新ドラマスタート!稽古の様子を大公開|太田勇の5分で読めるテレビの裏側日記

テレビ東京配信ビジネスセンターの太田勇です。

 

いつも裏話を書いている「おしゃ子2」と並行して準備してきた「JKからやり直すシルバープラン」、

いよいよ来週水曜深夜スタート(11月10日25時)します!

 

●クランクイン前にやること 「リハーサル」

 

今日は「JKからやり直すシルバープラン」の「リハーサル」です。

 

って、何のリハーサルでしょう…?

 

 

正解は、「台本読みのリハーサル」

 

「読み稽古」なんて言ったりもします。今回のメインキャスト4人で稽古中。

ちなみに4人はこんな役柄です。

 

二宮小百合(鈴木ゆうか)…主人公の女子高生。ただし、中身は47歳の中年ホームレス。女子高生にタイムリープして、女子校生活をやり直す。前の人生ではワガママし放題の女子高生生活を送っていてそれをめちゃ反省している。

 

尾上慎二(小宮璃央)…内気なカメラ少年。ハヤナとは幼馴染だけど、今はパシリ扱いされている。

 

白石ハヤナ(紺野彩夏)…学園一の女帝で、小百合のライバル。強気な美人。

 

柏村真紀(祷 キララ)…成績学年トップ。家は弁当屋だが、だらしない父のせいで金銭面で苦労している。

 

 

一番左の白い服を着ている女子が柏村役の祷さん、灰色の服を着ているのが小百合役の鈴木さん、黒いシャツを着ているのが白石役の紺野さん、その奥にいるのが慎二役の小宮君。

 

奥の眼鏡の男性は、吉野監督。今回は僕と吉野監督の2人体制です。

吉野監督は『ゆるキャン。』や『ホリミヤ』などを監督している方です。

 

「読み稽古」とは文字の通り、台本を読みながらの稽古です

今日で4回目。深夜ドラマの規模感で読み稽古を4回もするのは相当珍しいことです。

 

ちなみに『おしゃ子!』ではシーズン1の時も読み稽古はありませんでした。衣装合わせをした時に、「読み合わせ」をしたくらいです。杉野遥亮君主演の『直ちゃんは小学3年生』『東京怪奇酒』の時も、「読み合わせ」を1時間したくらいです。

 

「読み稽古」と「読み合わせ」の違いは、言葉のニュアンス通り、「稽古」はがっつりやるイメージです。今日も朝9時から午前中いっぱい、読み稽古です。ではなんで4回もするのかというと、いくつか理由がありますが、大きく言うと2つ。

 

1、主演の2人(鈴木ゆうかさん、小宮璃央君)とも初主演と経験が浅いため

2、撮影スケジュールがギリギリで、現場で考えている時間がないため

 

 

 

 

● 「1、主演の2人(鈴木ゆうかさん、小宮璃央君)とも初主演と経験が浅いため」とは…?

 

1つ目について、もう少し深く言及します。

今回、鈴木さん、小宮君、それぞれに課題がありました。

 

まず鈴木さんの課題です。

鈴木さんが演じるのは、二宮小百合という女子高生なのですが、中身は47歳の中年独身ホームレスです。その小百合が、47歳から17歳にタイムリープした最初のシーンが次になります。

 

 

このシーンの小百合の「こんな汚いババァ撮って何したいの!?」とか「変態?ド変態なの!?」というセリフ、どういう言い方をするのが良いでしょうか…?

小百合は47歳の中年独身ホームレスです。日々の食うものに困っていて、身なりを整えたりお化粧をしたり、いわゆる女性らしさを意識する生活からだいぶ遠ざかっているはずで、自分が女性であることすら忘れているかもしれません。

そんな女性が言うのと、若い女性が言うのだとだいぶ違ってきます。若い女性が「こんな汚いババァ撮って何したいの!?」の時の「汚いババァ」は自分のことを本気でそう思っていないはずです

 

鈴木さんは最初、そこのニュアンスを掴むのにちょっと苦労しました。そりゃそうですよね…、鈴木ゆうかさん自身は20代の女性ですし、モデルもしている容姿端麗の方が実感を持って「こんな汚いババァ撮って何したいの!?」と言えないわけです。

 

最初の読み稽古の後、鈴木さんとは、47歳の中年独身ホームレス女性、小百合の背景について話しました。もう何年くらい化粧をしてない人なのか、どういう経済状況で、何をきっかけにホームレスになった人なのか……などなど、ここらへんはドラマではそんな出てきませんが、役を演じる上ではとても大切です。

さあ、鈴木さんがどんな演技をするか、はオンエアで観てください!

 

続いて、小宮君の課題です。

彼が演じる慎二は、見た目も中身も普通の17歳のカメラが好きなちょっと内気な高校生。小百合を演じるような難しさはありません。ただ実は、小宮君は最初に顔合わせをした時から、「僕は初めてのドラマが◯◯だったんで癖があると思うんで、不安なんです」と言っていました。

 

さあ、この「◯◯」とはなんでしょうか…?

 

小宮くんのウィキペディアを調べたら検討つくと思います。

そうなんです、彼は最初のドラマが『特撮ヒーロー』系なんです

……だからどうした?と思う方も多いかと思いますが、『特撮ヒーロー』の演技はちょっと特殊だと言われています。『特殊』なだけで、それが悪いとかは一切ないです。

わかりやすく言えば、時代劇と普通のドラマだと俳優の演技も変わってきそうですよね、そんな感じです。

 

『特撮ヒーロー系ドラマ』は、メインの視聴者層が子どもです。そのためだいぶ誇張した演技をするわけです。例えば、この台本にある「違います。違いますよ?」というセリフも、これが特撮ドラマだったら顔を目一杯使って感情を表現して、口調もやや劇画調になります。「劇画調の口調」と言われてピンとこないですかね……コント調というか、大げさというか、『巨人の星』の世界観というか……なんとなくわかったでしょうか……?

