なのかな? と…。そうではなく、やはり無理のない範囲で働く方が良いのでしょうか。

「がむしゃらに働きたい人は働いても良いと思いますが、人間の体力的変化は74〜75歳あたりで訪れることが多いです。
ですから、ずっと100%の力で走り続けるのではなく、60〜64歳くらいまでを“次の自立に向けた助走期間”として位置づけ、無理のない形で社会やお金とのつながりを維持していくのが理想的です」

――定年後、毎日が楽しそうで成功しているなと感じる方には、どのような特徴がありますか。

圧倒的に柔軟性があることです。過去の肩書にとらわれず、新しい時間を楽しむポジティブなメンタルが重要。素直な姿勢で若い人に教えてもらう、新しいことに対して柔軟になれる人は、いくつになっても毎日が楽しそうです。
自分の価値観をガチガチに固めず、筋肉を鍛えるように少しずつ柔軟性を養っていくことをおすすめします」

60就活

充実したセカンドキャリアを叶える極意


――本書でも詳しく書かれていますが、シニアの身だしなみや面接時に気をつけるべき心構えがあれば教えてください。

「一番重要なのは清潔感です。年齢を重ねると周囲から服装や身だしなみを指摘されにくくなります。手入れをした服を着ることが信頼にもつながります。

面接では、年齢とともに表情が固くなりがちなので、朗らかさと笑顔を意識してください。偉そうにどっしり構えるのではなく、相手の話を素直に聞き、ニコニコと明るい印象を与えることが大切です。“この人が来たら職場が明るくなりそう”と思われる人柄が採用を引き寄せます」

――再就職が決まった後、新しい職場にスムーズに馴染むための秘訣や“これだけはNG”という注意点はありますか。

前職の悪口や自慢・やり方の押しつけは絶対にNGです。また、最初から飲みに誘うのも避けた方が無難です。

良い心がけとしては、笑顔で『おはようございます』と自分から挨拶すること、仕事を教えてもらったら『ありがとうございます』と感謝を伝えること。セカンドキャリアでは自分が手柄を立てるのではなく、若手に手柄を立てさせてあげる(アシストする)という心持ちでいると上手くいきます」

――最後に、これからセカンドキャリアを迎える読者にメッセージをお願いします。

人生は、自分が主役の一冊の小説です。セカンドキャリアという次の章に移って、それをハッピーエンドにできるかどうかは自分次第。60代以降は“人生のボーナスタイム”と言われるように、もっと自分に期待をして、自由で楽しい時間を過ごしてほしいと思います。

道に迷って思うようにいかない時は、1人で抱え込まずに専門家やハローワーク、周りの人に相談してください。例え1度立ち止まっても、誰かと話をすることでまた新しい一歩を踏み出すことができます。ぜひ、これからの自分の人生を楽しみに進んでいってください」

60就活▲「定年後の働き方で知りたいことが全部のってる本」(主婦の友社)

西村栄子 プロフィール】

60就活
キャリアコンサルタント。一般社団法人高齢者再就職支援センター代表理事。シニア・ミドルシニア世代の再就職支援に特化したキャリアコンサルタント。
セカンドキャリアをテーマに企業・自治体で講座を行い、延べ多数のキャリア相談に従事。企業向けコンテンツの監修や情報発信など幅広く活動している。

(取材・文/蓮池由美子)
 
※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。
x
x