「日本は寛容な国…」女装愛好家・キャンディさんが語る家族との関係、難病との闘い

――前編でも伺いましたが、離婚した奥様や3人の息子さんとも、今は良好な関係です。

「本当にありがたいことでね。だけど、奥さんに会うと、どうにも申し訳なくて…。息子がいればまた違うんだけど、奥さんと2人きりだと、やっぱりちょっと気まずい(笑)。いろいろありましたから…。三男坊はこの格好で会うのもOKなので、イベントの手伝いをしてくれますし、私が脳梗塞で倒れた時も、SNSを更新してくれました。奥さんのサポートも、三男坊がしてくれています」

――お孫さんもいらっしゃるんですよね。

「長男は結婚して子どもがいますが、ある日、見知らぬ女子高生が、突然私のところにやってきて、『いつもお年玉ありがとうございます!』と言うんですよ。私がお年玉を渡しているのは長男の娘だけ……と思ったら、そう! 孫だったんです。その時は本当にビックリしちゃって、言葉が出なかったね。
後日、仕切り直して孫に会うことになったんだけど、しっかりしていて、LGBTQ+に対しての知識が豊富で驚いたんだ。その時は、彼女といろんな意見を交わしました。でも、こっちのボロが出ちゃうぐらい詳しかったんですよ(笑)」
――泣ける話…。お孫さんはキャンディさんについて、しっかりと理解を深めた上で会いに来たわけですね。そんなキャンディさんが、70歳になった今、大切にしていることは?

「やっぱり私は、人とのつながりがあってこそ、生かされているなと感じます。何よりも、人とのご縁が大切です。私が『キャンディ・キャンディ博物館』(東京・柴又)の館長を務めることになったのも、博物館の1Fにある『昭和レトロ喫茶セピア』の先代のママさんと、『陸奥A子展』で出会ったのがきっかけなんです。もしもママさんと出会っていなければ、ここにもいなかった。
脳梗塞になって羽田空港で働けなくなった時も、『お世話になりました』と感謝を伝えたら、空港の担当者がアドバイスしてくれて、今の掃除の仕事につながった。
テレビ東京の『レベチな人、見つけた』の出演もそうですし、夏には某有名なニュースサイトに掲載される予定があり…。私の場合は、これら全部人の縁! 本当に大事です」

――そういえば、キャンディさんのYouTubeは、プロのディレクターが制作したものと、ご自身で編集しているもの、2種類ありますよね。どれも興味深かったです。

「例えば、北海道旅行の動画は、全部自分のカメラで撮って編集しています。自分で編集するもの以外は、『ザ・ノンフィクション』で私を追ってくれたディレクターさんが撮ってくれるんだけど、最近彼が撮る動画は、楽しようとして私が普通に話しているものばかり(笑)。もし、皆さんの中で悩みなどあれば、コメント欄やSNSなどで送ってください。悩み相談に乗ったりもしているので」

――キャンディさんは、今後どのように進んでいくのでしょう。

「いやぁ今はもう、身の丈ですよ。女装愛好家の身の丈で余生を楽しみたいです」

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【キャンディ・H・ミルキィ プロフィール】
1952年、東京都生まれ。印刷の版下の仕事を行いながら女装愛好家としての活動をスタート。毎週日曜日に原宿の歩行者天国へ通い、マスコミに取り上げられた。
公式YouTube「キャンディびんぼう」

(取材・文/谷亜ヒロコ)
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