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“無駄な発明”のプロに習う「アイデア発想法」。その秘密は嫉妬や怒り!? feat. 藤原麻里菜

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テレ東プラス

2018.11.2

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「なにか新しいことをしてみたいけど、どうすればいいの? 」そんな疑問は、その道のプロに直接習ってみましょう。今回は、無駄なものをつくらせたらピカイチな発明家・藤原麻里菜さんに「発明の発想法」について教えてもらいます。


(クリエイタープロフィール)
藤原麻里菜/発明家、文筆家、映像作家。1993年生まれ、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。頭の中に浮かんだ不必要な物を何とかつくり上げる「無駄づくり」を主な活動とし、YouTubeを中心にコンテンツを展開している。代表作に「インスタ映えを台無しにするマシン」など。YouTubeNextUp2016年入賞。


[Instagram]
https://www.instagram.com/mudazukuri/
[Twitter]
https://twitter.com/togenkyoo
[YouTube]
http://youtube.com/user/mudadukuri


2013年某日にYouTubeチャンネル「無駄づくり」を開設後、突飛なアイデアやどこか親しみ深い発明で瞬く間に注目を集める彼女。だが、その道のりは順風満帆とは言えませんでした。


お笑い芸人を目指して東京NSCに入学。ここでお笑いのイロハを学び、卒業後はピン芸人として幾多のライブに出演するも、観客席から笑い声が聞こえることは滅多になかったそう。そんな鳴かず飛ばずの生活を過ごしているときに出会ったのが、YouTubeでした。


「最近になって、ようやく無駄づくりだけで生活できるようになった」と話す彼女。約5年間の活動を経てどのような変化があったのでしょうか。また、どのようにして彼女のアイデアは形になっているのでしょうか。彼女のこれまでの作品と照らし合わせながらその経緯を探ってみます。



誰もが受け流してしまう負の感情を笑いに変える手段が「無駄づくり」だった


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Twitterでバーベキューと呟かれたら藁人形に五寸釘が打ち付けられるマシーン


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インスタ映え台無しマシーン


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パピコを一人で食べられるマウント


―― 藤原さんがYouTubeチャンネルを開設して約5年が経過しました。規模や予算も少しずつ大きくなっている印象を受けます。


そうですね。それこそチャンネル開設当初はお金を稼ぐことは考えてなくて、素材も100均で買い揃えたものを組み合わせていました。でも、やっていくうちに「無駄づくり」をお金にした方が人生楽しくなるなと考えるようになって。


そのためにまずは名前を売らないといけないので、つくったものをブログで発信するようにしました。そしたらSNSを中心にバズりました。


運良くウェブメディアから声をかけてもらい、連載をスタートさせることができました。それで記事用の発明に関しては制作費を出してもらえるようになったので、一気に好きなことができるようになったんです。


―― 最近は電子工作など技術的な発明も多いですよね。どこかで習ったのですか?


いえ、すべて独学......というか、ネット検索で学びました。エンジニアの方たちがインターネット上でhow toをシェアしてくれているので、その真似からはじめて。「電子工作」と聞くと難しそうなイメージを持たれるかもしれないですが、思ったより簡単に始めることができましたね。かけ算の九九すらできない私でも扱えるくらいです。


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おまじないチートマシーン


―― 藤原さんの生み出すものって、ある意味で卑屈だけど、どこか共感できる。それが人気の理由なのかなと思うのですが、どういった発想で「無駄づくり」に活かしているのでしょうか?


そもそもは日常の些細な怒りや憎悪があって。例えば、TwitterやInstagramで見かける楽しそうな投稿への嫉妬とか、強い正義感から生まれた投稿への怒りとか。そういった誰もが受け流してしまう負の感情をどう形にしたら面白いかなと、「無駄づくり」に変換しています。この「やる気がなくなったらお札が顔を撫でてくれるマシン」は、原稿の締め切りを破ってしまったとき、私の体たらくな一面と、それでもお金を稼がないといけない状況がうまくシンクロして生まれました。


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仕事のモチベーションが低下したときに閃いた、人間本来の欲望を体現したマシン


―― そうやって自分の内面と向き合うことって、人によっては辛いと思います。すんなり向き合えるようになったのは何かあるのでしょうか?


