初めて買ったレコードは?俳優・沢村一樹×ミュージシャン・吉井和哉 同世代音楽トーク:ボーダーズ

ドラマ9「ボーダーズ 警視庁特殊事件対策班」(毎週金曜夜9時)。堂場瞬一の大人気警察小説を原作に、異なる特殊技能をもつプロフェッショナル5人の特設チーム「SCU=警視庁特殊事件対策班」が、警察の縦割り組織の垣根を超えて事件に挑む。

本作の主人公・謎めいたSCUキャップ・結城新次郎を演じる沢村一樹と、書き下ろしによる主題歌「MUJO」でドラマを盛り上げる吉井和哉にインタビュー。本作の主題歌への思いをはじめ、同世代の2人の音楽ルーツについて聞いた。

【動画】主演:沢村一樹×吉井和哉書き下ろし主題歌「ボーダーズ 警視庁特殊事件対策班」

主題歌「MUJO」はドラマの世界観にピッタリ


「ボーダーズ」沢村一樹×吉井和哉インタビュー【前編】
――吉井さんが今作の為に書き下ろされた主題歌「MUJO」は、疾走感あふれるロックサウンドと、事件の真相や人間の複雑な思惑、予測不能な展開に翻弄されるSCU 5人の心理を鮮やかに描写した歌詞が、ドラマの世界観と見事にシンクロしています。吉井さんがこの曲に込めた思いは?また沢村さんは主題歌を聴いてどう感じましたか?

吉井「依頼の際に『よくある“刑事ドラマ”とは違う』と軽く脅かされていたので(笑)、制作に入る前からいろいろと考えを巡らせていました。実際に台本を拝見して“展開が見えない”と感じたことがヒントになって、“それこそがまさに事件じゃん!”と閃いて。“展開が見えないもの”から連想して“恋愛や人生もそうだな”と、それをモチーフにして男女の恋愛の中で起こる展開が読めない感じを歌詞に込めてみました。曲調は、同世代の沢村さんが主演を務められるので、昭和歌謡とブリティッシュのダンスロックみたいなニュアンスを取り入れた方向性にしました」

沢村「そうだったんですね!ありがとうございます。初めて聴いた時、とてもいい曲だなと思いました。でも、どこかちょっと物悲しさみたいなものを感じて、それがこのドラマの世界観とピッタリだと思いました。第1話で『MUJO』が流れてきた時、全ての台本を読まれているんじゃないか? 原作小説も全部読まれているんじゃないか?と思うくらい、この作品に寄り添った曲で吉井さんが、どこまでの情報でこの楽曲を作られたのかと、不思議な気持ちになりました。ほんと先の展開まで予感させる歌詞なんですよね。」

吉井「ありがとうございます。嬉しいです。すごく昔の話になりますが、某ドラマの主題歌を作らせてもらったことがあって。歌詞からヒントを得たアイテムが劇中に出てきたことがあったんですよ。逆だろ!とは思いましたが(笑)、それも嬉しかったですね」

沢村「それだけドラマの世界観と楽曲と歌詞がリンクしていたということですよね」

吉井「タワマンが舞台のドラマで、人々の心情を丁寧に描いていく中で“母と子”という大きなテーマがあったんです。僕も母1人子1人だったので、そうした心情が入るとリアリティを増すのかもしれません。作り物ではない、自分の中の感情なので」

――吉井さんとしては、普段の楽曲制作と、主題歌を作る時とでは、向き合う感覚が違ったりするんですか?

吉井「正直、最近はお題がある方が楽です。だから、こうしてドラマ主題歌のお話をいただくと嬉しい。そこから自分の経験が引き出されるので、思いもよらぬ展開の曲ができたりもするんです。だって何もなければ刑事ドラマ風の曲は書かないですからね」

沢村「確かに、そうですよね」

――同世代の沢村さんが主演ということで、曲調が決まったということですが…

吉井「やはり同世代だったら、この辺りの楽曲の雰囲気を懐かしく感じてくれるんじゃないかなと。そして、沢村さんは僕の中の“10人の好感触役者”のお一人でもあるので」

沢村「それは嬉しい限りです。楽曲の雰囲気に関しては、吉井さんがおっしゃる通り、懐かしいなという印象を受けました。でも、今って昭和っぽいテイストを新しいと感じているんですよね。だから、幅広い層の人達に届く音楽なのかなと思っています」

――音楽をはじめ、ファッションやインテリアも“昭和レトロ”が若者たちに大人気ですよね。

吉井「そうなんですよね。今、小学生が『かもめが翔んだ日』(渡辺真知子/1978年リリース)を歌っていますから」

沢村「ネットが発達したおかげでボーダーラインがなくなっているんですよね」

吉井「そうそう。世代も国境も。海外でも日本の歌謡曲がたくさん聴かれている時代ですからね。高中正義さんがイギリスで大ブレイクしていたり、シティ・ポップも世界中で流行ってますから」

――昭和歌謡とUKダンスロックのニュアンスを取り入れたという主題歌「MUJO」での音作りのこだわりは?

