女ADがオンエアできないテレビ東京のお仕事を漫画化!あなたのそのイメージ、間違ってます。

「常にカンペを持っているんでしょ?」
「芸人さんと合コンできたりするんでしょ?」
いやいや、現実のADはそんなもんじゃありません!
テレビ東京で働く局員がリアルなADの日常を描いたコミックエッセイ「オンエアできない!女ADまふねこ(23)、テレビ番組つくってます」。
主人公・まふねこが数々のポンコツっぷりを爆発させながら、テレビ局で繰り広げられる謎の文化と試練(?)を乗り越えていくストーリー。
まふねこの独特なおもしろ要素と、思わず「へぇ~」とうなってしまうようなテレビ局の知識がもりだくさんな内容となっています。
今回は10月20日の発売を記念して、まふねこのモデルであり、作者でもあり、テレビ東京局員の真船佳奈さんにインタビューしました!

── こちらの漫画を描こうと思った経緯を教えてください。
真船:今年のお正月に、すごく暇だったので自分の甥っ子の漫画を描いてみたんです。
そしたら親戚が「いいね!」とおだててくれたので、ブログで「甥っ子に翻弄される叔母カナ日々」という連載をはじめてみました。
それをたまたま『ゴッドタン』の佐久間プロデューサーが見つけてくださって
「お前、ADの漫画描いてみたら?」と。
実はADになってから暇なときに"制作局って変だな"と思ったことを書き溜めていたものがあって......。

当時、描き溜めていた原稿
すぐにその原稿を写真に撮って佐久間Pに送ったところ、佐久間PのTwitterに載せてくださったんです!
そこから一気に拡散されて、数時間後には「ちょっとお話聞かせていただきたいんですけど......」と編集部の方から連絡がきました(笑)。
編集の方にお見せするにあたって本格的に描いたものを持って行ったところ、「出版しましょう」という流れに。
── すごい流れですね(笑)。周りの反応はいかがでしたか?
真船:これがテレビ東京らしさなのかもしれませんが、「漫画ばっかり描きやがって!」と言う人は1人もいなくて、「漫画は大丈夫なのか?」と心配してくれたり、おもしろがってくださる方がたくさんいてとても嬉しかったです。
── もともと絵はお好きだったんですか?
真船:はい、昔から絵を描くのは好きだったんですけど、なかなか趣味の域を越えなくて......。
社会人になってからちょっとだけ絵画教室に通っていたんですが、すぐに辞めてしまったので、ほぼ独学という感じで描いています。
── 漫画の描き方も独学で学んだんですか?
真船:はい。漫画の描き方どころかどんな道具を使ったらいいのかもわからず、周りにも漫画のことを聞ける人がいない状態だったので、SNSで「漫画家さんの知り合いがいる人連絡ください!」と投稿し、知り合いのツテをたどって知り合った漫画家さんに色々と教えていただきました。
── SNSの力はすごいですね。描くのにはどのくらい時間がかかりました?
真船:今回、150ページ程描いたんですが、普通に仕事をしながら描いていたので、自分でもよく描けたなと......(笑)。
平日は仕事があるので、基本的には土日に描いて、多いときには十何時間も描いていました。
── 「まふねこ」のキャラクターはどうやって生まれたのでしょうか?
真船:昔から友人に「お前すごくイライラする顔しているな」って言われていて(笑)。
イライラする顔とはどんな顔かといいますと......。