小学生のとき、仲良しグループのうちの一人の誕生日会があったんですけど、私だけ呼ばれなかったことがあったんですね。それって悲しいし、ムカつくじゃないですか。それでも当時は平気なフリをしていたんです。でも、よくよく考えてみたら、私の方が自分勝手な期待を抱いていたなって。呼ばれることが当たり前と思っていたというか。


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スタバでメッセージもらえないから作ったマシーン


―― つまり、そうした負の感情が生じることに、面白みを感じたってということですか?


向き合うまではとても辛いんですけど、今は面白いネタが増えたな、と思えるようにしています。


―― そう考えると、『Twitterで「バーベキュー」と呟かれると、藁人形に五寸釘が打ち付けられるマシン』なんか、妬みの塊のような発想ですよね。


あはは。純粋に、休日にバーベキューをしている人たちが憎くて(笑)。


―― 妬みがヒシヒシと伝わってきました。こうした発明を続けられてきて、心境の変化などはありましたか?


この「無駄づくり」を始めた当初は、ぼんやりと「普通とは違うことで生きる」というパンク精神だけで続けていたのですが、YouTubeの動画はもちろん、連載の仕事やテレビの出演、あと台湾での個展など、いろんな活動を経ていくうちに自分の鬱屈とした感情を「無駄づくり」を通して誰かに笑ってもらいたいと思うようになりました。昔は「誰かの笑顔のために」みたいなJ-POPにありがちな歌詞が苦手だったので、自分でも驚いています。


―― そうなると、発信方法も変化してきているのでしょうか?


そうですね。フックは妬みや怒りだとしても、特定の人を傷つけないとか、自分勝手なものをつくらないという点に気をつけながら、笑いに落とし込もうと考えています。すべて"無駄なもの"という点は変わらないのですが。


https://twitter.com/togenkyoo/status/1052109351098281984


少女漫画でありがちな演出を再現した、「口にクリームついてるぜ」マシーン。自分でコントロールできるのがミソ


好きなことをやりたい気持ちがあるなら、押し殺さずにやるべき


―― "無駄なもの"をつくり続けてきたことで、藤原さんの人生は大きく変化してきたと思います。これまでの活動を通じてものづくりの本質は見えてきましたか?


まだ、ぼんやりとしていますね。でも、継続することの大事さを再認識しました。最初こそ「すぐ終わりそう」とか「継続できない」とか思っていたので、25歳になったら潔くやめようと考えていたんです。でも、いつの間にか今年で25歳。まだまだやれることはたくさんありますね。私の心境の変化も含めて、大切なことはいつだって無駄なことが教えてくれたように思います。


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発明品集合


―― 今度発売される自著『無駄なことを続けるために』は、そうした藤原さんの人生観が描かれているそうですね。


はい。これまでの活動のなかで見えてきたことを書こうと思って、半年ほど前から執筆を始めました。捻くれた感情がきっかけだったものの、趣味で始めたことが仕事になって、すごく生きやすくなったんですよね。


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―― 「無駄づくり」がベースになっているということは、一般的な自己啓発本とは少し違いそうですね。


はい。強い言葉を使って生き方や働き方を提示することは、私にはできないので(笑)。「無駄づくり」は誰からも需要がある分野ではないですが、そんな私でも何とかご飯を食べていけています。そうした人生の成功と失敗について書いています。あと、後半では尊敬する作家やクリエイターの方にインタビューもしています。


私たちの世代は「好きなことだけで生きていきたい!」と感じる人が特に多いと思うんです。好きなことがやりたい、という気持ちがあるのに、その感情を押し殺して生きるのはもったいない。理想と現実のギャップに苦しむ人が手に取ってくれると嬉しいな、と思います。


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『無駄なことを続けるために - ほどほどに暮らせる稼ぎ方』/ヨシモトブックス 刊

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