コロナ禍で「働くこと」について悩んだ人に観てほしい...濱田岳が「あんなにパブリックイメージを裏切らない人はいない!」超リスペクトするベテラン俳優とは?
SNSなどで圧倒的な反響を呼んでいるサレンダー橋本の原作漫画を実写化。ドラマパラビ「働かざる者たち」が、8月26日(水)深夜0時58分からスタートする!
主人公は、老舗新聞社「毎産新聞社」で働く、入社7年目のシステム部社員・橋田一(濱田岳)。本業はそこそこに、副業である"同人漫画の執筆"に精を出す日々を送るが、社内に巣食う勤労意欲ド底辺の"働かざる者たち"に翻弄されていく――。橋田を演じるのは濱田岳。子役時代から数多くの作品に出演し、第一線で活躍し続ける濱田の目に、会社員の生態はどう映ったのか。撮影エピソードや俳優という職業について聞いた。
"世の中には給料泥棒と呼ばれる人が本当にいるんだ"ということを初めて知りました(笑)
──今回演じる橋田とは、どのような人物ですか?
「橋田は自分の生き方に迷っているイチ社会人。職場で働かないおじさんたちと出会い、橋田はさらにブレます。それをきっかけに自分を見つめ直したり、仕事って何だろうと改めて考えたり...。三歩進んで二歩下がるじゃないですけど、最後までご覧いただいて、"橋田くん、一歩ぐらい進んだな!"と誉めてもらえれば、万々歳という感じですね」
──共演者の方々や撮影で印象に残っていることは?
「橋田の同期で、編集局政治部のエース記者・新田(啓太)くんを演じているのが古川(雄輝)さん。橋田は新田くんとは真逆で、ホントに煮え切らない性格なんですよ。僕自身も橋田の気持ちになってセリフをしゃべっていたので、古川さんは相当イライラしたんじゃないかと。現場では伝えられなかったんですけど、"迷惑かけてすみませんでした"って謝りたかったです(笑)」
「もう1人の同期で校閲部の社員・鴨志田哲也を演じたのが大水(洋介)さんで、この同期3人で撮影した居酒屋のシーンはとても面白かったですね。僕と大水さんの2人で生真面目な新田くん(古川)をイジリ倒したのがホントに楽しくて。
そして尊敬するゲストの先輩方は、共演したことがある方ばかり。働かないおじさんという足かせがあるせいか、とっても話しやすかったです(笑)。ただ、柳沢慎吾さん(販売局販売一部部長・風間敦役)とは初めて共演させていただいて、あんなにパブリックイメージを裏切らない人は初めてでした(笑)。ステキな人だなと思いました」
──橋田はたくさんの働かないおじさんと出会い、振り回されますが、濱田さんご自身が仕事で刺激を受けた俳優はいますか?
「中でも特に...という意味では西田敏行さんが一番ですね。伝説級の大先輩、大御所と呼ばれる方とあれだけ密に過ごせた時間(ドラマ『釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~』)は僕にとって大きな財産になりました。西田さんから『濱田岳のファンなので、一緒にお仕事ができてうれしいです』と言っていただけたときは、幸せな気持ちになったと同時に兜の緒を締める気持ちで背筋がピッとなったのを今でもよく覚えています」
──劇中ではたくさんの"会社あるある"が登場しますね。中でも印象に残ったものは?
「津田(寛治)さん演じる技術局工程部の八木沼(豊)さんは、いわゆる窓際族。『俺が社内で何て呼ばれているか知っているか?』っていう八木沼さんのセリフに対して、橋田が"給料泥棒"と答えるシーンがあるんです。"世の中には給料泥棒と呼ばれる人が本当にいるんだ"ということを初めて知りました(笑)。僕は津田さん越しにそういう存在を知ったので、ちょっと愛らしく見えてしまって、実際に会社にいるらしいと聞いたら面白く感じましたね。一周回って器用な生き方をしている人もいるんだなって」
──濱田さんの役者歴は22年になります。たくさんの現場を経験してきた濱田さんだからこそ知る"俳優あるある"があれば教えてください。
「男性ばかりが集まると先輩後輩の年齢に関係なく、ふざけはじめたら止まらなくなる空気はありますね。あと男性は一様に女優さんに緊張しがち(笑)。異性として意識しているから緊張するのか、女優業という職業に対して緊張しているのか、あまり深く掘ったことがないのでわからないんですけど。でも、うわぁ~って男同士でふざけていても、女優さんがすっと入ってくると、みんなシュンってなるのは"あるある"かもしれないです(笑)」
──コロナ禍での自粛期間中はどのように過ごしていらっしゃいましたか?
