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日本のぬか漬けに魅せられたルテーネさんをフィーチャー!
ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(毎週月曜夜8時~)。毎回ニッポンを愛する外国人たちの熱い想いを紹介し、感動を巻き起こしています。
そこで「テレ東プラス」編集部では、番組では放送しきれなかった"ほのぼの交流感動エピソード"を担当ディレクターに直撃する不定期連載「Dの感謝」をスタート!
3月12日(月)放送回では、ニッポンのぬか漬けに魅せられたリトアニア人女性・ルテーネさんをフィーチャー。ネットで調べた知識を元に、ドイツでは入手しづらい米ぬかの代わりに麦の粉を使った自作のぬか床でぬか漬け作りに挑戦しているルテーネさん。ぬか漬けをこよなく愛しなながらも「本物のぬか漬けを食べたことがない」という彼女のために、福岡県福岡市のぬか床料理専門店「千束」へ。約200年受け継がれてきたぬか床で漬けた絶品のぬか漬けを食し、ぬか床作りを学びます。
今回の「Dの感謝」では、ルテーネさんと旅で出会った人々とのとっておきのエピソードを、ロケに同行した山下謙ディレクターが語ってくれました。
「ぬか床は人に分け与える文化」ニッポンのぬか床が海を渡りドイツへ!
――試行錯誤しながら自作のぬか床を作るルテーネさん。まずは今回の旅の経緯を教えてください。
「ルテーネさんは元々健康に関心があって、キムチが好きで、そこからいろんな発酵食品を探していく中でぬか漬けを見つけて、自分の国にはこんなに長期間発酵する食品はないと興味を持ったそうです。長期間発酵する物の中には健康にいいものが含まれているということで栄養についてもよく勉強していました。まだ本物のぬか漬けを食べたことがないルテーネさんに体験させてあげたいということから、今回の企画になりました」
――多くのぬか漬け店がある中から、福岡の「千束」を訪ねたのはなせですか。
「ルテーネさんが古いぬか床を見たいということだったので、約200年間受け継がれてきたぬか床を持っておられるということと、『千束』の下田敏子さんはぬか床の悩みを無料で診断する"ぬか床110番"をやられていて全国的にも有名な方なので適任だと思ってお願いしました。ルテーネさんとの会話で、最近の若い人がぬか漬けをあまり食べなくなる中、『ぬか漬け文化の砦になりたいのよ』という下田さんの言葉が印象的でしたね」
――ルテーネさんはもちろんのこと、VTRを見て番組MCの高橋茂雄さんや真鍋かをりさんも「ぬか床デビューしてみようかな」と興味を持っていましたね。
「下田さんは『ぬか床って魔法のベッドなのよ』とおっしゃっていて。野菜を一晩そこに漬けるだけでビタミンB1が16倍になったり栄養素も豊富にあるという話を聞いて、栄養学を知らなかった人たちの時代からこういう知恵があったのがすごいなと思いましたね。正直、僕もぬか漬けと他の漬物の違いもよく分からなくて、ロケのはじめのうちは『この匂いおばあちゃん家でかいだことあるな』くらいだったんですが、ぬか床を知るにつれて驚くことばかりで。中でも、『ぬか床を嫁入り道具に』という言葉をよく聞きますが、それがこんな風に受け継がれてきたんだということに一番驚きました。ぬか床を守っていこうと思ったら、誰かがずっと見てなきゃいけない。下田さんも『ぬか床は生き物。子どもを育てるのと一緒』とおっしゃっていましたが、"そんなものって他にはないな"と、スタッフも感動をもらいました」
――200年受け継がれてきたぬか床の匂いはいかがでしたか?
「さわやかですね。フルーティーというか、清涼感のある匂いですね」
――ルテーネさんのぬか漬けに対する興味とリスペクトを持って接する姿勢も、出していただいたものも本当に美味しそうに全部食べる姿も好印象で、どこに行ってもみなさんと打ち解けていましたね。
「言葉は通じなくても本気度は伝わると思いました。ルテーネさんは普段は食が細くて、『旅先でこんなにお腹いっぱい食べることはないのに、今回はとにかく食べちゃう』と言っていました。あの笑顔がよくて、どこに行ってもかわいがられるので、スタッフも大変助かりました。下田さんには、『家に泊って行けば』と声をかけていただいたり、別れ際には『(ルテーネさんの)ニッポンのお母さんになれたら』とおしゃっていただいたり、本当にかわいがっていただきました。ルテーネさんは、僕たちスタッフのことも気遣ってくれるんですよ。観光で小倉城に行きましたが、殿様の乗る駕籠を見て、『私は一週間ずっとこの籠に乗せてもらっているみたいで、スタッフの人がお姫様みたいに扱ってくれた。それも含めて日本の方はおもてなしの心がすごいんですね』と言ってくれて...。わび・さびのわかる方で、日本の心や文化も理解しようとしてくれるところがうれしかったし、そんなルテーネさんにはとても感謝しています」
――今回の旅をきっかけに、ルテーネさんとともに"ぬか床文化"が海を渡りますね。
「下田さんは『ぬか床というのは人に分け与える文化』とおっしゃっていました。日本人の心をルテーネさんがドイツに持ち帰って、そこからまた誰かに分け与えて伝わっていくというのはステキなことですね」
放送では、「千束」でのぬか床作りに加え、「キムラ漬物」で日本で一番有名なぬか漬け「たくあん」作りにも挑戦。ニッポンの心とともにぬか漬け作りを学んだルテーネさん、帰国後にどんなぬか漬けを作るのか楽しみです。
番組では、日本に来たい海外の皆さんをこれからも応援し続けていきます!