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なぜ畳? なぜ看板? 画家TAKASE KOTAROさんのナゾを解き明かすインタビュー

エンタメ

テレ東プラス

2019.3.10

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TAKASE KOTAROさんは、横浜在住の画家。電車や野球場、看板などをモチーフに、蛍光色の空の下に展開する架空の街の風景を描き出します。コラージュを多用した鮮烈な作風もさることながら、アトリエも独特。京急線・上大岡駅から徒歩3分ほどの住宅街で「ごじゆうにおはいりください」とアトリエを一般開放し、そこで制作活動を行っているのです。街行く人々に制作過程を見守られつつ精力的に作品を描き上げるTAKASEさんの、制作の秘密に迫るインタビューをして参りました。

出入り自由のアトリエで制作


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▲看板の「畳」は先代が畳屋を営んでいた頃の名残り


──なぜ郊外の住宅街で、しかもオープンなアトリエを?


「父方の祖父が畳職人で、55年間ここでお店をやっていました。2015年に僕がここを引き継いで、アトリエとして使うことにしたんです。幼い頃から遊びに来ていた街なので思い入れもありますし、駅の近くで人通りが多く、いろいろな方に作品を見てもらうにはとても良い環境だと思います。昔あったカメレオンクラブというゲーム屋さんが大好きで、ファミコンを修理してもらったりゲームソフトを買ったり、いろいろ楽しい思い出があります」


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──なるほど、それで「畳」の看板なんですね。では、絵を描き始めたきっかけは?


「絵は母方の祖父の影響です。祖父は書家なのですが、趣味で船の絵を描いていました。それを見ているのが楽しくて、僕も一緒に絵を描くようになりました。最初は渋い色あいで富士山などの風景画を描いていたのですが、絵画教室や部活、そして東京造形大学で美術を学んでいくうち、色使いなどの方向性が変わっていきました」

祖父、地図、電車、野球と好きな物だらけの絵


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▲「Sunrise City」左右別々のイベントでライブペインティングしたものをつなげた大作


──あの独特なモチーフはどこから?


「あの街は、幼い頃に地図を落書き帳にして描いていた架空の地図がイメージのベースとなっています。そして、電車はモチーフとしてだけではなく、車体の色が絵全体のカラーに影響しています。昔の電車は原色ベタ塗りが多く、その色使いが僕の色彩感覚を形成しました。特に好きだったのは、国鉄103系(京浜東北線)のスカイブルー。野球も大好きで、ずっと横浜DeNAベイスターズのファンです。横浜スタジアムをはじめとした球場や、選手の顔写真、チームロゴなど野球にまつわるいろいろなモチーフを使っています」


──好きな人・物の集合が、絵になっているんですね。レトロな雰囲気も、やはりお好きなんですか?


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「レトロな感じは好きですし、古いモチーフを使うことで近未来な風景にノスタルジックな雰囲気が加わり、非現実的な空想世界を表現できるのではないかと。また、いろいろな時代の方が見て楽しめるという要素にもなります」


──確かに、出所の分からない非現実な雰囲気が魅力です。蛍光色の空が印象的ですが、こちらも電車の色でしょうか?


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「これは日本の都市を象徴するネオンの光を表現しています。空の色は明るい賑やかな表情を描きたい。田舎を描くことはほぼなく、都市の風景を見ることで感じるものを表現したいんです」


──影響を受けた画家さんはいますか?


「画家の篠原有司男さんのガッツがある刺激的な色使い、大竹伸朗さんのコラージュ手法。それと、身近な友人の影響も。東京造形大学の美術学部の絵画を専攻していたんですが、そのときの親友の作品、原色使いが凄かったんです。彼は今ミュージシャンになり、活躍しています」

「この作品はTAKASEだ」と言われる画家に


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▲シルバーをコラージュに採り入れた作品


──将来はどのような画家を目指しているのでしょうか?


「自分を確立して万人に知ってもらい、絵で食っていける人になるのが目標です。一目見て『この作品はTAKASE KOTAROだ』と言ってもらえるような。ジャンルとしては、芸術家という1本強い芯があって、枝分かれした先にデザインやイラストなどがあるという姿をイメージしています。今はまだ、他者の意見を採り入れる段階だと思っていますから、絵の価格もなかなか決められないんです。買い手が来たら『どれくらいですか』と評価してもらいながら、価格を決めたり。安く言われるのは嫌ですが(笑)、買いたい人の評価にゆだねたいところがあるんです」


──今後どういう絵を描かれるのか、また、展覧会など具体的な展開はありますか?


「展覧会は海外からお誘いがきていますが、残念ながら日程が決まっているものはありません。絵としては、ちょっと渋めの色を使っている作品を描き始めています。落ち着いた空気の風景に蛍光色を入れることで、より際立たせるという。好きなモチーフを使って色合いを追求していくということを、これからも続けていこうと思います」


──それもすごくカッコ良さそうですね。次の作品群も楽しみにしています!


【プロフィール】
TAKASE KOTAROさん
1992年生まれ、横浜市出身の画家。小学校1年生から絵を描き始め、絵画教室、橘学苑高等学校のデザイン・美術コース、東京造形大学絵画専攻領域で美術を学び、画家として活動を開始。2015年、横浜市に、通行人が自由に鑑賞できるアトリエ「アートスタジオタカセ」を開設。
◎アトリエ情報:アートスタジオタカセ 横浜市港南区上大岡東2-4-9
http://www.instagram.com/takasekotaro

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