「ホントに何もしていなかったですね。家族とお酒を宅配してくれるおにいさんとしかしゃべっていなかったので、ゾッとするほど太りました(笑)」
──どのくらい太ったんですか!?
「自粛期間だけで5キロぐらい(笑)。でも、これだけ働くことについて考える時間があって、自粛明けに出演する作品が"働かないおじさんたちのドラマだ"と聞いたときは、やっぱり自分はこういう星のもとにいるんだなと思いました」
──それでは、濱田さんにとって仕事とは?
「ひょんなことから9歳で俳優という特殊な仕事を始めて...。当時は正直、ビジネスだと思っていませんでした。家庭と学校しか知らない子が、いきなり大人の社会に放り込まれたものですから、見渡す限りキラキラしていて新鮮で楽しくて。セリフを覚えることも子どもの僕にとっては宿題の感覚に近かったんです。そして宿題をやらないと、現場で楽しい大人たちの世界には混ぜてもらえない...。実はその感覚は今も変わっていないんです。
なので、仕事をして対価を得るという感覚は、もしかしたら薄いかもしれません。ただ人生経験を追うごとに宿題のクオリティを高めていかないと、仲間に入れてもらえなくなると、今もどこかで思っています。あとステキな先輩方って、誰からも好かれるんですよ。スタッフからも同業者からも。だからこの仕事を続けるためには技術力はもちろん、人間力も大事なことなんじゃないかと最近思い始めました。すごく人間力が問われる仕事なんじゃないかと...。これは新たな課題だと感じています」
──では、最後に読者にメッセージを。
「題名からすると社会派ドラマと思われがちですが、あくまでコメディですし、とても見やすい作品になっています。働く、働かないについては、自粛期間中、大いに悩んで考えた人も多かったのではないでしょうか。働くことにおいてのストレスや楽しさなど、いろんな思いを僕らにぶつけて観ていただけたら、物語に登場する働かないおじさんたちも昇華されると思います。気楽にご覧ください!」
(取材・文/今泉)
いよいよ明日8月26日(水)深夜0時58分スタート! ドラマパラビ「働かざる者たち」第1話の内容は...
「毎産新聞社」システム部社員・橋田一(濱田岳)は、会社の仕事はそこそこに副業の漫画執筆に精を出す日々を送っている。そんな橋田に毎日のようにちょっかいを出してくる八木沼豊(津田寛治)。社内で出世している人が多いことから『伝説の94年組』といわれる同期たちの中でただ1人"ノー残業""合コン三昧"な八木沼の姿は、自由気ままに人生を謳歌しているように見えるが...。一方の橋田は、エース記者として活躍する同期・新田啓太(古川雄輝)を羨望のまなざしで見つめ、漫画を逃げ道にしている自分に気づいてしまい...。
どうぞお楽しみに!
【番組名】ドラマパラビ「働かざる者たち」
【放送日時】2020年8月26日(水)深夜0時58分~深夜1時28分
※動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で同8月26日(水)夜9時より独占先行配信
【出演者】
橋田一...濱田岳
新田啓太...古川雄輝
川江菜々...池田エライザ
鴨志田哲也...大水洋介(ラバーガール)
八木沼豊...津田寛治
河田誠一郎...林泰文
風間敦...柳沢慎吾
柳瀬真...矢柴俊博
添田昭吉...林和義
山田...松林慎司
居酒屋の店員...藤谷理子
【原作】サレンダー橋本『働かざる者たち』(エブリスタ)
【脚本】有働佳史
【監督】有働佳史
【主題歌】M!LK『HOME』(SDR)