プリンを猛烈にプルプルさせるマシン!漫画家・機構設計師てらおか現象さんの「勝手に作った」珍発明を見ずにいられない

「コアラのマーチの絵柄を消すマシン」、「プリンをプルプルさせるマシン」、「二度手間サイコロ」......。
意味不明ながら、詳細を知らずにはいられない魅惑的なプロダクトを次々製作している、てらおか現象さん。漫画家であり構設計師として、製作の過程を漫画にする独特な手法も話題を呼んでいます。今回はてらおかさんの思い出深い発明について伺いました。
人間の無限の可能性を示した「コアラのマーチの絵柄を消すマシン」
漫画家・機構設計師として活躍するてらおか現象さん。身近なテーマと奇抜な発想をかけ合わせた発明を漫画で発表するという独特の手法がインターネットを中心に人気を集めています。
「コアラのマーチの絵柄を消すマシン」(※1)という作品のなかでは、何者にもなれない自分への苦悩をどの絵柄ももらえないコアラのマーチに例えています。

コアラのマーチの絵柄を消すマシンを製作し、白紙のコアラを生産するという形で、人の可能性が無限であることを示しました。

人生の苦悩と設計の面白さ、そして漫画という表現を掛け合わせたこの作品には「才能の無駄遣い」、「不覚にも感動してしまった」、「欲しい」、「なんと表現していいのかわからない」などの様々な反響が巻き起こりました。
どうすればこんなことを思いつくのか、ほかにはどんな作品があるのか。お話を伺ってみます。
※1「コアラのマーチの絵柄を消すマシンを作る」
スミソニアン博物館にGoogle。勝手に作ったものが相手に届いた。
――ユニークな作品を、製作の過程と共に紹介されていますよね。これまでで一番思い出深い作品はありますか?
「やっぱりスミソニアンですね」
――スミソニアン博物館が公開しているマンモスの骨の3Dデータを改変して、実際にマンモスのプラモデルを作ってみた企画ですね。博物館側もてらおかさんの取り組みに興味を持ち、公式ブログに改変の過程を説明した漫画が掲載されるという快挙も成し遂げています(※2)。
最近海外の博物館で「展示物の3Dデータを無料で公開する」ってのが始まってるので、スミソニアン博物館が公開してるマンモスの骨のデータを3Dプリントした時に関節が可動して遊べるようデータを勝手に改造してみました。詳しくは今月25日発売の雑誌ラジオライフ4月号にマンガで描く予定です! pic.twitter.com/QQLgy6sfax
-- てらおか現象 (@radioduct) February 1, 2017
「はい。勝手に作っても届くんだなってことがわかったんですよ。
Googleの件もそうです。Googleの日本語入力チームは毎年エイプリルフールに新しい装置を発表してるんですが、2016年はそれが日本語入力の物理フリックバージョンだったんです。
物理フリック入力は僕も考えていたんです。だけど先にやられちゃったから、アンサーソング的な感じで物理的にフリックが『表示』される装置を作ったんです。指をスライドさせると文字がパタッと表示されるやつ。そういうのを勝手に作って、僕が連載をしていた雑誌『月刊ラジオライフ』のなかで、どうだGoogle!みたいなことを勝手に描いて。
今日発売のムック「電子工作バイブル」で
-- てらおか現象 (@radioduct) July 28, 2016
物理的にフリック「表示」する装置を作りました!
Googleの物理フリック「入力」装置に対して勝手にアンサー工作するというマンガを描いてます〜!https://t.co/oKRqj5x5FA pic.twitter.com/A5EvR6fmVM
そしたらそれをGoogleの人が見てくれていて、Googleを見学させてくれましした。歴代のエイプリルフール作品を見せてもらったり。
そんな感じで、勝手に作ったものでもインターネットのおかげで届くんだって言うのがわかりました。何かを作る仕事って、基本的に『こういうものを作ってください』って頼まれるのが先じゃないですか。でも、勝手に作ったものも届いたんです」
※2「Articulated Woolly Mammoth Manga」
会社員時代に作りたくても作れなかったものを、今こそ
――以前はおもちゃを設計する会社で働かれていたと伺っています。そのとき、てらおかさんは作りたいおもちゃの提案もされていたんですか?
「アイディアを出すことはほとんどなかったです。『こういうキャラクターがここを引っ張るとこう変形する』っていうだいたいできそうな感じのイラストが来るので、それを実現するのが仕事でした。年に何回か突発的な社内プレゼンがありましたが、それはむしろイレギュラーでした......」
――本当は作りたくても作れないものはいろいろあったのでしょうか?
「はい。その反動なのか今それを作ったりしてます」
社内プレゼンで落ちたプッチンプリンをプルプルさせるマシンが、プッチンプリン側に届いた!
――ちなみに、実際に社内プレゼンに出してみたものはありますか?
「プッチンプリンをプルプルさせるマシンは、社内プレゼンで出して通らなかったものです。

単純に『それ何になるの?』って言われて終わりました......」
――でも、プッチンプリンが猛烈にプルプルするのってめちゃくちゃ面白くないですか?
「僕は面白いと思ってるんですよ!それで、会社で提案してみてダメだったから個人的に作って発表しました。そうしたらそれを見たプッチンプリン側から仕事が来たんです!」
――なんと、プッチンプリンのほうから!
「プッチンプリンを『プッチンする派』と『プッチンしない派』で投票をする企画があって、そのときにプッチンプリンをプルプルさせるマシンの連結バージョン(※3)を作りました。

これもさっきのGoogleの、勝手に作ったら届いたという話と一緒です。会社のなかから提案して一度はダメになったものをひとりで勝手に作ったら、プッチンプリン側に届いてくれました」
※3「プッチンプリンをプルプルさせるマシンパワーアップバージョンのプレゼンテーション...!」
――すごいです......!
「勝手にやっても届くんだなってことがわかったので、これからもどんどん勝手にやっていこうと思います!」
【プロフィール】
てらおか現象
漫画家・機構設計師。おもちゃ会社での設計の仕事を経て、現在は3Dプリンターなどを駆使した独創的なプロダクトの製作を手がける。2015年、既存の企業ロゴをアニメーションにする取り組み「LOGOMOTION」で「CREATIVE HACK AWARD」グラフィック部門賞受賞。
[HP] http://teraokagensyou.com/
[Twitter] @radioduct