吉井「今回は人気のエンジニアの小森雅仁さんにMIXをやっていただけて、すごく満足しています。彼が作る音は、僕がすごく好きな70年代のブリティッシュロック独特の音色感というか肌触りに近いものがあるので、どこか懐かしいんですよ。この曲が、単なる昭和グラム系ディスコのオマージュに収まることなく、知的でクールな音処理の中で、吉井和哉の音楽の全ルーツが気持ちよく泳いでいる感じに仕上がったんです」

沢村「そういう方がいらっしゃるんですね」

吉井「藤井風くんとかもやられている売れっ子のエンジニアさんなんです」

沢村「おいくつくらいの方ですか・」

吉井「40代で、1番イケイケの頃ですね」

沢村「音の違いは、その方の感性なんですか?」

吉井「完全に感性ですね。これは料理におけるシェフと一緒で、同じ素材を使っても全く別物に仕上がるという感じです。下ごしらえから違うというか。いろいろと聞かせてもらったんですが、ちゃんと下ごしらえをしている。すごいなと思いました」

――俳優さんでも、演じる人によって役が全く違うキャラクターになるとか、演出する人によって別物になるとかありますよね、きっと。

沢村「そうですね。同じ役者でも監督が変わるとやっぱり変わりますね。今作のメイン監督の本橋(圭太)さんは、『DOCTORS~最強の名医~』(テレビ朝日系)でもずっと一緒だったので、現場も入りやすかったです。作品によっては、途中で監督や脚本家さんが変わることもありますが、それも悪いことではなくて。キャラクターは役者がちゃんと守っておけばいいことなのでね」

同世代の2人、それぞれの音楽ルーツ


「ボーダーズ」沢村一樹×吉井和哉インタビュー【前編】「ボーダーズ 警視庁特殊事件対策班」第2話より

――同世代のおふたりですが、それぞれこれまで通ってきた音楽のルーツは?

吉井「沢村さんは、歌がお上手そうですよね。さっきも発声法(口や表情を動かさずに発声)みたいな遊びを思い付いたとおっしゃっていましたし」

沢村「いやいや、あれしかできないですから(笑)」

吉井「実は、ずっと同じ音程を取って発声するのは難しいことなんですよ」

沢村「遊びでやっていただけなので、逆に褒められると恥ずかしいです(笑)。僕の中には音楽の要素がほとんどないので」

吉井「初めて買ったレコードとか覚えていらっしゃいます?」

沢村「『およげ!たいやきくん』(子門真人/1975年リリース)です」

吉井「世代ですねー!いくつの頃ですか?」

沢村「小学校2年生ぐらいじゃないですかね」

吉井「僕、小3でした。この曲の大ヒットで、当時、街中がたい焼き屋だらけでしたよね。『およげ!たいやきくん』のイラストを勝手にコピーして屋台に貼って」

沢村「あの曲がヒットするまでたい焼き屋さんって見たことなかったですからね」

――吉井さんの音楽のルーツは洋楽ですか?

吉井「いえ、後々洋楽も好きになるんですが、昭和歌謡が大好きで」

沢村「初めて買ったレコードは何だったんですか?」

吉井「西城秀樹さんの『激しい恋』(1974年リリース)です。“やめろと言われても”です。中学生になって、洋楽とかロックとか聴く音楽の幅が広がって」

沢村「僕は音楽より映画に夢中でしたね」

吉井「ブルース・リーがお好きだったんですよね?ブルース・リーのサントラとかは好きにならなかったんですか?」

沢村「サントラというより、テレビでブルース・リー映画の放映があるとテレビの前にラジカセを置いてカセットテープに録音して、何回も聞き返していました。小4の頃で、まだビデオデッキはなかったので」

吉井「ビデオデッキはお金持ちしか持ってない時代でしたからね。ベーターとかVHSとかね」

沢村「ありましたねー」

来週公開のインタビュー【後編】では、

「ボーダーズ」沢村一樹×吉井和哉インタビュー【前編】
今夜放送、ドラマ9「ボーダーズ 警視庁特殊事件対策班」(毎週金曜夜9時)第3話は?

第3話
警部補に昇進したばかりの朝比奈由宇(玉城ティナ)が、商業施設の爆破事件に巻き込まれ負傷する。それは八神(高杉真宙)の同期・宮原(前野朋哉)からの依頼で、特殊詐欺の主犯・秋山(小野塚勇人)を追尾していた際に起きたものだ。爆発に乗じて宝石店から金品が強奪されてもいる。監察は、爆発の際の朝比奈の行動が、正当だったのか調査を始める。結城(沢村一樹)がそんな朝比奈を見守る中、秋山の射殺死体が発見される…。

「TVer」にてリアルタイム・無料見逃し配信、「ネットもテレ東」で見逃し配信。各話放送終了後から動画配信サービス「Prime Video」にて⾒放題独占配信。

【プロフィール】
沢村一樹(さわむら・いっき)
1967年7月10日生まれ、鹿児島県出身。1996年に俳優デビュー。以降、ドラマ「白い巨塔」、「絶対零度」(ともにフジテレビ系)、「DOCTORS〜最強の名医〜」、「刑事ゼロ」(ともにテレビ朝日系)など数々のヒット作で主演・助演を務め、国民的俳優の地位を確立。バラエティ番組で見せるユーモラスな素顔とのギャップも魅力。ドラマ「水曜日、私の夫に抱かれてください」(テレ東)では連続ドラマのチーフ監督を務めた。
Instagram:@ikki_sawamura_official

吉井和哉(よしい・かずや)
1966年10月8日生まれ。東京都で生まれ、静岡県で育つ。シンガーソングライター、THE YELLOW MONKEYのボーカル&ギタリスト。‘92年、THE YELLOW MONKEY(ボーカル&ギター)としてメジャーデビュー。’03年にソロデビュー。以後、多くの海外ミュージシャンやエンジニアと積極的に楽曲を制作・発表。2026年12月9日(水)、12年ぶり8枚目のオリジナルアルバム「イキモノエナジー」リリース。沢村一樹主演ドラマ「ボーダーズ 警視庁特殊事件対策班」(テレ東)の主題歌「MUJO」を先行配信中。
X:@441108official
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