とにかくオーバーにした方が、子どもには伝わりますからね

 

ところが、今回のドラマは子どもがメインの視聴者ではありません。芝居にある程度のリアリティが必要になります。ある程度のリアリティとはどういうことでしょうか……。

 

たとえば先ほどの「違います。違いますよ?」というセリフで考えます。

その前のト書きに“慎二はカメラを持っていて、スカートが慎二の方に開いていた”とあります。つまり慎二は、小百合という学園を牛耳るワガママお嬢様女子高生に、盗撮を疑われているわけです。そんな時に言う「違います。違いますよ?」です

めちゃくちゃ慌てるでしょうし、声が裏返るかもしれないし、とにかく必死に誤解を解くでしょう。自分がどう見られているかなんか一切気にしないでしょう

 

ところが『特撮』だと違います。まあ、ヒーローですからね、けっこう強めのしっかり芯の通った感じでセリフを言ってしまうわけです。

「そんな強い口調じゃないよ。もっと普通に!」

と、僕と吉野監督で訂正するのですが、今度は静かな、けどもクールに言ってしまう。声が裏返ったりなんてもちろんしません。“カッコいい”から抜け出せてない感じといいますが……。

 

ただ小宮君も自分の悪い癖にも気づいていて、それを抜きたいという自覚はあるのです。なので、セリフごとに言い方を直していきました。

 

直し方は色々ありますが、小宮君の場合は、「これをドラマのセリフじゃなくて、学校の友だちと話す感じで言ってみて」と言いました。そうすると意外とすぐ直ったりします。あとは感情の表現のついても一緒に話しました。実際の社会で、めちゃ怖い人を前にした時って、ガクガクブルブルと漫画みたいに震えるよりも、ビビってることを悟られないように“無”でいようとしたりしますよね。そんな感じで、「普通に。普通に」と小宮君とは話しました。どんな演技に仕上がっているかは、オンエアで!

 

 

 

 

●「2、撮影スケジュールがギリギリで、現場で考えている時間がないため」とは…?

 

では2つ目について少し補足します。

 

こちらは、まあ、いつも話してますが、予算がないので1日10ページ以上撮影していかないといけないので、監督サイドはカメラ割で頭いっぱいになってしまいます。

正確には、俳優さんの演技も修正して、カメラの動きも確認して、と両方を丁寧に直していく時間がない、という意味です

 

時間があれば、俳優さんが立ち上がって右に行くか左に行くか、右に行ったとして立ったままセリフを言うかそれとも座るのか、立ったままセリフを言ったとして相手に目線を向けているかそれともそらしているのか、俳優さんの心情と、カメラマンの映像的視点と、ディスカッションをしてベストを探っていけると理想ではありますが……そんなことしていたら、1日1ページの撮影するのがやっととかになってしまうので、無理です

 

というわけで、現場に入るまでに俳優さんの芝居はある程度固まっている必要がありますし、芝居が固まってない時は、俳優同士で話してもらって動きを作ってもらいたいわけです。これはまた「1」に話が戻ってしまうわけですが、メインの俳優4人とも演技経験が豊富ではないので、個々でお芝居を作るよりは横同士が仲良くなって自然とそういうことを話せる状況になってほしいわけです。読み稽古を多くすることで、彼らが一緒に過ごす時間が増え、自然と話せる関係になってほしい、そういう狙いもあるわけです。

 

ちなみに今回のドラマの白石と柏村は、オーディションで決めさせて頂きました。オーディションに参加してくださって、役のイメージには合わないけど演技の上手な人たちは、学校の生徒役で出てもらっています。時間と予算のない現場だと、スタッフが不足しているため、メインじゃない人たちの芝居をつける所までいかず、彼らにおまかせになってしまいます。

 

実はエキストラのお芝居はとても重要ですし、ある意味難しいです。メインの出演者たちは台本にセリフが書いてありますし、ト書きもありますし、監督とディスカッションもできます。エキストラは違います。台本には自分たちは出てこないので、この人たちの周りにいる自分を想像して動きを考えるわけです。エキストラこそ演技力が重要となってくるわけです

 

 

 

 

●クランクイン前にやること「衣装合わせ」

 

その翌日は、衣装合わせ。その名の通り、出演者たちの衣装を合わせます。

 

慎二役の小宮君ですね。時代設定が1990年なのですが、あんまりノスタルジーを感じすぎるとドラマの主題がブレるので、当たり障りのない格好を選んでいます

ちなみに衣装合わせと一緒にメイクも確認します。

 

 

衣装合わせは葛西にある松竹の衣装倉庫でした。土足厳禁なので靴を脱ぎます。

……と、この日、一番驚いたことが!

 

 

僕、吉野監督、メイクの高橋さん、3人とも靴が、「ホカオネオネ」のスニーカーだったことです……!

皆さん、ホカオネオネって知ってますか?フランスの登山靴メーカーらしいのですが、ここのスニーカーが今までのスニーカーの概念を変えるほど画期的なのです

 

かくいう僕も、前の前の現場で「ホカオネオネ」が流行っているというのを知り、試しに履いたところ、即決で購入し、それ以来、毎日履いてます。

今、撮影現場では大ブームのスニーカーなので、まだの人は一度試してみてください。びっくりするほど足に優しいスニーカーです

 

 

最後に、学校の写真。

 

 

普通は、美術さんが下駄箱いっぱいに靴を用意しますが……。

こんな感じで、素直にドラマ内で表現していきます

 

来週水曜から始まる「JKからやり直すシルバープラン」、ぜひご覧ください!

 

※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。
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