こういう顔って顔文字でもあると思うんですけど、イラッとするなって(笑)。
この顔文字に、名字の「真船(まふね)」にちなんでネコを描いて「まふねこ」になりました。
今回漫画を描くにあたって出版社の方に「コミックエッセイって基本的に作者が自分のことを描くので、漫画映えするような女の子を描くと売れるのでそうしてください」と言われたんですが、「絶対いやです!ネコじゃなきゃだめなんです!」といって貫きました。
なぜかというと、主人公を女の子にしたときに、私が人物の描き分けが苦手なので、主人公がどれだかわからなくなってしまうんです。人間の中にネコがいるっていう絶対的な主人公として描きました。
漫画の中にはパロディ要素もたくさん入っていて、1話ごとのタイトルもテレビ番組のパクりになっていたり、まふねこちゃんの顔が松田○作になっていたり、コ○ンくんになっていたりするので、探してみてください(笑)。
── ストーリーはすべてご自分で考えられたんですか??
真船:そうですね。ネームと呼ばれる下書きを描く際に、ストーリー構成も決定するんですが、いろんな方に見ていただき、意見を頂戴しました。
編集者さんに見せたら「おもしろい」って言ってくれるものも、放送作家さんに見せたら「つまらない」と言われたり、同業者さんに見せたら「これ同業者にしかわからないよ」と言われたり、かなり混乱する意見ばかり(笑)。
全部で11話ある中で多いものだと3~4回描き直しています。
── ストーリーについては、だいぶ攻めた内容ですが、こちらは実話でしょうか(笑)。
真船:昔体験したことをベースにして書いてます。
出てくる人物については、許可をいただき本名で出ている方もいれば、名前は違うけど実在する人など。
ちなみに鬼河原ディレクターは『怖いテレビマン』を想像して具現化しました。
── 漫画作成にあたって裏話などあれば教えてください。
真船:「靄(もや)をかける少女」というお話では、お風呂に入るおじいちゃんたちにどうやってモザイクをかけているのか、編集所でのお仕事の様子を紹介しています。このシーンはかなり攻めていますが、これも体験談でして(笑)。
しかも、本当は海外で撮ってきた映像だったんです(笑)。外国人男性たちが生まれたままの姿でタオルを巻かずに天然温泉に入っている姿にどんどんモザイクをかけていく、というシーンでした。
「ここモザイクかかってないです!!」「ここハミ出てます!!」っていう戦いを繰り広げた思い出があって、そのエピソードを描きました(笑)。
── 実際に今回漫画を描いてみていかがでしたか?
真船:楽しかったですね。
本当に楽しかったですし、あまり仕事では結果が残せていないんですけど、漫画を出せるという謎の結果が残せました(笑)
テレビの仕事と本の仕事って違うものとして扱われていますが、意外と同じものなのかもしれないと思いました。
読んでくれる人がいて、その人を楽しませて、「いい漫画だった」と忙しいひと時を忘れてもらう。
そういう目標がテレビとあまり変わらないと思うので、手段を問わずおもしろいことを発信できたという気持ちでは、達成感があります。
── ちょっと気が早いですが、第2弾の構想は?
真船:この漫画を出すにあたって、6話くらい入りきらなくて落とした話があるのでぜひやりたいです!
今回はあまりに描きたいことが多すぎて、途中でページを増やしてもらったくらいなので。

AD時代の写真
第2弾をもし出せるのであれば、サブタイトルの「女AD(23)」の23歳のところが巻数になるように、24歳のまふねこ、25歳のまふねこ・・・とまふねこの成長物語にしたいな、と考えています!
イメージの中だけでできていたテレビの世界、そしてADという仕事。
漫画を読んでみるとつい声を出して笑ってしまうようなシーンもあれば、テレビの世界ってこうなっていたんだと理解が深まるような知識がたくさんありました。
ちょっと現実離れしているような内容だって、自分の会社に置き換えてみれば、「あ、こんな上司いるなぁ」とか、「こんな理不尽な指示が降ってくること、あるある!」なんて共感してしまうことも。
そんなときはまふねこちゃんのように、全力で挑んでみたり、時には寝ながら聞き流したり(笑)。
これからテレビを見るたびに、この後ろにはまふねこちゃんみたいなADさんがたくさん頑張っているんだと思うと、テレビの見方が変わるかもしれません。
『オンエアできない!女ADまふねこ(23)、テレビ番組つくってます』
著者:真船佳奈
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http://shop.tv-tokyo.co.jp/top/detail/asp/detail.asp?gcode=DBS001639
試し読みはこちらから:http://sonorama.asahi.com/comic/ad-2.html
